Google Playは、4月28日にインディー(小規模)のモバイルゲーム開発者を対象にしたコンテスト「Indie Game Festival 2018 」を開催する。
これに先駆け、日本から世界へ向けて活躍しているインディーゲーム開発の現場を紹介するのが今回行われたセッションである。
ちなみに、本セッションは第2回目の開催で、前回のセッションは以下の記事にて内容を紹介している。
今回のセッションに登壇したSELECT BUTTONの中畑虎也氏は「Indie Game Festival 2018 」にて審査員を務める。
2016年に韓国で開催されたIndie Games Festival 2016でも審査員を経験しており、セッションの冒頭では、そこで感じた日本と韓国のインディーデベロッパーの違いについて語られた。
世界をターゲットにする韓国インディー界
日本のデベロッパーが開発、配信している多くのインディーゲームは、カジュアルでシンプルに遊べるものが多い。尖ったアイデアをもとに作られていても、ゲーム体験そのものはシンプルであることがほとんどだ。
対して、韓国のインディーゲームは、3Dモデルを使い、リアルタイムの対戦や協力プレイができるタイトルが多かったとのこと。
モデレータから、なぜこの違いが生まれているのか問われた中畑氏は、ゲームを遊ぶユーザーのターゲットの違いではないかと分析する。
韓国のインディーデベロッパーは、海外のユーザーもターゲットとしており、中畑氏がIndie Games Festival 2016にて韓国を訪れた際に行われた現地のデベロッパーとの飲み会の席で、開発者たちから日本でヒットするコツやトレンドなどについて、かなりの熱量で質問されたという。
対して、日本のインディーデベロッパーは、日本でいかに流行らせるかに主軸を置いているとのことで、この違いが開発されるゲームにも表れているようだ。
中畑氏のSELECT BUTTONのこれまでリリースしたゲームは、ダウンロード数や売上の7割近くが海外によるものという実績があるとのこと。
海外でヒットを狙う韓国デベロッパーに感銘を受けたこともあり、今後も最初から海外に狙いを定めてゲーム開発を続けているという。
しかし、欧米受けを狙って欧米風のデザインにしても現地のデベロッパーには勝てないとも感じており、文字を読まなくても遊べるような設計や分かりやすいUIに力をいれており、その結果、海外でも通用していると自己分析している。
インディーゲームがヒットする秘訣
「普段どんなことを考えてゲームを作っているか?」という問いに対して、中畑氏は「丸みと尖り」を昔から大事にしていると話す。
“丸み”とは、「何か見たことある」という親近感や、やわらかさを指し、“尖り”は違和感や突拍子もないものを指しており、インディーゲーム開発ではこの両方が大事であるそうだ。
大手ゲームメーカーのように広告を出稿することができないので、尖っていないとそもそもユーザーの目にとまらないという実状があるが、尖っているだけでは継続して遊んでくれないので丸みが必要だとという。
SELECT BUTTONの『生きろ!マンボウ!』では、「マンボウが死ぬ?」「死ぬゲームってなんだ?」とユーザーの目にとまったと中畑氏は振り返る。
とにかくダウンロード数を増やすことを重要視しており、その後は継続して遊べるゲーム設計のおかげで、1ヶ月の継続率も良好であるという。
ファイナルイベントが4月28日に開催!
本セッションでは、Indie Game Festival 2018について最新の情報も明かされた。
現在は、出展ゲーム登録が締め切られ、GoogleにてTOP20のタイトルを審査しているところだという。
TOP20のタイトルは4月10日に発表され、4月28日に開催されるファイナルイベントでは、投票によりTOP10まで絞られる。その後、TOP10のデベロッパーにとるプレゼンテーションを経て、TOP3が決定される。
中畑氏は、審査項目はもちろんのこと、ユニークさや尖っているかどうかも判断軸にするとのこと。
上位に選ばれたゲームには、Google Playでの特集など、さまざまな賞品が贈られる予定。日本のインディーゲームが注目を集めるきっかけとなるイベントとなりそうだ。
(c)SELECT BUTTON inc.