オーシャンホーン - 未知の海にひそむかい物【ゲームレビュー】

もともとはPC向けタイトルとしてSteamにてリリースされ、植松伸夫氏と伊藤賢治氏が楽曲を提供していることで注目されている『オーシャンホーン - 未知の海にひそむかい物』。この本格アクションRPGが、新たに日本語化されてスマホゲームとして登場!

マップ探索のワクワク感がたまらない!正統派の冒険RPG

フィンランドのゲームスタジオであるCornfox&Brothersが開発したファンタジーRPG『オーシャンホーン – 未知の海にひそむかい物』は、昔ながらの正統派RPGの雰囲気を持っているタイトルだ。

ゲーム音楽界の巨匠として知られる植松伸夫氏と伊藤賢治氏も制作に参加しているということで、日本のRPGファンも気になる1作ではないだろうか。

ピアノとバイオリンの美しい旋律の楽曲が流れるオープニング画面。日本語を含む11ヵ国語に対応

有料タイトルだが、Android版では無料でストーリーの序盤をプレイできる。またゲーム開始時には、端末の性能に合わせてグラフィックの品質を設定することが可能だ。

父と息子の別れのシーンを描くプロローグ。その中で暗示される巨大な怪物の存在……。どうやら、多くの謎が過去の出来事に隠されているようだ

冒頭のシーンからときは流れ、父の友人であるハーミットの島で暮らすようになった主人公。プレイヤーは3Dで表示されるマップを探索しながら、自身の冒険を進めていくことになる。

操作はバーチャルパッドでの移動とアクションボタンのみ。ツボを持ち上げて投げつけたり、剣を振るったりするのもアクションボタンですべて操作することができる。

移動の操作は画面のどこをタッチしてもOKなので、その気になれば片手でもプレイすることができる。

マップはかなり高低差があり、階段や梯子を使って上り下りすることも多い。また草むらの中にコインやハート(回復アイテム)が隠されていることも

アクションボタンをタップしてモンスターを攻撃するという、昔なつかしい感じもするバトルシーン。敵に接触するとダメージを受けて、画面左上のハートが減っていく

持ち上げたツボを敵にぶつけて倒すこともできる。命中判定は広いが、敵はそれなりに動き回るので容易には当てられないかもしれない

アクションボタンを長押しして離すと、回転切りのスキルアタックが発動! 物語の流れに沿って、夜間のフィールドが登場することも

画面に表示されるチャレンジをクリアしたり、敵を倒したりすることで経験値を獲得。少しずつレベルアップして新たな称号を得られる仕組みとなっている。またその際に、ボーナスのコインなどがもらえることもある。

宝箱などから「ハートのかけら」をゲット! これを4つ集めると、HPを示すハートの上限が1つアップする

主人公は最初の島で、母の形見のネックレスに導かれて父の剣と盾を手に入れる。そして、かつて強大な勢力を誇ったアルカディア王国が、暗黒の支配者メスメロスとの戦争によって崩壊したことを知る。

メスメロスが地中深くから呼び覚ました暗黒の力「トライロス」により、それ以降の世界から光が消えた……。その厄災の後に現れた3体の怪物のうちの1つが、「オーシャンホーン」だ。

主人公はオーシャンホーンの謎を解き明かすため、地のエンブレム、海のエンブレム、そして太陽のエンブレムを探す大海原への冒険へ旅立っていくことになる。

ダンジョン各所に用意された複雑怪奇なギミック

冒険の中で、主人公はさまざまな場所を訪れて、モンスターとの戦闘やアイテム探しに奔走する。

マップの各所にはさまざまなギミックが設けられ、プレイヤーを悩ますことになるだろう。

カギの付いた扉は基本。スイッチを押すことで開く障害物や、そのスイッチを固定するために動かす箱など、プレイヤーを悩ます仕掛けが多数存在する

複数のボタンを同時に押さないと起動しないギミックも! 場所によっては、動かした物を元の場所に戻すためのリセットボタンも用意されている

進む先の道が途切れている。水に浮かんでいる箱を移動させれば、足場として利用できそうだが……

火ダネを持ち上げてトーチに明かりをともしていくと、どこかで仕掛けが動き出す音が!

新たな島を発見する楽しみ!海上での戦闘も発生!?

Android版の場合、無料でプレイできるのは最初の島(ハーミットの島)を舞台にしたプチ探検まで。以降は、小さな船に乗り込んで大海原にこぎ出していくことになる。

海上での移動は、マップ上で行きたい場所をタップして指定するだけ。上陸可能な場所であれば、そのまま通常の画面に移行する。移動画面ではコンパスのアイコンをタップすることでマップを開くことができる

進む先に機雷が浮いていたり、海のモンスターが待ち受けたりすることも。ダメージを受けてハートが尽きれば、チェックポイントへ逆戻りだ。画面中央の照準にターゲットを合わせてアクションボタンをタップすれば、船に積まれた銃で攻撃することができる

序盤で訪れる「ティカレルの町」では、住人たちに話しかけたり、浜辺に流れ着いたビンの中の手紙を読んだりすることで、海上にある別の島の位置を知ることができる。

アイコンで示されたさまざまな場所に、冒険のヒントが隠されている。すぐには役に立たない情報も、後々になれば行動の指針として価値が出てくるはずだ

住民との会話の中で、ティカレルの町自体でも何らかの事件が進行している様子であることがわかる。しかし、とりあえずはほかの島に行ってみるしかなさそうだ

弓矢や魔法も役に立つ!

冒険を進めていくうちに、「爆弾」や「弓矢」などのアイテムや「力の魔法」などが使えるようになり、主人公の行動の選択肢が増えていく。

特に爆弾は、障害物を取り除いたり、強敵を倒したりするのにフル活用することになるだろう。

また、魔法をセットして目的のオブジェクトをタッチすると、その場所から動かしたり落としたりすることができる。遠くの場所にあるスイッチなどをいじる場面で使っていこう。

剣と盾、爆弾、弓矢、力の魔法が使えるようになった状態。レベルアップのペースはそれほど早くないので、プレイヤー自身の腕前を磨きながらじっくりとプレイを進めていくことになる

何か仕掛けがあって、手が届かない場合には、力の魔法か弓矢を試してみよう。また障害物を爆弾で排除することで、思わぬ道が開けることもある

とにかくフィールドやダンジョンを探索して、新たなルートやギミックの謎を解き明かしていくのが楽しい本作。まさに未知の領域を冒険していると気分が味わえる。

また、ダンジョン最奥部からの脱出する際には、ショートカットのルートが用意されていることも多いので、どんどん奥へ進んでいくのに抵抗がないのも特筆ものだ。

ちなみに、今回のプレイではアンロックすることができなかったが、大海原を舞台にしたゲームだけに「釣り」の要素も用意されている。釣り上げた魚をながめて楽しみたいという人も少ないないだろう。

もちろん、ストーリーの大きな転機となる場面では強力無比な戦闘力を誇るボスも登場する。ボス戦では、アクション要素たっぷりのスリリングな緊張感があじわえるはずだ。

なお、本作の音声は英語だが、かなりしっかりとした日本語字幕が用意されているので、プレイするのに支障ははなかった。

さらに、高精細でなめらかにうごくグラフィックの品質は手放しでほめられる(キャラクターのデザインは洋ゲーらしく若干バタくさいが……)。

昨今のせわしないゲームに抵抗があるという人は、自分のペースで物語を進めていける本作をぜひ体験してみよう。

神聖なる「大になる森」の最奥部に待ち構えている「はびこる悪ターモス」。4本の触手で主人公をほんろうする強敵だ。こいつを倒せば「地のエンブレム」が手に入る!

  • 使用した端末機種:Nexus 6P
  • OSのバージョン:Android 7.0
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0

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