Sandstorm: Pirate Wars【ゲームレビュー】

高島おしゃむ
2016年02月05日

本サイトはアフィリエイト広告を含みます。

荒くれ者が跋扈（ばっこ）する世紀末を舞台に、映画『マッドマックス』に登場しそうな「サンドクルーザー」を操ってミッションをこなしていく、3Dシミュレーションゲーム。開発したのは、家庭用ゲーム機向けの大作『アサシンクリード』シリーズなどで有名なUBISOFT。強い者しか生き残れない荒涼とした世界を、相棒のマシンといっしょに突き進もう！

気分は砂漠の大海賊！生き抜くために最強のサンドクルーザー乗りを目指せ！

本作の世界観は、映画『マッドマックス』シリーズのように、荒くれ者たちがのさばる文明が崩壊した世界。この好きな人にはたまらないシチュエーションで、サンドクルーザーと呼ばれる、これまたオイルの匂いがプンプンしそうな乗り物を駆って悪漢どもを打ち倒し、さらに彼らから略奪までしてしまうという、世紀末の弱肉強食をヒシヒシと感じられる素敵なゲームだ。

プレイヤーが駆る最初のサンドクルーザー「レイヴン」。傷つき、赤茶けたボディが、砂漠の過酷さを物語る

世紀末と言えば、破れた革パンにゴーグル、そしてガントレット。過酷な世界を生きるキャラクターたちは、その個性もなかなか強烈だ

本作の魅力はなんと言っても戦闘シーンだ。3Dで迫力があるのは当然として、見た目おんぼろのサンドクルーザーにレーザーやミサイル、ガトリングガンなど、ありとあらゆる武装をつけ、至近距離から撃ちまくる姿は男臭さ満点！「マッドマックス」に登場した、とんがった改造車にあこがれた人は、きっと本作のサンドクルーザーも気に入るに違いない。

「装備する」というより、クギか何かで打ち付けただけのような武器。だが、それがいい

あやしい酒場でミッションをもらい、悪党どもから金や資材を奪い取れ

プレイヤーは自身のサンドクルーザーに乗り、砂漠に点在する街々を移動しながら、さまざまなミッションをこなしていく。道中、襲いかかってくる悪漢どもを倒した報酬で、サンドクルーザーのアップデートや武器強化を行い、さらに危険な地域へと乗り込もう。

街中ではサンドクルーザーの整備や修理、闘技場でのバトルやミッションの受託などを行うことができる

バトルの基本は、サンドクルーザーを使った1対1。戦闘はリアルタイムで進行し、プレイヤーは攻撃する武器の選定と標的の指定が行える。レーザーはシールドで防がれ、ミサイルはフレアで無効化されるなど、装備する武器と防御装備の相性が、戦闘では重要になる。

画面左下にあるのが装備品アイコン。使用する際はここをクリックした後、標的となる敵の部位を指定すればOK

金属の破片を発射するグレープや高威力のブラストなど、どこで開発したんだといわんばかりのあやしい武器の数々

ミッションには、メインストーリー以外に、酒場で受けるクエストのようなものもある。1回で稼げる金額も高額なので、敵をチマチマ倒すより、効率よく資金を稼ぐことができる。

酒場のミッションは、依頼主の上にあるアイコンの色で、緑が簡単、黄色が普通、赤が危険というように難易度がわかる。黄色や赤だと、序盤でもかなり強い敵が登場するので、受けるときは気をつけよう

目的地までのルートも千差万別。目的地が遠いなら、あえて近道となる砂嵐の中を通るのもアリだ

サンドクルーザーを強化し、陸地の要塞へと変貌させよう

街にある格納庫では、愛機であるサンドクルーザーを強化できる。改造できるのは、本体のHPやエネルギー値、武器の性能を上昇させる「アップグレード」と、船首にラムを付けたり、ドクロの旗をたなびかせるなど、見た目を自分好みに変更できる「カスタマイズ」の2種類。また、少々値が張るが、予備のサンドクルーザーを購入することもできる。

アップグレードには、この世界の通貨である「ボルト」が必要。紙のお金は、トイレの紙にもならないのだ

カスタマイズ可能な部位は、レベルや戦闘回数などの条件でアンロックされる。筆者のおすすめは、やはりこのドゥームだ。ただ、これをつけても敵機に体当たりできるわけではない

購入したサンドクルーザーは、メイン機の代わりとして使用する以外に、探索にだして素材を集めさせることもできる

世紀末の猛者どもが世界中から集う海賊アリーナ

街にある「海賊アリーナ」では、ほかのプレイヤーとバトルし、ランキングを競うことができる。プレイヤーは、最初にいちばん下のランクである「ティンリーグ」に参加。バトルを繰り返して勝利すると、「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」とリーグランクが上がっていき、もらえるボーナスも豪華になる。アリーナには、世界中の荒くれ者が参加しているので、参加して日本の底力を見せてやろう。

なお、「海賊アリーナ」には、船が修理中でも参加できる利点がある。ミッションをこなしながら、修理のちょっとした時間にアリーナに参加するのが、効率的なプレイの仕方だ。

アリーナでは、自動で自分に近い強さの相手が選ばれる。負けるとランキングが下がるが、資金や素材を失うことはないので、気軽に参加しよう

荒くれ者が凌ぎをけずる、嵐吹きまく荒野を生きるワイルドでタフな世界観にクギヅケ！

本作の魅力は、何といってもその世界観だ。力のみが正義の世界では、困っている人がいきなり追いはぎに変わるのも日常茶飯事。壊れた機体から素材を奪い、依頼ごとには金をふっかけ、襲い掛かる悪党どもは、返り討ちにして身ぐるみはがす。そんな殺伐とした世界が好きな人にはたまらない作品といえるだろう。登場するキャラクターも、変なマスクで顔を隠していたり、体は女性なのに顔はクリーチャーだったりと、個性が爆発。退廃的な近未来SFの世界を、実際に体験しているような気分にさせてくれる。

このように世界観は大満足なのだが、サンドクルーザーのカスタマイズ要素が少ないのが気になる点。機体のあちこちにトゲをはやしたり、意味もなく火を吹かせたりしたい人はきっといるはずなので、今後のアップデートに大いに期待したい。