わずかなズレも生じないe-Sports向けリアルタイム3Dアクション
auのAndroidユーザーだけが利用できるゲームプラットフォーム「auゲーム」で先行配信されている『ハチャメチャSTARJAM』は、低遅延でストレスフリーな対戦が楽しめる3Dアクションゲームだ。
e-Sportsの競技として向いているタイトルであることを強くアピールしており、リリース発表会ではお笑いタレント、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんとX-GUNの西尾季隆さんに加え、Team STARJAMのエグゼクティブプロデューサー枝廣憲氏、日本eスポーツ協会(JeSPA)事務局長 筧誠一郎氏、渋谷区観光協会理事長 金山淳吾氏が登壇した。
今回のイベントは、多様性社会をテーマにしたビジネスカンファレンス「DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA」のサテライトプログラムの一環として開催されたもので、ハチ公やスクランブル交差点などに次ぐ観光資源としてe-Sportsに注目していると金山氏は話す。
e-Sportsは2022年のアジア競技大会で正式種目に採用され、将来的には2024年のパリオリンピックでも正式種目とすることが検討されており、ここ数年はスポーツ競技の1種として認知されている傾向にある。
筧氏によると、国内外でプロチームが結成されており、ヨーロッパのサッカーチームがe-Sportsチームを組織するなどの動きも見られるようになったという。
そんなe-Sportsについて、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは、1年半前くらいからe-Sports追っているとのことで、『ハチャメチャ STARJAM』が日本でe-Sportsが盛り上がるきっかけになることを期待している。
また、田村さんがアメリカで立ち上げた企業「BE BLUE VENTURES」ではe-Sportsへの支援も行っているようだ。
アメリカで会社を作りました!
ベンチャー投資や新規事業開発の為の会社です。『BE BLUE VENTURES』
是非僕の会社と繋がってください↓https://t.co/XWYtW2S1nm
eスポーツの支援もしています。
ハチャメチャSTARJAMというゲームを通して日本でeスポーツがどんどん広まると良いなぁ pic.twitter.com/YTpZo6KC06— 田村淳 (@atsushiTSK) November 11, 2017
なお、田村さんは青山学院大学を受験することでも話題となっているが、本作には受験が決まる前から携わっていたとのことだ。
「e-Sportsの未来は間違いなくある。テニス、サッカーのように日本の選手が活躍できる日がくるのではないか。」と話す枝廣氏は、Team STARJAMでエグゼクティブプロデューサーを担当。
氏からは、『ハチャメチャSTARJAM』のゲーム性が紹介された。
『ハチャメチャSTARJAM』オープニングムービー
本作は、若者から大人まで、男性女性関係なく、指1本の簡単な操作で遊べるゲームでありながら、スマホ向けでは数少ないリアルタイム対戦を実現した3Dアクション。
PCやコンシューマー向けタイトルのような、0コンマ1秒の駆け引きが楽しめることが最大の特徴だ。
リリース時では12種類のキャラクターが実装され、それぞれ武器や攻撃方法、特徴が大きく異なる。
各キャラクターのボイスには、豪華声優陣が声を吹き込んでいるとのことだが、キツネのような見た目をした侍「ウイロウ」のキャラクターボイスは、田村さんが担当することが明かされた。
現在はauゲームユーザーしか遊べないが、今後、他のプラットフォームでも配信されるとのことだ。
以下のサイトで、事前登録も受け付けている。
※11月13日14:30現在、事前登録サイトのエントリーフォームを入力しても、送信に失敗する状況が続いている。
課題が残るといわざるをえないe-Sports大会
トークセッションの後は、事前応募に当選した128名の参加者による『ハチャメチャSTARJAM』を使ったe-Sports大会が開催された。
優勝すると100万円が進呈されることもあってか、128名の定員は集まっていたようだ。
準々決勝からはモニターを通して観戦できる形式で実施され、西尾さんとグラビアアイドル野々宮ミカさんのMCもあって、一見すると盛り上がったイベントに見えた。
紙一重の展開や、随所に見られた神プレーなど、どの対戦カードも見どころのあるものであったのは確かだ。
auゲームで先行配信されているということで、やり込んでいるプレイヤーはあまりいなかったようで、この日に会場で初めて触ったというプレイヤーも見受けられた。
こうして、『ハチャメチャSTARJAM』のe-Sports大会は幕を閉じたのだが、手放しで絶賛できるイベントだったとはいえないのが正直なところだ。
準々決勝以降、モニターには対戦する2人が操作する端末の画面が映し出されていて、両方の画面で攻撃などのアクションがリアルタイムに反映されているのがひと目でわかるような見せ方をしていた。
しかし、通信エラーがほぼ毎試合発生し、何が起こっているのかよくわからないことが頻発。
片方では「対戦とのコネクションが切断されました」と表示され、もう一方では対戦が続いている、もしくは決着がついているという現象が、一度のみならず何度も発生した。
ネットワークを利用した対戦ゲームである以上、通信障害はどれだけ気を付けても発生してしまうものだとは思うが、スムーズに対戦が終わることのほうが少ないのは考えものだ。
主要プラットフォームでは配信前で、本格的に展開する前のタイトルであるため、なおさら技術的な問題は発生しやすいのは想像に難しくないのだが、それ以上に問題であると感じたのは、トラブルシューティングのあいまいさ。
上記の通信障害発生時、再試合を行うことがあったり、スタッフの判断で勝敗が決まったりと、その対応が一貫していないように見受けられたのだ。
また、一方の画面上ではまだ対戦が続いているのに、通信障害の影響からか相手の画面では相手が勝利したため、そこで勝敗が決められてしまうということも起きていた。
もしかしたら、運営側として勝敗を決める明確なレギュレーションがあったのかもしれないが、とてもそうは見えず、ただ単にトラブルが起きているだけのように見えたし、出場者や来場者に一切説明がなかったのも気がかりだ。
見ている側としては、その判定に疑問を持たずにはいられなかった。
冒頭で述べたとおり、e-Sportsはアジア競技大会の正式種目に決まっており、オリンピックの種目になる可能性もある。
オリンピックで今回のような事態が起きたら、e-Sportsのことをよく知らない人から見ると、スポーツとして未熟な競技であると感じることは明らかだ。
もちろん、モバイルゲームでe-Sportsの種目として採用されてきたゲームはTCGなどアクション性のないものが中心で、『ハチャメチャSTARJAM』のようなリアルタイム3Dアクションはこれまでなかった新しい挑戦であり、日本のe-Sportsの発展の一翼を担うことになるのかもしれない。
今回の大会は、KDDIのグループ会社medibaをはじめ、Team STARJAMや渋谷区観光協会、JeSPAなどさまざまな団体が関わっている。
イベントの進行管理はどこが主導して行ったのかは定かではないが、「なんとなく盛り上がったね」と済ますのではなく、選手や観客がより楽しめるものにするため、今回の失敗を糧にノウハウを蓄えていかなければならないだろう。
e-Sports後進国と言われる日本が、世界と並び立つためには、主役である選手だけでなく、関係各所の働きに左右されるのではないだろうか。
(C) 2017 TEAM STARJAM