Rockstar‐The Game
レコードがパンツを履いている。あえて、ここではパンティーと呼ぼう。そのアイコンがこのゲームを的確に表現している。ロックとパンティー。それがすべてだ。ロックスター、それは君だ。声で、目で、そして音楽でファンを熱狂させ、昇天させる伝説の存在だ。革パン一丁で背中にまで毛が生えているがそこは仕方がない。
さて、その伝説のロックスターの仕事とは、iPhoneを左右に傾けること。ライブのクライマックスを迎えたスターは客席にダイブ! ファンに受け止められながら進み、胴上げの要領で空高く舞い上がる。熱狂女性ファンからパンティーをむしり取ることもある。ハイスコアと運よくゲットしたパンティーがトロフィーとなる。エンドレスランナーのはしりとみなしてよいタイトルだが、動きはかなりもっさりしている。これが操作感と相まって却って新鮮に感じる。
それにしても、かなり昔のゲームである。2013年末以来更新はされておらず、動作環境もiOS 4.3以降というクラシック感満点の存在だ。パンティー集めが売りのゲームのはずだが、女どもはそう簡単にむしらせてくれない。わずかな操作ミスで、ロックスターはあえなく人込みに飲まれて消える。デバイスの傾きとロックスターの挙動には若干ずれがあり、そのクセをつかむまでには苦労するだろう。はっきりいって遊びづらいゲームだが、パンティーが手に入ると妙にうれしい。別に女性のグラフィックが美しいわけでもなく、下着のデザインもどぎついものばかりなのだが、何なのだろう、この気持ち。気に入ってもらえるかどうかはともかく、無料で広告もない良心的アプリだ。一度諸君もパンティーむしりに行ってもらいたい。
Super Soviet Missile Master
声に出して読んでみよう。「スーパーソビエトミサイルマスター」。とがったセンスをひしひしと感じる本作は、『Castle Crashers』などで知られるThe Behemothの完全フリー配信タイトルだ。こちらもかなり古いタイトル。動作環境はiOS 3.2以降となっている。家で眠っているオールドデバイスに入れてみるのもいいかもしれない。
タイトルも微妙に危険だなと思ったが、ゲーム内容もドストレート。ボルシチのように赤い背景と粗い白いドットだけで描かれる世界、ここはソビエト。プレイヤーのスマホの中は今、ソビエト。誰が何といおうがソビエトなのだ。
真っ赤な空をどこまでも飛ぶミサイルが狙うは、星と縞模様の旗がシンボルのあの国の領土だ。冷たい戦争をホットな弾頭で解決しようというわけか。2色しかないのでわかりづらいが、山のような形の白い物体は雲なので当たってもいい。鳥や飛行機、ヘリは回避しなければならない。かの国のミサイルはなぜか非常にはかなく、固形物に当たると破壊されてしまうのだ。見事目標に命中するとドットなコサック兵士がよろこび、作戦失敗すると落ち込むしぐさを見せる。
3回ミスでゲームオーバー。総飛行距離がハイスコアになる。ミサイル命中で次のステージに行くタイプのエンドレスランナー亜種と考えてよいかもしれない。メッセージの類はほぼない。黙々とミサイルを飛ばして遊ぶただのシンプルな無料ゲームだ。だが、冷戦やThe Behemothのゲームについての知識を持つユーザーならば、本作に込められたちょっと皮肉めいたユーモアを感じ取ってもらえるのではないかと思う。
なぜかまじめなレビューになってしまったのが悔しい。次回こそ、遊ぶ時間がもったいないようなそうでもないような微妙なラインの変ゲーを紹介していく。
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