Score! Hero【ゲームレビュー】

LogicGate
2015年08月22日

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『Score! Hero』は、スワイプで操作するアクションタイプのサッカーゲーム。といっても、操作をするのは選手ではなく、ボールそのものとなっているのが特徴だ。ボールをめぐる選手たちの挙動が非常にリアルで、試合の臨場感が見事に再現されている。

選手の動きを予想してボールの軌跡を入力せよ
自分の指でゴールシーンを作り出す新機軸のサッカーゲーム

他に類を見ない独自のプレイスタイルが面白い『Score! Hero』。サッカーの試合を丸ごとプレイするのではなく、味方のゴールシーンを切り取ってプレイする形式だ。試合内容がダイジェストで再生され、見せ場となるシーンにてプレイヤーが参加することになる。TVのスポーツ番組で流れる逆転劇や大量得点シーンなどの名場面に、プレイヤーが介入して成立させるような感覚だ。

主人公となる選手の容姿や国籍を設定したらゲームスタート

ゴールする前の段階で、相手のディフェンダーやゴールキーパーにボールを奪われると、そのシーンは失敗となる。その場合は、その試合の最初のシーンからやり直しだ。スワイプの軌跡が少しずれただけでも選手の挙動やその後の展開が変わってしまうので、一度ゴールできたシーンでも再び100％成功させるのは難しい。ここは物理パズルゲームのようなプレイ感覚だ。

黄色いサークルがクロスを上げる目標ポイント

操作方法は、指先1つでボールの軌跡をスワイプするのが基本だ。ゴール前でクロスを上げる際には、味方選手をタップしてターゲットを設定することもできる。指1本でプレイできるので、満員電車で立ったままのプレイでも問題はない。ただし、難易度が高いシーンでは精密なスワイプが求められるので、できるだけ落ち着ける環境でプレイしたい。

操作はシンプルで1つのシーンに集中できる

序盤のステージは、新人選手としてチームでの信頼度を上げながら、スワイプすべきラインを教えてもらうチュートリアルになっている。ただし、シュートやパス、クロスなどのひと通りのスワイプを覚えたら、数分のプレイですぐさま即実戦に投入される。

実戦では相手選手の動きを予測することが重要だ。相手の裏を突くパスが決まると、実際にサッカーでパスを通したような快感がある。トライアンドエラーでパスコースを見極めて、針の穴に通すようなキラーパスを決めよう。

リーグ戦にデビューするまでがチュートリアル、という体裁だ

スワイプだけでいろんなボールの動きを指示できる

先へ進むほど試合の中で参加シーンが増えていく

主人公はクラブチーム期待の新人からスタートし、リーグ残留のキープレイヤーに成り上がり、そして代表チームに招集されるなど、波乱に満ちたサッカー人生を歩んでいく。このストーリーもサッカー好きなら楽しめる内容だ。

ただし、リーガ・エスパニョーラ（ゲーム中ではスペインリーグ）のコルドバCF（同様にCordobaとなっている）でデビューする選手が、日本代表（主人公の国籍に設定した国のナショナルチーム）に招集されるというのは、将来はともかく2015年現在ではシュールな光景といえるだろう。

1つの試合の中にはいくつかの参加シーンがある。また試合を重ねていくと、シーズンという1つの区切りを迎えることに。試合ごとに設定された目標を達成すると★が増え、星を集めれば次のシーズンに進むことができる

そして先に進めば進むほど、1つの試合の中でプレイヤーが参加するシーンも増えていく。シーン自体の難度も上がって、特にキーパーの隙を突くのが難しくなるのだ。ミドルなら的確にゴールの隅を狙い、サイドから崩すならピンポイントクロスで叩きつけるヘディングを決めたい。

参加シーンが増えると1度の失敗で戻されてしまうシーンが増えるので、どうしても試行回数がかさんでしまう。そうなると、完全に同じシーンを何度も繰り返す作業になってしまうので、今後のアップデートでプレイヤーが試合展開に介入できるようにしてほしいところだ。

相手のゴールシーンは淡々と再生されるのみ。自分が参加できるシーンの数は決まっているので、味方の得点を増やすことは不可能

サッカー好きも納得のリアリティー

ボールの挙動はもちろんのこと、敵と味方のボールをめぐる動きがよく再現されているので、TV中継でゴールシーンのダイジェストを見ているようなリアリティーがある。実際のゴールシーンで選手が何を考え、どう動いたのかを、指先で追体験できるという稀有なゲームに仕上がっている。また操作はシンプルながら、TV中継さながらのカメラワークで演出されるおかげで、ゴールを決めた時の爽快感は格別！

シリアスなストーリーと、やり応えじゅうぶんの試合数が用意されており、モチベーションを高く保ったまま遊べるのもうれしいポイント。1試合のプレイ時間は数分で済むので、空いた時間や移動中などにストーリーを進めることができる。リーガ好きなら主人公の名前を実在選手名にして、IFの世界を楽しむのも一興だ。