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やめどきわからない系パズル『ダイヤモンドダイアリー』開発者が話すこだわりポイント

Kingの新作パズル『ダイヤモンドダイアリー』は、ジャンルでいうとマッチ3パズル。ここだけ聞くと、スマホゲームではよくある作品と思うかもしれないが、実にユニークで面白い「やめどきがわからなくなる系」パズルだ。今回、本作の開発に関わっているミゲルとデルフィンにメールでインタビューすることができたので、こだわりポイントを聞いてみた。

開発期間3年、総勢30名以上の開発チーム

--最初に、みなさんのKingでの役割をおしえてください。

ミゲル・タルタジ(以下、ミゲル):私は3年半前にKingに入社しましたが、ソーシャルゲームには17年間ぐらい関わっています。『ダイヤモンドダイアリー』には1年間関わっていて、現在はゲームディレクターとしてチームを率いています。

デルフィン・サッシ(以下、デルフィン):私は、フランスのOuat Entertainmentを経て、5年前にKingに入社しました。カジュアルゲーム業界では10年のキャリアがあります。King入社後は、シニアプロデューサーとして『ピラミッド・ソリティア』『スクラビーダビー』『ダイヤモンドダイアリー』などを担当してます。

--マッチ3パズルは多数ありますが、『ダイヤモンドダイアリー』はダイヤを落とす、集めるなどのフィーチャーがほかと一線を画しています。どういう発想から生まれたアイデアなんでしょうか?

ミゲル:本作のダイヤモンドやチャームの落ち方は物理法則に基づいて計算されているのですが、それに気付いてくださるなんて流石ですね! コアプレイに物理をうまく結びつけて、新しい形のゲームを作りたかったんです。それを達成しながら、老若男女のプレイヤーに楽しんでもらえるような内容に仕上げています。

--本作の制作チーム(開発期間、メンバー構成、人数など)についておしえてください。

デルフィン: ゲームの開発は2015年7月から始めて、2018年7月5日にグローバルリリースとなったので開発するのに3年掛かりました。

どの開発チームにもあることだと思いますが、ダイヤモンドダイアリーのチームも多くの困難を乗り越えてきました。しかし、私たちが日々仕事をする上で大切にしてきたのは「楽しむこと」です。

成功を全員でお祝いするために行う儀式もありますし(笑)、その反面、失敗や問題定義はオープンに話し合う環境を大切にしています。チーム全体が常に改善するために、ゲームだけでなくチームワークや個々の問題に関しても意見やフィードバックを求めるようにしてます。

ダイヤモンドダイアリーのチームをひと言で説明するなら、オープンで謙虚かつ正直で信頼できる環境でしょうか。

チームの人数は、最も多いときで30人はいましたね。チーム内では細かく作業分担を行っていて、ゲームデザイナー、デベロッパー、アーティスト、UXアーティスト、QAなどのグループに分かれています。あとは必要に応じてビジネスパフォーマンスやデータ分析などもチーム内で行ってます。

高難度レベルは38、55、272、330!

--本作で特にこだわった点は、どんな部分ですか?

デルフィン:素晴らしいチームでなければ、いいゲームも作れないと強く信じているのでチームワークの強化に最もこだわりました 具体的には個々の意見に耳を傾けたり、それぞれの成長に投資したりなどですね。

ミゲル:ゲームの面でいうと、プレイヤーが爽快感を感じられるパワーアップ効果にこだわりました。例えば、チャームを6つ以上つなげると「ショット(垂直、クロス、スターなど)」が作れるのですが、つなげる個数を決めるにもプレイヤーにとってストレスでない数を探し出すために何度も協議しました。

ショットの効果にも気を配りました。使うときに爽快さを感じてもらうことは大事ですが、ゲームボードのすべてを消し去るほど強くしてしまうと飽きてしまう……。爽快感とゲームを続けたい、と思ってもらう心理的なバランスを保つことにも注力しました。

簡単かつ楽しくプレイし続けてもらうためには、シンプルでわかりやすい内容である必要がありますからね。

--開発で最も苦労したことと、当初の仕様で大きく変更したことはどんな点ですか? その理由も合わせておしえてください。

デルフィン/ミゲル:最も苦労したことは、ゲームの作り手である私たちが、いかにプレイヤーの立場になり客観的に見ることができるかという点ですね。プレイヤーの観点からゲームを見る必要性に気付いたので、フォーカスグループという定性調査を行うグループを作ったり、ユーザーテストを徹底的に行いました。

具体的には、リリースの約1年前に「母の日」というユニークなイベントを2回実施しました。「母の日」では、King社内の子供をもつ女性社員に2時間インタビューを行い、ダイヤモンドダイアリーの好きなこと・嫌いなことを聞き出し、後日改善するという活動をしました。新しい目線から多くの意見をリリース前に聞くことができ、たくさんの気付きが得られました。このときの学びは、リリース時のデザインにも大きく影響しているんですよ。

当初の仕様で大きく変更した点も多数あります。例えば、ゲームのテーマは覚えている限り6回ほど変わっていますし(笑)。前述したパワーアップ効果も、楽しさとゲームプレイの深さのいちばんいいバランスを保つために何度も変更や修正を施しています。

--このゲームは特にレベルデザインが秀逸だと思うのですが、レベルデザインをするときに、心がけていることはどんなことがありますか?

ミゲル:「種類豊富なプレイを提供すること」でしょうか。プレイヤーがどのレベルにいようと、今まで以上に楽しい内容が先々のレベルにあると暗示できていたらうれしいですね。

--配信時に用意されたレベルの中で、特に難易度の高いレベル、爽快感のあるレベルをおしえてください。

ミゲル:レベル38、55、272、330は難易度が高いと思いますね。他にもまだまだありますけど(笑)。あと、レベル4(キャノン砲があるレベル)は爽快感があると思います。「おぉ~」って思っていただけるかと!

ゲーム序盤の壁になるレベル38(左)と55(右)のステージ。筆者はどちらも星1つでのクリアが精一杯

すでに360レベル配信中で毎週20レベルも増える!

--中の人だからしってるテクニック、Tipsはありますか?

ミゲル:すでに気がついているプレイヤーも多いと思いますが、例えばたくさんつなげて消す際に、あえて全部をつなげずにするなどですかね。スペシャルショットを作れても、周りに同色のチャームがないいと発動できませんからね。

あとは、チャームが落ちるまで待たなくても消せることでしょうか。宙に浮いている状態でもチャームをつなぐことはできるので、状況を読んでつなげてみてください。これを知っていると、スピーディーにクリアできることもありますよ!

--「SASSY」「DAZZLING」など、スーパーコンボをきめたときにセリフが出ますが、日本人にはなじみがないものがあります。言葉選びにこだわっているのでしょうか? 日本人に「サッシー」というと、ほとんど別のことを思い浮かべます。

ミゲル:「SASSY」は直訳すると「生意気な」という意味があり、「DAZZLING」は「眩惑的な、まぶしい」という意味があります。

実は、「SASSY」には「自信に満ちたクールさ」といういい意味もあり、本作ではそっちの意味合いで使用してます。あとはダイヤモンドを扱っているタイトルなので、宝石に関連付けて光り輝いている演出を「DAZZLING」で表現しています。

日本で有名な、あの「サッシー」ではありませんよ(笑)。

--ユーザーから来る要望で多いことはどんなことですか?

ミゲル:要望のほとんどがレベル追加のリクエストと、追加になる都市が何かの問い合わせですね。日本では京都が入っていますが、ほかの都市も導入したいと思ってます。

--ステージによって、NPCとレベルクリア競争をする場面がありますが、友だちと競うようにしなかったのはどうしてですか?

ミゲル:実は、全員実在するプレイヤーなんですよ! ただ、リアルタイムに表示されていないだけであって、競争している相手は世界各地にいるプレイヤーです。Facebookの友人だけに制限したくなかったので、プレイヤー自身の友人でない場合がほとんどですけどね。

--レベルはいくつまであるんでしょうか? また、定期アップデート(レベル追加)の予定や頻度はきまってますか?

ミゲル:リリース時には300レベルが用意されており、現在は360あります。毎週20レベルを追加するアップデートを予定しています。

--Kingの一員としてではなく、1人のゲームプレイヤーとして遊んでいるゲームはなんですか?

ミゲル:『キャンディークラッシュソーダ』と『バブルウィッチ3』です! 日本のゲームでいうと、ずっと大好きでプレイし続けているのは『スーパーパズルファイターIIX』ですね! あとはマリオシリーズとゼルダシリーズはほぼすべてプレイしてます。

デルフィン:Kingのゲームが全般的に好きですね、特に、『キャンディークラッシュ』シリーズは好きです、本当ですよ!(笑) 日本のゲームでいうと、最近は『LINE:ディズニー ツムツム』がお気に入りです。過去にはゼルダにもはまりましたね。

--最後に、2018年下半期の予定をおしえてください

デルフィン:たくさんのの新しいレベルと、アッと驚くようなゲームプレイをお届けする予定です。ご期待ください!

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