【変ゲー1人探検隊】第6回: ババアが暴れる変ゲー

「ババア」というキャラクターの持つパワーはすごい。あらゆるシーンになじみ、さらには非日常的な設定においても、いっそう際立った個性を放つ。

『クッキークリッカー』のクッキーババアはクッキーお姉さんであってはならない。『マッドマックス』のババアだって、あれはババアでなければならない。

ババアが打撃を繰り出し、ババアが戦車に乗り、ババアが暗がりから突如出現する。ババアがいる、それだけで意外性とインパクトが約束される。

ジジイや若者ではこうはいかない。筆者も女性、同性として複雑に感じつつも「なかなかいいな」と思ってしまう、それがババアキャラの味である。

今回は女性の最終進化形態であるババアが活躍する変ゲーを紹介する。

意外と存在するババアゲー

実のところ、ババアのキャラクター性の高さに気付いている者はすでにたくさんいて、ババアが暴れるスマホゲームは大量に存在する。

横スクロールアクションの『Angry Gran』シリーズ、ババアをかまって若返らせる『100万歳のババア』などはかなり有名だ。

そこで今回はマイナーながら楽しいババアの変ゲーを、と思ったのだが、紹介したかったタイトルは日本のストアでは扱っていないものばかり。残念だ。

また、とち狂ったコンセプトも変ゲーには重要だが、おばあちゃんの顔にメスや薬品を入れ整形外科手術で若返らせるものや、歩行器にしがみついた老婆がひたすら放屁するなど、嫌悪感を抱くユーザーが少なからず存在するであろうタイトルも見られ、こういった類のゲームは今回は除外した。

変ゲー探索にこれほど難儀したのは初めてだ。しかし、ババアゲーの紹介をあきらめたりはしない。

おばあちゃんを投げる

原題は『Throw Granny』なのだが、真面目に翻訳した結果がこれである。ダイナミックな吹っ飛ぶおばあちゃんのアイコンとは裏腹に、その正体は地味な物理パズルだ。

「変ゲーあるある」の1つ、タイトルが表示されないタイトル画面。不思議な装置に囲まれたピンク髪のババ……失礼、おばあちゃまが、関節が心配になるポーズで転がり続ける

高いところに置かれたおばあちゃんを、ソファに座らせることができればステージクリア。理不尽な障害物やギミックの配置。高いところから力なく落ちるおばあちゃん。

くたくたしすぎて、落下の勢いでずるりとソファから滑り落ち、奈落に消えていくこともある。若者だってこんな部屋には住もうとしないだろう。

バカバカしいコンセプトながら、物理パズルとして遊ぶとそれなりに楽しめる。

仕掛けをタップで操作し、おばあちゃんを小汚い(けれど、たぶん座り心地はいいのだろう。そういうことにしておかないとツラい)ソファに座らせてあげよう。今回は大胆ポーズが決まってしまった

最初のうちは「おばあちゃんを落とす」パズルばかりだが、そのうち大砲などが登場し、タイトルどおり投げおばあちゃんを存分に楽しめるようになる。

ゲーム自体は、見た目が古くさいし実際に古いゲームなのだが、悪くはない。

ナンセンスな面白さもじゅうぶん感じる。もう少しおばあちゃんが登場する意味を持たせてくれればよかった。

ゲームが進むと本当に「おばあちゃんを投げる」ステージになってくる。右上の「4.9」とかいう目立たない数字がタイム。一応、クリアタイム最速にチャレンジするという遊び方もできる。あまり意義はないが

おばあちゃんVSおじさんおじいちゃん – 家族の戦いの夜クエスト

これまた「訳してしまったのですね」といいたくなる微妙なタイトル。おばあちゃんとおじいちゃんが殴り合うバイオレンスな作品だ。

無料版があるので、しつこい全面広告に対処する根気があるならこちらでじゅうぶんだろう。有料版の400円は高すぎるし、1、2日ばかばかしいゲームで楽しむだけなら無料でよかろう。

この作品もタイトルロゴがないゲームだ。売り込む気概を感じない。しかし、広告除去のボタンは押しやすく見やすい位置にある。アピールポイントを間違っている気がする

バトルは背面からの3人称視点で行われる。ジョイスティックを模した矢印とパンチキーで攻撃と防御を行う。一応、攻撃を回避してからのカウンター、防御後の反撃が有効なようだ。

が、相手の表情が変わらないので当たっている感じがよくわからない。

その半面、こちらが殴られるときは打撃音と表情の変化があるので、たとえおばあちゃんが優勢でもなんとなく「やられてる感」が強く、プレッシャーがかかる。

お年寄りにあまりストレスをかけないでほしいのだが……。

格闘ゲームよろしく、上部に表示された体力ゲージを削り切れば勝利。初めての戦いに戸惑いつつも、おばあちゃんを勝利させることに成功した。

3ラウンド続く鬼仕様、ポーズボタンはない。どちらかが倒れるまで戦い続けるまでだ。回避が決まるとおばあちゃんのドヤ顔が見られる

ノックアウト、倒れ伏すおじいちゃん。その3カウント後に彼は起き上がり、ラウンド2が始まった。「ごていねいに3ラウンド制かよ!」と思わず叫んでしまった。時間がけっこうかかるので、暇なときに遊んでいただきたい。

こちらは第2対戦者。キャラクターデザインにまったく一貫性が見られないのが不安になる。体の大きさや頭身すらそれぞれ異なる

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