天は我に味方した!? デッキと戦術が新ユニット入手で刻々と変化する
『クラッシュ・ロワイヤル』(以下、クラロワ)のシステムは、タワーディフェンス+タワーオフェンス+カードゲームといった感じで、カードゲームというよりはストラテジー寄りのゲーム性だ。
人気タイトルの『クラッシュ・オブ・クラン』と同じ開発会社ということで、そちらのキャラクターも多数登場する。
試合ではカードを指定して場に召喚し、敵タワーを多く破壊するか、もしくは敵キャッスルを先に破壊したほうが勝利となる。
対戦相手は常にリアルタイムでマッチングされ、世界中のプレイヤーと対戦! そして勝利することでトロフィーや報酬を獲得していく。
最近のスマホゲーは無料でもじゅうぶん楽しめることは当然で、だからこそ無課金でどれだけやれるかに挑戦するというのが、この連載企画の目的だ。
これは筆者の印象だが、無課金プレイヤーが課金プレイヤーと同じように遊ぶには、「じっくり時間をかけて効率よくプレイする」ことが最重要。
反対に、課金すればそれだけ短い時間で、より濃くゲームを楽しめるようになるものだと思っている。
しかし、この連載ではプレイ期間に制限が設けられている……。いかに効率よくプレイして、厳しい目標を達成できるかを記事にするわけなのだが、今回のクラロワはこの企画との相性が非常に悪いと感じた。
その理由は、バトル報酬で出現する「宝箱」に開封時間が設定されていて、リアルタイムでその時間が経過しないと報酬が入手できないということだ。
一方で、課金アイテムによって「バトル報酬の宝箱の開封にかかる時間を短縮」できるのだが、逆にいうと「無課金だと報酬を入手できるまでの時間がすごく長い」ということになる。
そんな感じで、いつも以上に経過時間が気になる中での今回のルールは以下のとおり。
- 10日でトロフィー1,100(アリーナ4に到達)を達成する
- いうまでもなく、無課金で
宝箱オープンまでの待機時間が問題だ!
さっそくプレイ開始! 画面上方が敵陣、下方が自陣で、中央に本拠点となるキャッスルと、その左右に1本ずつタワーが配置されている。
カードをマップ上にドラッグ&ドロップして召喚したキャラクターは、前方の建築物もしくは敵ユニットに向かって前進し、自動的に攻撃を開始する。
召喚には、「エリクサー」と呼ばれるパワーゲージのようなものを使用。このエリクサーは時間により自然回復していく。
召喚するカードによってエリクサー消費量が異なるため、このエリクサーのやり繰りが勝負のカギとなる。
先にキャッスルを破壊、もしくは制限時間内にタワーを多く破壊していたプレイヤーの勝ちなのだが、同点の場合はサバイバルに突入し、先にタワーを破壊したプレイヤーが勝利となる。
本作には、さまざまなキャラクターやスキルのカードが登場するが、それらはバトル勝利報酬の「宝箱」から入手できる。
「大宝箱」と呼ばれる課金アイテムで購入する宝箱も用意されてはいるが、バトル報酬の宝箱からでもすべてのカードが入手できる。これは無課金プレイヤーにとってもうれしいポイントだ。
しかし問題は、前述した宝箱の開封に要する現実の時間である。最も入手機会の多い銀の宝箱で「3時間」、スーパーレアが必ず入っている魔法の宝箱では開封に「12時間」もかかってしまう。
しかも、宝箱をストックしておける数は最大4個までなので、集中してプレイしても、もらえる報酬の数は結局変わらないことが多い。デッキを強化するには、やはりリアルタイムで待つしかないのだ。
無課金でもじゅうぶん遊べるとはいえ、時間がかかるこのシステムは「無課金でやってみた」の天敵ではないか……。先々が心配で仕方ない。
そんな中、開封待ちしていた宝箱がようやくオープン。さっそく、入手したカードを使い、デッキを強化してみる。
宝箱の中には、強化費用となる「コイン」と、デッキに入れるカードが入っている。同じカードが何枚も出現することもあるが、カード自体のレベルアップには同じ種類を数枚集めておくことが必要。
むしろ、同じカードが多いほうが好都合だ。
カードにはノーマルからウルトラレアまでのレアリティーがあるが、序盤はおそらくエリクサー消費量が低く、同じカードを集めやすくレベルアップさせやすいノーマルカードを鍛えておくことが重要になるのではないだろうか。
まずは、個人的に使いやすいと思った「槍ゴブリン」を重点的に強化しておく。槍ゴブリンは少ないエリクサー消費で使うことができ、同時に3体を召喚できる小型ユニットだ。
個々の性能は低いものの、集団攻撃によってじゅうぶんな攻撃力を発揮し、また単体攻撃の大型ユニットを相手にしたときには相手の攻撃が分散するために、意外としぶとく戦える。
さらに投げ槍で攻撃するので、遠くの敵や空中の敵にも攻撃できるといった利点の多い便利ユニットだ。
ノーマルカードには、複数の小型ユニットを一度に召喚できるこのようなカードが多く存在するため、戦術によってはじゅうぶんに主力になれる。ある意味、ノーマルカードならではの特徴といえるだろう。
カード強化については、単純なデッキの強化という意味に加えて、もう1つ重要な要素がある。それは「カード強化時にプレイヤーランクの経験値が入手できる」ことだ。
プレイヤーランクが上がるとタワーやキャッスルのHPが増加するため、攻略には非常に重要な要素の1つとなっている。
しかし、メインとなる経験値の獲得手段はほぼカードの強化しかない、といっていいほどにランクアップの機会が少ない。
すなわち、育成要素のすべてが「宝箱の気まぐれ次第」なのである。これは、よほど効率よくプレイしないと期限でのクリアは難しそうだ……。そして何よりも、運が必要!!
1~3日目
基本的に、勝利するとトロフィーが30個ほどもらえ、負けるとアリーナによって相応の数が減少する。
さらに、所持トロフィー数によってバトルを行うアリーナが変わり、トロフィー数が増えるほどアリーナランクが上がっていく。マッチングされる相手も、それによって決まるという仕組みだ。
目標のトロフィー1,100を達成するには、とにかく連勝を重ねて連敗を減らすということに尽きる。まずバトルでの基本戦略は、チュートリアルで入手したスーパーレア「プリンス」に頼る作戦を採用した。
プリンスは高い攻撃力を持ち、攻防の両面で非常に頼りになるユニット。
また、敵や建物と接触しないで一定時間が経過すると、助走を開始して移動がスピードアップ! その状態で体当たりするとダメージが2倍になる。
この助走を利用して、相手の意識を一方のタワーに集中させ、そのスキにもう片方のタワーにプリンス単騎で突撃させてしまうというシンプルな戦術だ。
ただし、エリクサーの消費量が大きいため、失敗するとリカバリーに苦労するというリスクもある。
それでもアリーナ1や2で戦うときには、この単純な作戦は有効で、プレイ開始から3日目までは特に問題なく、ほぼ初期デッキのままで順調にトロフィー800ほどに到達した(アリーナ3)。
初期の戦術がハマって意外に順調!?
4~6日目
しかしこの辺りから、「プリンス突撃作戦」が通用しないことが多くなってきた。
何とかトロフィー数800はキープできている状態だが、相手が高レアリティーの防衛カードを使ってくると、突破できないことがあまりにも多い。
特に、「スケルトン軍団」は脅威だった。これは、スケルトンを何と20体も一挙に召喚するカードだ。もちろん、1体ごとの性能は触ると崩れるかのごとくもろいのだが、さすがに20体もいると、単体攻撃のプリンスは簡単にガードされてしまう。
これに対抗するには「矢の雨」のような広範囲を攻撃するスキルカードが有効。しかし、最大10まで保持できるエリクサーのうち、プリンスで5、矢の雨で3と、合計8も消費してしまうのがネック。
無理に突破しようとすると、相手のカウンター時に防衛ユニットを呼び出すエリクサーがないという事態が多発していしまい、結局、作戦を見直すことになってしまった。
そこで、まずはショップで売られているノーマルカードを買って、カード自体の強化を目指す。
使うのは主に、「ゴブリン」「槍ゴブリン」「ガーゴイル」「アーチャー」「バーバリアン」といった複数のユニットを一度に召喚できるノーマルカード。
やはり、ノーマルは入手が容易で、レベルアップしやすいのが魅力だ。
この段階では、カードのレベルアップによってプレイヤーレベルも4まで上昇し、今までより防衛で耐えて勝てることも多くなってきた。
特に、小型ユニットの複数召喚カードは防衛で使いやすく、相手のプリンスの特攻などを簡単に防げる。
また、建築物だけを狙って攻撃してくる大型ユニット「ジャイアント」に対しても手数で倒しきれるため、相手の範囲攻撃さえなければどんどん場に出していける。
粘りの防衛で局面が有利になった後は、大量の小型ユニットの壁になるように「ジャイアント」を召喚。
そちらに敵の攻撃を集中させて小型ユニットを守り、タワーまでたどり着いて物量で殴る作戦で戦い抜くことにした。
ただし、小型ユニットはやはり「矢の雨」などの範囲スキルにはめっぽう弱く、相手の残りエリクサー量やデッキの内容を常に気にしながら行動することになる。
さらに、このころには空中から小範囲を攻撃する炎を吐く「ベビードラゴン」が相手のデッキに入っていることも多くなり、これにもかなり苦戦した。
ベビードラゴンは空を飛んでいるため、陸上の近距離ユニットでは攻撃できない。
槍ゴブリンやアーチャー、空中を移動・攻撃できるガーゴイルを使ってなんとか数で対処するが、守り切れるものの攻めきれないというドロー試合が少しずつ多くなってきた。
筆者のところにもベビードラゴンが来れば、どれだけ戦況が楽になることか……うらやんでもしかたない。
運よく手に入れた魔法の宝箱から、スーパーレアの「エアバルーン」を入手できたので、「もしかしたら、これでクリアできるかもしれない!」と思ったのだが、エアバルーンは空中を移動し建築物だけを攻撃するユニット。
攻撃力は非常に高いのだが、HPがかなり低い。陸上からの遠距離攻撃だけでも簡単に落ちてしまうし、ベビードラゴンと目が合うとすぐに爆散してしまう。
これをうまく運用するには、こちらもベビードラゴンを使うしかないと判断し、泣く泣く使用を断念した。
それ以外の報酬は今のところ、あまり使用する機会のないレアやノーマルしか出ていない。何とかカードのレベルアップで戦力は強化できているものの、戦局は膠着状態といったところだ。
ギリギリでトロフィー1,000までは到達できたのだが、この先に進むには切り札がなく、明らかに戦力不足を感じる。
トロフィー1,000が1つの壁に。一気に突破できるのか!?
7、8日目
ここで急に、天運が味方についた! 前日の就寝前に開封しておいた「金の宝箱」から、スーパーレアの「巨大スケルトン」が出現!!
巨大スケルトンは、巨大な爆弾を持って敵に向かっていく大型ユニット。攻撃力自体はそこまで高くなく、足も遅いのだが、HPがかなり高めなのが利点となっている。
また、最大の特徴として、「死ぬとその場に爆弾を落とす」という能力を持っている。
この爆弾が強烈で、周囲に約700ダメージという大きな破壊力を発揮する。タワーのHPが2,000弱なので、近づくことに成功するだけで、一気にそして確実に、タワーのHPを3分の1も削り取れるのだ。
こいつも、これまでは敵に使われて相当苦戦したユニットだ。場に出ると最優先で対処しなければ、タワーは爆弾で簡単に吹っ飛んでしまう。
逆にいえば、このユニットを使いこなせれば、敵の意識を操作してそのスキを突くことも、より簡単になるということなのだ。
こうして、巨大スケルトンという大きなアドバンテージを入手し、筆者の快進撃が始まった。
これまでジャイアントが務めていた壁役を巨大スケルトンに変更し、ジャイアントで小型ユニットを守りつつ進撃する作戦から、小型ユニットで巨大スケルトンを護衛する作戦に変更。
これまでどおりに防衛に徹し、相手のエリクサー消費を予想して、有利に立てると思ったらすぐさま行動開始! 巨大スケルトンを積極的にタワーにぶつけていく。
また、巨大スケルトンは防衛でもじゅうぶんな活躍を見せた。HPの高さによる単純な防衛力に加え、死んだ後の範囲攻撃によって周囲の攻め手を一掃することもできるからだ。
もし、防衛時に死んでいなければ、そのままタワーを狙うこともできるし、巨大スケルトンが狙うタワー以外に攻撃を仕掛けることで、相手を混乱させることもできる。
筆者のメイン戦略である「小型物量作戦」と「巨大スケルトン」がバッチリ噛み合った結果、ノーマル中心のデッキでもじゅうぶん運用できる、筆者にとって理想のデッキが完成した。
この勢いのまま、10日間を待たずして何とか目標のトロフィー1,100(アリーナ4)に到達!
正直、7日目に入るまでは打開策が見えずに右往左往していたのだが、巨大スケルトンの登場でパズルのピースがピタリとハマったかのように、うまく戦えるようになった。
すべては宝箱の気まぐれ!?
筆者の終盤の戦い方はこうだ。
デッキに配した5枚の複数召喚の小型カードに加え、建物から爆弾を投げる範囲攻撃が可能な防御型設置ユニット「ボムタワー」を使い、まずは防衛を重視しながら巨大スケルトンを召喚するタイミングをうかがう。
その後、相手の出方を見てから巨大スケルトンを攻撃の中心にするか、囮としてタワーを単騎で攻めさせるか、防衛させるかを考えていく。
どの選択肢でも、相手は巨大スケルトンに対して最優先で対策を取る必要があるため、こちらの思惑どおり進むことが多かった。
筆者が、タワーディフェンスというジャンルがどちらかといえば得意だったこと、さらに巨大スケルトンが入手できたことの2点が大きな勝因となり、今回は8日目という短さで、目標クリアに至ることができた。
おそらく、今回のチャレンジで設けられた「10日間」という期日は、目標達成のためにはかなりギリギリのラインだと思う。
これ以上に安定して勝ち進むには、プレイヤーレベルもカードレベルも、手札もすべて足りないと感じる部分があまりにも多い。
ただ1つ、今回の最大の幸運である巨大スケルトンが筆者のプレイスタイルとバッチリかみ合った結果、ほぼノーマル、レアばかりのデッキでも運用できる、理想の形にたどり着けたことが勝因だろう。
とにかく、「宝箱の気まぐれ」を味方につけられるかどうか。本作ではそれがいちばん大事だとわかった挑戦となった。
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