次世代のストラテジーゲームとして独自の手法で開発された
『ドミネーションズ -文明創造-』の魅力とは!?
『ドミネーションズ -文明創造-』は、『Civilization II』や『Rise of Nations』を手掛けた伝説のクリエイター、ブライアン・レイノルズ氏によって考案された革新的なストラテジーゲーム。欧米では2015年4月より配信がスタートし、すでに1,000万ダウンロードを突破という話題作となっている。なお、今回来日したトレイン氏は、本作のプロジェクトリーダーとして開発チームを指揮している。
ネクソンが取り組む国際的なパートナーシップ
この説明会ではまず、配信元であるネクソンの経営企画室長を務める熊谷俊平氏から、同社が展開する海外メーカーとのパートナーシップについての説明が行われた。ネクソンはもともと1994年に韓国で設立されたゲーム会社だが、現在は日本に本社を置いて東証一部に上場している。また2014年3月にはアメリカ人のオーウェン・マホニー氏が社長に就任するなど、国際色豊かな会社となっている。
ネクソンはかねてより海外のゲームメーカーとのパートナーシップを強化していて、エレクトロニック・アーツの『Need for Speed Edge』(PC版)や『Titanfall』(PC版)の韓国およびアジア地域における展開や、Valveとの提携による『カウンターストライクオンライン』の展開などを実績として残している。さらにはスクウェア・エニックスの『FINAL FANTASY XI』のモバイル版の共同開発や、ワーナーブラザーズの『LEGO』シリーズをベースにしたモバイルゲームの開発などにも取り組んでいる。
『ドミネーションズ -文明創造-』の日本およびアジアでの配信をネクソンが担当することになったのは、それらの実績と国際的な事業基盤があるというのが大きな理由だ。また欧米では、基本無料ゲーム(free to play)のビジネスモデルはまだまだ未知の領域となっており、その点においても運営ノウハウをすでに持っていることが重要視されたとのことだ。
『ドミネーションズ -文明創造-』はどのように開発されたのか?
本作の開発がスタートしたのは2013年のこと。最初は10人規模の開発チームからスタートし、現在ではおよそ40人にまでスタッフが増加しているそうだ。中心となっているスタッフは、これまでも歴史を扱ったさまざまなタイトルの開発を長年にわたって手掛けてきている。
開発を始める当たってティム・トレイン氏が考えたのは、モバイルゲームであるがゆえに、これまでのパッケージソフトとは成功の定義が違っているということ。場合によっては、1億人のプレイヤーが本作を遊び、その中から歴史に対して興味を持ってくれる人が数多く現れる可能性がある。そして、ストラテジーゲームとして欧米を中心に人気を博している『Clash of Clans』や『Age of Empires』シリーズを融合させた、次世代のストラテジーゲームを生み出すことだった。
開発に当たっては企画書や仕様書などを用意せず、いきなりプロトタイプを作り始めたとのこと。これをベースにテストプレイとフィードバックを繰り返し、面白いと評価された要素については翌日までにさらなる追加を行って実装するといった日々が続いたそうだ。
そして、およそ1年後に内部でのベータテストがスタート。「30 for 30」と呼ばれるスタイルで、30人による毎日30分のテストが、約3カ月にわたって行われた。結果、欧米では相当なヒットを記録してプロジェクトは大成功。トレイン氏は「ファンの期待にこたえられた」」とホッとしたそうだ。続くアジア地域(日本を含む)でのリリースでも大きな反響があるはずだ。
本作は、人類の歴史に沿って自分の文明を進化させ、他の文明との競争に打ち勝っていくゲーム。石器時代(STONE AGE)からスタートし、やがて宇宙時代(SPACE AGE)を迎えて人類は地球を飛び出すことになる。海外版では現在、産業革命時代(INDUSTRIAL AGE)までが実装済。戦車や戦闘機など、第一次大戦で登場した兵器が多数追加されている。今後は、大規模なものと小規模なものを合わせ、およそ1カ月に1度のペースでアップデートを行っていく予定だ。
ティム・トレイン氏に聞く、一問一答!
――ゲーム開始時には8つの文明から1つを選ぶことになりますが、その中で日本を登場させたのはなぜですか? また徳川家康ではなく、織田信長がユニットとして登場する理由を教えてください。
ティム・トレイン氏(以下、トレイン):日本という国は世界中を見渡してみても非常にユニークで、さまざまな国に影響を与えてきたと考えています。ヨーロッパや地中海の文明と比べても、確実に違った個性を持っているので、日本を入れないとゲームとしてもつまらなくなってしまうと思いました。
また、私は歴史ゲームのファンの1人でもあり、学生時代にはひたすら『信長の野望』をプレイしていました。そういったわけで、個人的にも織田信長をリスペクトしています。どの為政者を入れるかと考えたときには、もう信長一択でしたね(笑)。
――いずれ、アメリカも文明の1つとして登場するのでしょうか?
トレイン:選択肢の1つではありますが、どの文明が登場することになるかはコメントを控えさせてください。ただ、多くのアメリカ人はイギリスがルーツなので、イギリスが選べるのであればある程度納得していただけるようです。
――次世代のストラテジーゲームということで、こういったゲームジャンルに初めて挑戦する方も多いかと思います。そういった方たちも、すんなりとゲームにのめり込めるようになっていますか?
トレイン:まったくの初心者がすんなり遊べるように設計することも、開発における重要な課題の1つでした。テストプレイでは特に、低年齢のお子さんや老齢の方も違和感なく遊べるかどうかを入念にチェックしました。ビギナーの方でも安心して楽しめる作りになっていると思います。
また歴史がテーマのゲームですので、世界中の誰もが共通認識として持っている知識をベースに遊ぶことができます。
――PCやコンシューマのタイトルを手掛けてきたスタッフの方が多いと思いますが、今作でモバイルアプリというプラットフォームを選択した理由と、開発で特に苦労した点を教えてください。
トレイン:モバイルゲームという点では、我々にとっても新たな挑戦でした。しかし、歴史を題材にしたゲームという見方であれば、我々はベテランです。また開発チームの中には基本無料のゲームタイトルに長けたスタッフもいましたし、継続的にアップデートを行うオンラインゲームを経験したスタッフもいましたので、その点は安心でした。新しい要素がモバイルゲームということの1点だけなら、じゅうぶん乗り越えられるハードルだと考えたのです。モバイルゲームで魅力的なのは、何と言っても遊べる端末の数が膨大であることです。そういう意味で、迷うことはありませんでしたね。
開発で苦労したのはUIのデザインです。小さな画面にすべての情報を入れるにはどうしたらいいかを、多くの時間を掛けて徹底的に検討しました。結果的に、素晴らしいクオリティーのUIに仕上がっていると思います。もう1つ、モバイル端末はさまざまな種類があるので、すべての機種できちんと動作するようにきちんと検証しています。
――英語版をプレイされている欧米の方は、シングルプレイとマルチプレイのどちらをメインに遊ばれているのでしょうか。
トレイン:自分たちのベースを作り込んでいくシングルプレイの楽しみと、そのベースをさらに強化して深い戦略性に触れるマルチプレイの楽しみは、明確に切り分けることが難しいです。すべてがつながっているので、双方を行ったり来たりして楽しんでいただけていると思います。
――これまでのストラテジーゲームと大きく違う点はどのあたりでしょうか?
トレイン:大きな違いは、歴史という人類共通のテーマを扱っていることです。また戦術面においても、大小さまざまな細かな戦略を練ることができるので、これまでのタイトルよりもかなり深みがあると考えています。『Clash of Clans』もいいゲームですが、配信開始からすでに4年ほどが経過していますので、新たなゲーム体験を求める方にとっては、本作ならではの「進化」を楽しんでいただけると自負しています。
日本語版をひと足先にテストプレイ!
説明会の後は、本作の日本語版を一足先にプレイする機会を得た。プレイ前に最も気になっていたのは、小さな画面で各ユニットに的確な指示を与えていけるのかという点。UIには絶対の自信があるということで、違和感を覚えたりじれったく思うようなことは一切なかった。
ゲームは石器時代からスタート。まずは少ない住民たちの手を借りて、食料や金をなどの資源を収集していく。最初は狭い敷地も、未開の地を開拓していくことによって、さまざまな施設を建設するための土地を確保できる。そして、人類史に沿って文明を発展させていくのだ。
文明の発展
- 未開拓時代
- 黎明の時代
- 石器時代
- 青銅器時代
- 鉄器時代
- 古典時代
- 中世時代
- 火薬時代
- 啓蒙時代
- 産業時代
※さらにその後の時代も登場予定
ゲームには8つの文明が存在し(順次追加される予定)、数百にも及ぶユニットが登場する。各文明にはその特徴を現わす特別なユニットも存在。例えば、日本の場合ならBushiがラインナップされている。どの文明を選択し、そしてどのようなユニットを中心に軍備を整えていくのか、そういった戦略の組み立ても楽しみの1つだ。
8つの文明
- CHINA(中国)
- JAPAN(日本)
- GERMANY(ドイツ)
- FRANCE(フランス)
- GREECE(ギリシャ)
- ROME(ローマ)
- UK(イギリス)
※未公開の文明が日本語版配信に合わせて追加される
本作には「道路」という概念があり、『シムシティ』のような街作りのレイアウトを楽しめるといった側面も用意されている。また、中世時代以降に「城」を建設すると召喚できるようになる「将軍」や、ピラミッドやコロセウムのような「世界の不思議(ワンダー)」と呼ばれる建物も、戦略上における大きなアドバンテージとなるだろう。
気がつけば、時間を忘れて熱中してしまうような魅力を持った本作。日本語版をプレイできるようになる日が待ち遠しい!
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