VRはついに匂いまで実現!スニッカーズサイズの臭覚デバイスがお披露目
世界最小だという臭覚デバイス「VAQSO VR」を仕掛けるのは、匂い販促事業を展開するZaaZの川口健太郎社長。
この度、VAQSO Inc.を立ち上げ、2017年冬にB2C展開していくことを計画している。
このVAQSO VRは、サイズ120×35×15mmのスティック状のデバイスで、VRHMDの底面に装着して利用する。
HMDとはBLT(Bluetooth Low Energy)で接続し、コンテンツ側でプログラムすることで、シーンに合わせた匂いを発することができる。
匂いが発する仕組みは、デバイス内部のカートリッジに匂いの付いたオイルを染み込ませ、ファンで風を送ることで実現している。
今回の試作デバイスでは、3種の匂いを発することができたが、製品版では5~10個のカートリッジを搭載し、より多くの匂いを出せるように改良する予定。
さらに、匂いの強弱をコントロールできるようにして、より多彩な演出を可能にすることを考えているという。
現在、さまざまなゲーム会社に本デバイスのプレゼンを行っているが、反応は賛否両論とのこと。
ゲームへの活用方法としては、シューティングゲームで射撃した際の硝煙の匂いなどが挙げられるが、日本人は実際に銃を撃った経験がないことが大半なこともあり、疑問を持たれることもあるという。
会場で実際に硝煙の匂いを嗅いでみたところ、若干鼻にツンとくる焦げた印象を受け、これが射撃した際の匂いだと聞かされれば、そうなんだろうと感じる匂いだった。
デモゲーム体験のため、待機列に並んでいた際に気になったのは、VAQSO VRから発せられる匂いが強く、体験者の周囲5mほどなら匂いを感じてしまう点。
また、匂いに持続性があるように感じ、ゲームプレイを続けた際に、匂いが混ざり合わないかが懸念される。匂いの射出口がカートリッジごとに分けられているが、射出口付近などに付着した匂いが影響しないともいい切れない。
とはいえ、VR体験に、臭覚という新たな感覚を刺激することで、より没入感のある体験ができることに期待できそうだ。
AQSO Inc.のスペシャルアドバイザーに就任した黒川文雄氏は、2016年はVR元年と言われ、さまざまなプロダクトやコンテンツが世に出てきたが、何かが足りないと感じており、2017年はその揺り返しがくるのではないかと予測している。
黒川氏によると、聴覚・視覚・触覚に加え、VAQSO VRでは臭覚や味覚も追及していくようだ。
今回は、臭覚デバイスということだが、これが2016年のVR環境に足りなかったものの模索のチャレンジになるという。