Googleが提供するツールの情報やAndroid Nに向けた開発ツールが公開
この基調講演では、2016年3月にサンフランシスコで行われた「Game Developers Conference」で発表されたGoogleの取り組みを日本のゲーム開発者に共有するという内容で、AndroidおよびGoogle Playで展開するゲーム開発者向けのサービスが紹介された。
講演の前にGoogle Japanのピーター・フィッツジェラルド代表からのあいさつがあった。日本の開発者がゲーム市場で成功するためのパートナーになりたいというGoogleの思いを語った
ゲーム市場で成功するためにGoogleが提供する市場分析ツール
基調講演は、登壇予定であったベンジャミン・フレンケル氏が都合により欠席となってしまい、2人の登壇者による発表となった。
最初に、Google PlayのGlobal Head of Games BDディレクターであるボブ・ミース氏が登壇し、「ゲームで成功するための秘密のレシピ」と題して、Googleが開発者に提供するツールや技術の紹介する講演を行った。
この講演では、Playストアやゲーム中でのユーザーの行動を記録・分析するツールやサービスなど、ユーザーと開発者を近づける技術が数多く紹介された。
たとえば、ストア内のユーザーの行動を分析するツールを使えば、ユーザーがどのようなアイコンやスクリーンショットが好まれるのかを知ることができ、ゲームにあった最適な売り方ができるようになる。
また、プレイ傾向や課金傾向を分析するツールを使えば、ユーザーの課金傾向を予測し、課金する可能性が高いユーザーにはあらかじめ広告の表示を減らすことで満足度を高めるといったことも可能になるという。
これらのツールやサービスを活用することで、国や環境によって異なるユーザーニーズの違いを読み解くことが容易になって、かゆいところに手が届くサービス展開が可能になってくるだろう。
Vulkanの実装でAndroidにハイエンドゲームがやって来る
ミース氏に続いて、Developer Advocateの松田白朗氏が登壇し、プラットフォームアップデートに関する話題に。
今年の10~12月に正式リリースが予定されている次期Android「Android N」のDeveloper Previewの開発状況やOpenGLの後継となるグラフィックAPI「Vulkan」への対応についての詳細が語られた。
スマホゲームユーザーとして注目なのは、Vulkanだろう。
これはAndroid Nで正式にサポートされるグラフィックAPI。Vulkanを介することによって、ハードウェアの描画力をフル活用でき、家庭用ゲーム機により近いハイスペックなグラフィック表現を可能にする。
デモとして、nVIDIA Shiled TV上で約10万匹の魚が泳ぐ映像を公開。マルチパスレンダリングと高速描画APIの優位性をうかがい知ることができた。
これまでOpenGLの仕様によってそのパフォーマンスを完全に発揮できていなかったハイエンドスマートフォンだったが、Vulkan対応によって、GPUをフル活用したゲームの開発が可能になる。
それに加えて、むだな負荷を減らすことで、バッテリーの消耗を抑えられるなど、ハイエンドなスペックを要求するスマホゲーム以外でも、恩恵に預かることができそうだ。
(C)2016 Google