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モバイル型ロボット電話!? シャープが新たに発売する「RoBoHoN」の発表会をレポート

シャープは、同社の新製品として発売するモバイル型ロボット電話「RoBoHoN」の発表会を、本日4月14日に開催した。発売日は5月26日、価格は198,000円(税別)となっている。

RoBoHoNがみんなの生活を未来に変える!? モバイル型ロボット電話がシャープから発売

シャープは、小型で手軽に携帯できる「RoBoHoN」(以下、ロボホン)の販売を5月26日(木)より開始する。

ロボホンは、ロボットクリエイターとして知られる高橋智隆氏(東京大学先端科学技術研究センター特任准教授、株式会社ロボ・ガレージ代表取締役)との共同開発によって生まれた、世界初の「モバイル型ロボット電話」だ。

発表会の冒頭では、シャープの代表取締役兼専務執行役員 コンシューマーエレクトロニクスカンパニー社長の長谷川祥典氏があいさつを行った。

昨年10月の「CEATEC JAPAN 2016」で発表されて以来、その奇抜な発想から注目を集めていたロボホン。その後も開発が進められ、ようやく発売の目途がついたということで、今回の発表会が実現となった。

シャープはモノの人工知能化「AI×IoT=AIoT」のビジョンを掲げ、知性と愛着で身の回りの危機が人に寄り添う世界を目指す「ココロプロジェクト」を推進している。

このロボホンは、その第1弾となる製品。行動を学習する知性で「わが家流」に成長し、感情豊かな音声の対話で、より愛着を感じることができるのが最大の特徴となっている。

また、クラウドを経由してさまざまな企業が提供するサービスにアクセス。さらに大きなビジネス領域の拡大を目指していくという。

ココロプロジェクトが目指す世界

  • 賢くわが家流に成長
  • 音声やおもてなしが愛着を醸成
  • クラウドで学習して最適化
  • クラウドでさまざまなサービスに接続

行動を学習する知性で「わが家流」に成長
感情豊かな音声の対話で愛着を感じる

長谷川氏は、ココロプロジェクトのコンセプトマークが持つ意味についても言及。

ハートを中心に3つの円が配されているが、この3つの円は「センシングによる人の洞察」「独自の音声技術」「クラウドとの連携」を表わしており、全体が「心」の漢字に見えるようにもなっている。

ロボホンならではの機能を最大限に発揮するため、シャープ自身がMVNO事業者としてモバイル通信サービスを提供することが発表された。ロボホンを利用するには「ココロプラン」への加入が必須となる。

  • ココロプラン(基本料金:月額980円+税)※加入必須
  • モバイル通信サービス(月額料金)
  • 保守パック(月額料金)

モバイル通信サービス

「ロボホン」と会話を楽しむプラン(1GB)

  • データSIM:月額650円+税
  • 音声通話SIM:月額1,360円+税

「ロボホン」ともっと会話を楽しむプラン(3GB)

  • データSIM:月額950円+税
  • 音声通話SIM:月額1,650円+税

「ロボホン」ともっともっと楽しむプラン(5GB)

  • データSIM:月額1,580円+税
  • 音声通話SIM:月額2,280円+税

保守パックサービス

ケアプラン50:月額990円+税

  • 修理料金(技術工料、部品代):商品購入後5年間 50%割引
  • 破損、消耗部品(電池、サーボなど)交換時の修理料金:50%割引

ケアプラン70:月額1,650円+税

  • 修理料金(技術工料、部品代):商品購入後5年間 70%割引
  • 破損、消耗部品(電池、サーボなど)交換時の修理料金:70%割引

予約受付は、本日4月14日よりインターネット直販サイト「robohon.com」などですでにスタート。スペックやサービス、アクセサリーなどもこちらで確認可能となっている。

ロボホンが持つさまざまな機能

ロボホンの詳細については、通信システム事業本部コミュニケーションロボット事業推進センター商品企画部チームリーダーの景井美帆氏から説明が行われた。

そのコンセプトは「ココロ、動く電話」。使う人の気持ちにこたえるロボット電話で、身長は約19.5センチ、体重は約390グラム。

二足歩行が可能なヒューマノイドロボットしては極めて小型のサイズを実現しており、外出先に持ち運んで使用することもできる。

ロボホンはモバイル通信(LTE/3G)に対応し、電話やメール、カメラといったスマートフォンの基本的な機能に加え、専用アプリで提供される各種のサービスを対話しながら利用することができる。

また、新開発のフォーカスフリー小型レーザープロジェクターを搭載し、写真や動画、地図などを壁やテーブルに投影することができる。さらに専用アプリをダウンロードして新たな機能を追加することも可能だ。

もちろん、ユーザーの利用状況やプロフィールなどを学習・成長し、使えば使うほど、より自然なコミュニケーションができるようになっていく。

シャープが展開する「ともだち家電」やスマートフォンの機能として開発された「emopa」をベースに、進化したコミュニケーション能力を保有している。

発表会の会場では、音声で呼びかけて電話をかけたり、写真を撮ってその場でプロジェクターにて投影・確認したりといったデモンストレーションが実際に行われた。

さらに、音声でWeb検索を行ってWikipediaの解説を読み上げるといった機能や、最寄りのグルメスポットを案内してくれる機能に加え、音楽に合わせて踊るダンス機能なども紹介された。

「オッケー」や「わかった」など、かわいらしいボイスで受け答えをしてくれる

スマホとロボットの融合による新たなイノベーション

続いて、共同開発者として基本設計やデザインなどを担当した高橋智隆氏も登壇し、あいさつを行った。

高橋氏はロボットの開発には広範な技術が必要であり、サービスも大規模に展開する必要があると語り、そのために大企業であるにもかかわらずチャレンジ精神あふれるシャープとのパートナーシップが必要であったと述べた。

大事なのはイノベーションであり、こんな挑戦的な商品が近年にあっただろうかと話した高橋氏

これまでのロボットに足りなかったものは、じゅうぶんな性能を持つハードウェアと知性。

スマートフォンという要素を組み合わせることで、通信によるクラウドとの連携が実現し、知性の要素が商品としての水準に達したと語る高橋氏。

ロボホンは、これまでのイメージのような家政婦ロボではなく、情報通信端末の延長線上にいた、相棒のようなロボットなのだ。

便利な専用アプリが続々登場! 進化を続けるロボホン

ロボホンの専用アプリとして、ロボ釣り、タクシーの配車、レシピガイド、グルメ検索、クイズといった機能およびゲームが6月末より順次提供される。

賛同企業として20社以上が名を連ねており、この発表会でも3社の代表がスピーチを行った。

まず登壇したのは、株式会社ディー・エル・イー取締役CCO&エンターテインメント事業本部長の小野亮氏。『秘密結社鷹の爪』を手掛けるFLOGMAN氏といった方がわかりやすいだろうか。

小野氏は、これまでのキャラクタービジネスの世界はコミュニケーションが一方通行であったが、ロボホンの双方向に新たな可能性を感じているそうだ。

同社が提供する「ロボ釣り」は、ロボホンの釣果を聞いてコミュニケーションを楽しむゲーム。日記形式で釣果が記録され、GPS機能との連動でご当地ならではの魚を釣ることもできるという。

例えば、名古屋ならシャチホコが釣れるといった具合だ。

続けて、Japan Taxi株式会社COO兼コーポレート部長の濱暢宏氏があいさつを行った。

同社とシャープは同じ1912年に生まれ、こうしてパートナーシップを組むことになったのも1つの縁だと述べ、「タクシーの配車が遅れているときなどに、ロボホンにそれを伝えられたら許してしまうかも?」と、迅速ではないが温かみのあるコミュニケーションに期待を寄せた。

さらに、株式会社オージス総研・サービス事業本部・デジタルコンテンツサービス部長の山川大介氏が登壇。

同社は料理レシピのサービス「ボブとアンジー」を展開しているが、ロボホン向けにも季節のお料理レシピを提供する。ロボホンと対話しながら調理を進めていくことで、面倒で孤独な作業と思われがちな料理を、より楽しくしていくと語った。

なお、ロボホンは年間6万台の販売を予定しており、半年をめどに黒字化を目指していくとのこと。海外展開の予定もあるそうだ。今後のロボホンの展開に注目しておこう。

RoBoHoN(ロボホン)スペック

  • 身長/体重:約19.5センチ/約390グラム
  • OS:Android 5.0
  • CPU:Qualcomm Snapdragon
    400 processor 1.2GHz(クアッドコア)
  • 内蔵メモリ:ROM 16GB/RAM 2GB
  • 電池容量:1,700mAh
  • 連続通話時間(静止時)
    3G:約410分/VoLTE:約400分
  • 連続待受時間(静止時)
    3G:約220時間/LTE:約210時間
  • 実使用時間:1日以上(※1)
  • ディスプレイ:約2.0インチ QVGA
  • カメラ:約800万画素 CMOS
  • プロジェクター:HD(1,280×720画素)相当
  • 通信方式(※2):3G/LTE
  • 対応バンド
    LTE:Band1(2.0GHz)、Band3(1.7GHz)、Band19(800MHz)
    3G:Band1(2.0GHz)、Band6(800MHz)、Band19(800MHz)
  • VoLTE:○
  • Wi-Fi:○(IEEE802.11b/g/n ※3)
  • Bluetooth:○(4.0)
  • GPS:○
  • センサー:9軸(加速度3軸、地軸気3軸、ジャイロ3軸)、照度センサー
  • 電話帳登録件数:最大200件
  • 送受信メール保存件数:最大1,000件

※1:当社が想定するロボホンの利用(カメラ、メール、会話、検索、電話、プロジェクターなど、約130分間/日の利用)があった場合(シャープ調べ)。実際の利用状況(サーボモーターやプロジェクターを多く利用した場合など)によっては、下回る場合があります。
※2:NTTドコモ網に接続。
※3:801.11nは2.4GHzのみ対応。

  • 基本機能:通話、メッセージ、アプリ、検索、カメラ、プロジェクター、音声認識、顔認識、歩行、起き上がり
  • 本体付属品:卓上ホルダー、ACアダプター、microUSBケーブル

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