【変ゲー1人探検隊】第2回: お尻が気になる変ゲー

Magic:the Gathering(マジック・ザ・ギャザリング)というカードゲームがある。このゲームで使用できる無数のカードの中に、「City of Brass(真鍮の都)」というものがあった。昔はそこそこ人気のあったカードだ。さて、このマジック・ザ・ギャザリングにはセルフパロディ的なカードがときおり登場するのだが、その1つ「City of Ass」が登場したとき筆者は驚喜し、爆笑した。assは「尻」をあらわす単語。だから、City of Assは「おけつの都」ぐらいの意味だろうか。真鍮の都の、ペルシャ風ドームを思わせる塔の屋根はすべて桃尻型に描き換えられ、世界観を伝えるフレイバーテキストにはたった一言、こうあったのだ。(本文に続く)

「But……」(でも……)

こちら、「尻」をあらわす別な単語「butt」と発音が同じ。それを嫌って会話で「but」を使うのを避ける層もいるぐらいだ。日本語でこの笑いを表現するのは難しいが、わかってしまえばおかしくてたまらない。お尻ドームに「おけつ……」とつぶやくフレイバーテキスト。筆者の笑いのツボは破壊された。

不愉快なことがあったとき、City of Assのことを思い出す。そして「But……」とつぶやけば、たいていのことはどうでもよくなるのだ。おけつの都のナンセンスで笑える自分にはまだ心の余裕がある、と。

話が壮大にそれた。このコラムは世界の変ゲーを読者に無理やり押し付けていくことを目的としている。変ゲーを英語でいうならなんとすべきか。いろいろ候補を考えてみたが、「silly fun」(ばかばかしいおかしさ)がいちばん近いように思う。というわけで、今回はお尻にまつわるsillyな変ゲーを2点紹介させていただく。尻だけに。

Plumber Crack

最初にお伝えしておこう。けっこう遊べてしまうと思う。なので、安心してダウンロードしていただきたい。

ローディングが長いので、尻を眺めるしかすることがない。英語のヒントはよく読むと役立つことが書かれている

起動するといきなり見える尻。しかも、ローライズすぎて割れ目が見えている、太った男の尻だ。こんなもの見せやがって、と腹が立つだろう。その失礼な尻の割れ目に氷を投げ入れ続けるのがこのゲームの目的だ。

氷を投げて、ズボンと尻の隙間に落とす。すると、なぜか小銭が落ちる。この小銭をためて男の服やタトゥーの着せ替えが楽しめる。なぜ、と問うても仕方ない。尻に氷をぶつけ続けろ。連続でシュートが決まるともらえる小銭が増える。

欧米人によく見られる、でっぷりと洋梨形に太った男。工具を脇に、懸命にシンクの下を覗きこんでいる。修理中だろうか? そんなことはおかまないなしに、尻に氷を投げつけろ

尻出し野郎の着せ替えに耐えられない諸氏は、キャラクターを女性に切り替えればいい。ただし、期待はするべからず。投げるアイテムを変更するとよいだろう。氷だけでなくゴルフボール、スシ、金魚などに変更できる。どんなに危険なアイテムを投げつけても、どんなに小銭を失っても、割れ目見せマンは怒らない。まるでプレイヤーがそこにいて、尻の割れ目を狙い続けていることなど気づいていないかのようだ。とすると、我々プレイヤーとは何者なのか。ゲームの世界の人間たちが干渉できぬ異界から、わざわざ尻の割れ目にモノを投げ入れるためにだけ降臨した超越者なのか。考え出すとおかしな方向に想像が膨らんでしまう。

キャラクターは女性に変更できる、よろこびたまえ。スカートがずり下がってきてしまうので、ちょっとセクシーな姿も拝める。といいたいところだがすまない、嘘だ。見ればわかると思う

無料で広告はない。たまにレビューをしてほしそうな素振りを見せるが、それぐらいは許してやってほしい。

Crazy butt scan

君、正直にいいたまえ。学生時代、コピー機で自分や同級生の顔をコピーして遊んでいただろう。あのバカな遊びはもはや外では楽しめない。やんちゃを通り越したおふざけ写真をTwitterにアップすれば、一般市民だって破滅する世の中だ。だからアプリでやろう。

変ゲーに言葉はいらない。ゆえにこの起動画面を見ただけで、遊び方はだいたいわかるはずだ

入口の前を通る社員たち。シルエットで危険人物かどうかを判断しよう。我らが分身は尻コピーがうまく撮れると、なかなかいい顔をする

社内パーティー真っ最中のオフィスで、突如尻を出すものがいた。それこそがプレイヤーの化身である。社員の目をかいくぐり、コピー機で尻をスキャンして遊ぼう。パーティーハットをかぶり、ピロピロを口にくわえた酔っ払い社員になら見つかってもセーフ。素面の社員に見つかると、一発アウトで解雇される。

悪事露呈の瞬間。同時にキャリア終了の瞬間でもある。その後彼がどうなったかは、誰も知らない

酔っ払いだらけの夜のオフィスで、これぐらいいいじゃないかと思うのだがそうはいかないらしい。うるさい奴の目をかいくぐり、尻のコピーをとりまくろう。光が通り過ぎるまで座っていなければ尻コピーは完成しない。いかに長時間座り続けられるかがポイントだ。実にくだらない、だがこんなゲームが1つぐらいあってもいい。「自分何やってるんだろう」と我に返ってしまったら負けだ。尻のコピーをとりまくれ。

オフィス脇のPCをクリックすると、ジンジャ―ブレッドマンを虐殺するミニゲームが遊べる。なぜ、こんなところに労力を割いたのか

下のバナー広告がうっとうしいなと思っていると、突然上に移動したりする。全面広告も出るので、少々いらつくこともあるが、無料なのでこれぐらいは我慢すべきか。

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