多彩なジャンルで成功するネクソンのモバイル事業戦略
発表会に登壇したのは、ネクソンモバイル事業本部本部長の金起漢(キム・キハン)氏。
まずはじめに、国内のモバイルゲーム市場の分析とネクソンのモバイル事業本部の概要についてが語られた。
2011年から2012年にかけて、ブラウザからネイティブアプリに市場が移行すると、『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』といった、カジュアル層向けタイトルが流行。
その後、ゲーム性が高いタイトルが増加し、競争が加速したことにより、開発費やマーケティング費用が高騰しているという。
ネクソンのモバイル事業本部は2015年8月に設立。
日本のモバイル市場が2012年あたりから成長したことを考えると、かなり遅い参入だったといえる。
運用、技術、ローカライズなどのゲームのパブリッシングに必要な分野において、PCゲームで実績のあるメンバーをそろえてスタートすることができたとのこと。
事業本部のメンバー以外にも、アートに関するカルチャライズ専門部隊や、gloopsが抱えているデータマイニングの専門組織との連携など、ネクソン特有のパブリッシング機能を持つ組織であるとのこと。
「世界レベルの楽しさを日本モバイル市場へ」をミッションに掲げ、グローバルで展開するタイトルを日本で提供することで、日本のモバイル市場の成長につながると考えている。
日本で成功する秘けつはカルチャライズにあり
モバイル事業本部は、2015年8月の設立から現在までの2年間で、18タイトルをリリース。
幅広いジャンルのタイトルをリリースしており、累計登録ユーザー数は、立ち上げ直後の2年前から、約16倍強の約900万ユーザーへと増加。
日本のアプリゲームユーザーは3,000万~3,500万人と言われており、その3分の1~4分の1に相当する規模となっている。
月別の平均DAU(デイリーアクティブユーザー)を見ると、新規タイトルリリース時期やマスプロモーションを実施したタイミングで増加しており、特に『HIDE AND FIRE』や『HIT』のリリース時には大きく伸びたという。
売上の推移も、立ち上げ期に比べて、もっとも好調な数値を残した2017年第1四半期は約8倍を記録している。
続いて、リリースしたタイトルの振り返りへ。
事業本部立ち上げと同時にリリースした『ドミネーションズ』は、全世界で3,000万インストールを突破した、世界的ヒットタイトル。
日本でのリテンション率が非常に高く、長期運用が実現できている。
2016年9月にリリースした『HIDE AND FIRE』は、国内で配信するモバイルタイトルで、初の長期ヒット作と捉えている。
日本のモバイルゲーム市場に、これまでなかった「ガンシューティング」という新たなジャンルながら、高いクオリティにより成功を収めた。
非IPタイトルかつ、マスプロモーションも実施していないが、ローンチ1週間で50万ダウンロード、累計250万ダウンロードを記録。
キム氏は、カルチャライズとマーケティング戦略の構築に1年間かけたことが、ヒットの要因ではないかと分析している。
まもなくリリースから1周年を迎える本作では、8月27日に公式オフラインイベントを開催。
そこで、大きな発表を行うそうなので、プレイ中の人は注目しておこう。
国内最大のヒット作『HIT』では、2016年12月~2017年1月にTVCMなどの大型マスプロモーションを実施。
グラフィックの品質やアクションの爽快感を実現できた韓国の開発力と、徹底した日本向けカルチャライズが成功の要因であるとのこと。
全キャラクターのイラストを描き直すなど、デザインやシナリオを大幅に変更。
さらに、協力型コンテンツを好む日本のユーザー向けに、日本オリジナルコンテンツ「次元の共闘」を実装するなど、あらゆる面でカルチャライズが施されている。
また、8月3日は、シミュレーションRPG『StraStella(ストラステラ)』をリリースしたばかり。
「ロボット×美少女」という日本では馴染みがありそうだがモバイルゲーム市場では見かけないテーマのタイトルで、DAUや継続率などのKPIが好調。
今後、長期運用も狙えるタイトルだという。
新作続々!今後のネクソンモバイルゲームの展望
上記のように、ヒット作を次々に展開するネクソン モバイル事業本部。
今後の展望として、
- 1つ1つのタイトルにしっかり注力
- 新たなチャレンジ
を定め、さまざまなタイトルを展開していく。
発表会では、今後、日本で配信を検討しているタイトルが紹介されたが、ジャンルやテイストが異なるものがラインアップ。
そのほとんどが、まだ検討している段階のため、ここでは明かせないのが残念だが、リリースが待ち遠しい。
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