バンドやろうぜ!【ゲームレビュー】

アニプレックスとソニー・ミュージックが贈る『バンドやろうぜ!』は、ボリューム満点の青春ストーリーとプレイヤー同士で競い合うリズムゲームが楽しめるタイトルだ。それぞれに特色ある4組のバンドが登場する本作の魅力を紹介していこう。

キャラクターを全力で愛せる音楽ゲーム

『バンドやろうぜ!』は、「青春」と「バンド」をテーマにしたリズムゲーム。

ライブでは常に対戦(デュエルギグ)相手がいて、お互いのカットインがぶつかり合う熱いというライブが繰り広げられる

本作には、「BLAST(ブレイスト)」「OSIRIS(オシリス)」「FairyApril(フェアリーエイプリル)」「Cure²tron(キュアキュアトロン)」という4組が登場し、それぞれのバンドの目線で異なるストーリーが紡がれていく。

優勝したらメジャーデビューできる大舞台「ビギニング・R」に出場した4つのバンド。しかし結局、どのバンドも優勝することはできずに終わってしまう。最後のゲリラライブで別格の演奏を見せつけた現代最強バンド「DESTIRARE(デスティラール)」に感化され、それぞれが再び歩み始める

イケメンだけでなく男の娘も!? 4つのバンドをチェック

本作のいちばんの魅力は、1人ひとりのキャラクターに豪華声優陣が、そしてバンドごとに豪華イラストレーターが配されているという点だ。

ゲーム内で流れる曲は、実際に各ボーカル担当の声優が熱唱したものになっており、ファンなら聴きほれること間違いなしのクオリティーに仕上がっている。

バンドの特徴とそれぞれの担当を、代表曲と合わせて簡単に紹介しておこう。

※掲載したプレイ動画は、見やすさを考慮して「タップエフェクト」をオフにしたもの。

BLAST(キャラクターデザイン:曽我部修司[FIPS])

  • Vocal.東雲 大和(声優:生田鷹司)
  • Gutar.巻 宗介(声優:増田俊樹)
  • Bass.佐伯 翼(声優:山下大輝)
  • Drum.白雪徹平(声優:石谷春貴)

緋ノ山第一高校に通う高校生4人で結成したバンド。

正規ボーカルが決まらない状態で続いていた中、大和が加入したところから物語が始まる。

アグレッシブで熱い曲調が特徴。

初めから選曲可能な「Dreamer」がBLASTの楽曲。プレイしていると自然と楽しくなってくるような曲だ

OSIRIS(キャラクターデザイン:さらちよみ)

  • Vocal.高良 京(声優:小林正典)
  • Guitar.レイ・セファート(声優:花江夏樹)
  • Bass.来栖 真琴(声優:内田雄馬)
  • Drum.小金井 進(声優:梅原裕一郎)

幼なじみのレイと進により結成後、京と真琴が加入したバンド。

その音楽性と世界観の完成度の高さから、一時はメジャーデビューのウワサもささやかれていた。

クールで叙情的な楽曲が特徴。

ベースとドラムの入りが秀逸な「Voice」がOSIRISの楽曲。クールなイメージがピッタリの曲となっている

FairyApril(キャラクターデザイン:いとうのいぢ)

  • Vocal.鳳 葵陽(声優:蒼井翔太)
  • Gutar.七瀬 一真(声優:石川界人)
  • Bass.徳田 吉宗(声優:山本匠馬)
  • Drum.藤堂 美郷(声優:小林裕介)

大手総合プロダクション「ビー・トラップ」に所属するバンド。葵陽、吉宗、美郷が初代ギターメンバーとともに中学の文化祭を機に結成。

プロダクション所属のタイミングで脱退したギターの代わりに一真が加入した。

個性あふれる楽曲と合わせて、その高いライブパフォーマンス力が評価されている。

「Storm flight!(ストーム・フライト)」が彼らの楽曲。個人的にはいちばんタイミングが取りやすく、プレイしやすかった

Cute²tron(キャラクターデザイン:ゆーげん)

  • Vocal.マイリー(声優:黒沢ともよ)
  • Guitar.シェリー(声優:田野アサミ)
  • Bass.ユキホ(声優:湯浅かえで)
  • Drum.ミント(声優:村川梨衣)

シェリーとミントが結成し、その後ユキホが加入。しばらくはシェリーがギター&ボーカルを務めたが、1人でカラオケボックスで歌うマイリーの姿を見てボーカルに誘い入れ、今のメンバーとなった。

かわいい見た目とガーリーな衣装、そしてキュートでポップなサウンドが魅力なのだが、女の子にしか見えないメンバー全員が、実は「男の娘」という異色系バンド。

かわいらしさがあふれ出る「メガメガトロン」が、彼らの楽曲。その歌声はとても男とは思えないものとなっている。とはいえ、ボーカル担当は女性声優なので、当たり前といえば当たり前なわけだが……

DESTIRARE(キャラクターデザイン:江端里沙)

  • Vocal.ディズィ(声優:???)
  • Guitar.セイジ(声優:森久保祥太郎)
  • Bass.マサキ(声優:小西克幸)
  • Drum.シュウ(声優:小野大輔)

ロックの世界の頂点に君臨するバンドで、音楽を志す者たちすべてのあこがれの存在。

メンバーそれぞれの個性がぶつかり合うかのセッションは、聴く者の耳とハートをとりこにするといわれている。

バンド名は、イタリア語の「運命(Destino)」と「撃つ(Tirare)」を合わせた造語で、「運命を撃ち抜く」という意味を持つ。

リズムに乗ってジェスチャー操作!

ライブは、曲に合わせて画面の上から降ってくるさまざまなひし形の「ノーツ」に、それぞれに対応したジェスチャーをタイミングよく合わせていくもの。一般的な音ゲーでも見慣れた内容だ。

ノーツは数種類あり、それぞれに合ったジェスチャーが求められるが、色や形で簡単に見極めることができる。よく譜面を見て対応し、フルコンボを目指そう!

最も多く降ってくるのは白いノーツ。枠に合わせて「タップ」しよう。横に並んでいる場合は「同時押し」だ

緑と赤で表示されたノーツは、矢印の方向に「フリック」だ

青く縦に伸びたノーツは「長押し」のサイン。うまく決めれば大量にコンボが稼げる

強敵になるのが、オレンジ色のノーツ。長押ししつつ、譜面に合わせて「スライド」していこう。気を取られすぎて、ほかのノーツをないがしろにならないように注意

デュアルギグ相手に打ち勝とう!

本作のライブ最大の特徴は、対戦相手の「デュアルギグ相手」がいること。

演奏では必ずほかのバンドと対決することになり、その相手と最終スコアを争うことになる。

ライバルとなるのは、ほかのプレイヤーまたはCPU。演奏中はお互いのバンドメンバーの争いがボイスやカットインで表現され、ライブをより熱いものにしている

対戦相手より高い得点を叩きだせば「ライブ勝利」、得点では負けたが、演奏を完走できた場合は「ライブ成功」、ミスが重なってライフが0になるとライブが中断され「ライブ失敗」となる。

ライブ失敗とならない限りは、変わりなく報酬を得られる。相手のスコアを気にしないでいるのは難しいが、自分の演奏に集中して勝利を目指そう

味わいつくせないほど大盛りのストーリー

ライブ以外にもぜひ注目しておきたいのが、ボリュームたっぷりのストーリーモード。

「メインシナリオ」では、各バンドのメンバーたちの葛藤や成長を「フルボイス」で存分に楽しめる。

メインストーリーの序盤は、どのバンドもボーカル視点の苦悩が描かれたストーリーとなっている。見た目だけではわからなかった内面が、少しずつ見えてくる

また、キャラクターそのそれぞれにフォーカスした「キャラシナリオ」もあり、推しメンを愛でることも可能だ。

どうやらキャラシナリオは、そのキャラクターの精神世界を舞台に繰り広げられていくようだ

さらには、キャラクターのカード1枚ごとにもストーリーが盛り込まれており、「カードアルバム」を見ればより深くキャラクターのことを知ることができる。

カードのシチュエーションに合った、そのキャラクターの日常生活を切り取ったような物語を楽しめる。1枚のカードに複数話が収録され、大ボリュームな内容となっている

これらのストーリーは、ライブで曲を演奏してそれぞれの「ランク」を上げることによって、少しずつ開放されていく。

「カードランク」「キャラランク」「バンドランク」は、ライブ成功・勝利していくと自然に高まっていく。演奏を楽しみつつ、ストーリーも読み込んでいこう

各シナリオを読むだけで、ガチャに必要な「メダル」をはじめとするさまざまな報酬が得られるのもポイント。ライブしてランクが上がると、カードのバリエーションも増えるという、見事なサイクルが作り上げられている

気になるキャラクターがいたら間違いなくプレイしたい作品

もちろん、キャラクターカードには強化やブレイクといった育成要素があり、デザインも1枚1枚がこだわ利を持って作成されているので、ガチャを回すのも楽しかった。

筆者が気になったのは、ユキホ。今回のプレイでは行きつけなかったが、ブレイクすると一気に強くなるだけでなくデザインも一新されるそうだ

16人のキャラクターそれぞれを深く知るための配慮がいきわたっており、見た目や声が気に入ったメンバーがいるなら、とりあえずプレイし始めてみることをおすすめする。

画面のカクつきが少々気になるが、ライブもストーリーもハイクオリティーな本作。推しメンの行く末を自分の目で見届けよう。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
  • 課金総額:0円

(C) BANYARO PROJECT