トムとジェリーざくざくトレジャー【ゲームレビュー】

保坂陽介
2016年02月20日

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ワーナー・ブラザースより2月18日より配信が開始された『トムとジェリーざくざくトレジャー』は穴掘りアクションパズルゲーム。世界一有名な凸凹コンビ「トムとジェリー」が、本の中に入り込んで大活躍していく。モチーフは子ども向けだが、パズルゲームとしても楽しめる完成度の高い作品となっている。

ファンシーでありながら骨太な本格パズルゲーム

『トムとジェリーざくざくトレジャー』は、世界的な人気を誇るアニメ「トムとジェリー」シリーズをモチーフにした穴掘りアクションパズルゲーム。ネコの「トム」とネズミの「ジェリー」が本の世界で大活躍していく。非常に親しみやすいモチーフだが、パズルゲームとしてもかなりよくできている。見た目だけではわからない、本作の骨太な魅力を紹介していこう。

世界一有名な凸凹コンビが魔法の本の中で大活躍していく。子どもや女性に受けそうなファンシーな世界観となっている

基本操作はタップのみのシンプルなもの。タップでブロックを消しながら、下にあるゴールを目指していく。タップしたブロックと隣合う同じ色のブロックは連鎖して消えるため、一瞬でたくさんのブロックが消えることも。何10連鎖もできるとかなり爽快

使用するピッケルごとに、掘れる回数（タップでブロックを消せる回数）には制限があり、この回数内でゴールまで到達できないとゲームオーバーとなってしまう。プレイヤーはいかに一度のタップで多くのブロックを消すかを考えることになる

自室をデコレーションし、オンライン上で公開できる機能も搭載。他のプレイヤーの部屋を訪問してコミュニケーションをとることも可能。各ステージで入手できる素材アイテムでさまざまな家具を作れるので、自分好みの部屋を作っていく楽しみがある

戦略性を生む多彩なギミック

各ステージには、多くのギミック（特殊なアイテムやブロックなど）が存在している。たくさんのブロックを消せるものから、ユーザーの行く手を阻むものまで、その種類はさまざま。ピッケルで掘れる回数に制限があることもあり、ステージクリアにはこれらのギミックを上手に利用する必要があるだろう。

今回プレイした中でも、次のようなものを確認できた。

硬いブロック：複数回タップしないと消えない。ただし、壊すとレア素材を入手できるメリットもある
宝箱：さまざまな素材が入手できる
工具箱：ピッケルで掘れる回数が回復する
爆弾：爆発範囲内のブロックが消える
ペンキ：周囲のブロックを、そのペンキの色に変える
花火：ゴール時に花火を打ち上げ、ぶつかったブロックを消すことができる。硬いブロックも一発で壊せる
ボーリング：ボーリングの球が複数のブロックを破壊してくれる
色変わりブロック：一定時間ごとに色が変化する

ギミックを利用するため、ブロックを消す順番や、あえて消さないといった選択をとった方がいい場面もある。ギミックがあることで、こうした立ちまわりを考える幅が広くなっているといえるだろう

複数のピッケルを使い分けよう

穴掘りパズルというだけあり、ブロックを掘るための道具「ピッケル」はステージ攻略のポイント。特に本作ではステージ内のチェックポイントでピッケルを持ち換える必要があるため、ステージに沿ったピッケルを複数使い分けることが重要となってくる。

進む深度ごとにチェックポイントが存在し、そこではピッケルを持ち換えなければならない。1本の強力なピッケルだけではクリアできないようにしている点が、非常に工夫されていると感じた

ピッケルはガチャなどで入手可能。ピッケルごとに掘れる回数が異なる他、それぞれが特殊なスキルを持っている。スキルにはギミックの効果を上げるようなものが多いので、ステージ攻略の助けとして大きな存在となる。いわゆる合成を行うことでステータスも強化可能

育児にも使えるキッズワールド機能も搭載

本作には小さな子どもに向けた知育パズルモード「キッズワールド」が搭載されている。お子さんがキッズワールド機能以外のものに触れないよう、パスワードを設定できるといった配慮もされており、子どもを持つ親にはうれしい内容となっている。

選べるパズルは2種類。内容は非常に簡単なので、楽しみなら育児ができるようになっている

キッズワールド画面遷移時にパスワードが要求され、それを入力しない限りホーム画面に戻れなくなるという仕組み

「トムとジェリー」というモチーフ、デコレーションできる部屋や知育パズルモードなど、女性、特に主婦が楽しめる要素が多く取り入れられているように感じた。一方で、ギミックやピッケルなどが相まって、パズルの方はかなり骨太な内容。立ちまわりを考えて攻略していく面白さも味わえる作品なので、主婦向けではあるが、パズルゲームとしても問題なく楽しめる。コアなゲーマーの方も家族といっしょに遊んでみてはいかがだろうか。