すべてのスマホアクションの原型となった作品『Marvel Future Fight』を遊ぶ

大型タイトルとして鳴り物入りで宣伝されていた『リネージュ2 レボリューション』の喧騒も一服し、まずまず楽しげな世界観と一部で札束MMOと揶揄される銭勘定優先のシステムが無微課金ユーザー泣かせになっておるようですが、同じネットマーブルの旧作で『Marvel Future Fight』という定番タイトルがあります。まあ、キャラゲーといわれればそれまでなんですが、世界観の拡張性やキャラの多さもあり、長らく運営されていてどんどんインフレ起こしても問題ないぐらいによくできてるわけですね。

キャラが多いから「集めたい」となり、キャラが多いから集めたキャラをみんな強くするには時間がかかり、新しくフィーチャーが入ると全部のキャラを能力アップさせなきゃいけないのでまた盛大にプレイ時間が使われるわけですよ。

バージョンアップするたびにUIが便利になり、バグ落ちが少なくなる。屋上屋を架すような新フィーチャーも階層別にきちんと整理されて、少し遊べば体感的に納得できるようになる、というのは「いい運営」だなと思えるところですね。

で、「あざといか?」といわれると、そうでもない。カネを使わなくても、そこそこキャラクターは集められるし、ストレスなくいろんなモードにキャラ突っ込んで遊ぶことができる。お決まりの課金量に応じたVIPモードはあるけれど、なくてもそこまで不自由でもない。楽だ。

スタミナの回復量が少なめにセットされた上でのゲームデザインなので、あれもやらなきゃこれもやらなきゃという風にはなかなかならない。全部のゲームモードをやり込むほどハマってるならお金払ってよぐらいの雰囲気でしょうか。

ギルドに相当する「連合」も、まあまあ人が入れ替わり立ち替わり出入りする形だし、フレンドの状況を見ていても続いている人は何年もやっていて、のめり込んだ人はだいたい3ヵ月ぐらいはプレイしているようです。

なにしろ、マーベル界隈はディズニーに買収されてから、ハリウッド映画は定期的に封切りになるし、そのたびに新しいキャラ、新しいコスチューム、新しいワールドが生産されるので、そっちの方面が好きな人にはたまらないのでしょう。

以前紹介した『Injustice 2』スマホ版がいまなお残念な状況なのに比べれば、安定運行できるゲームシステムで長く遊ばせられることの大切さというのはものすごく感じます。

最近になって、ようやくマーベルの切り札コンテンツとも言える『X-MEN』の世界観やキャラクターがリリースされたわけですよ。おせーよ。

アメコミが大好きな人は一度引退してもほとんどゲームに復帰しているのが印象的でしたが、アメコミに興味のない私でも「おっ」と思いますからね。最近、ようやくスカーレット・ウィッチが追加されました。明らかにセクシー担当。

肝心のゲームシステムも、他のタイトルが参考にしまくっているのもあってか枯れておるわけです。長くてもだいたい2分で終わるステージ、オートモード搭載、属性の相性で上下するダメージ、育成のために必要なアイテムが大量に出る各種モード。至れり尽くせり。好きなキャラを好きなだけ育てて、どうぞ。

マーベルだけあって、相変わらずストーリーは何をいっているんだかよくわかんない。そんなすごい能力もってるなら、そのままみんなでボスのところ乗り込んでいってぶん殴って終わりでいいんじゃないの。いちいち事故が起きるたびに記憶喪失になったり人格乗っ取られたりすんなよ。

まあ、そういうツッコミも適宜入れつつ、人のようで人でないスーパーヒーローを育てながら頑張っていくのが本作です。それ以上でもそれ以下でもない、キャラゲーによるキャラゲーのためのシステムが詰まった佳作であります。

スマホにもいろんなテンプレが出ていますが、往年の無双システムが三国志から戦国時代、果てはワンピースや北斗の拳まで無双になってしまったぐらい、定番のシステムに成長したというのは偉大です。もちろん、定番であるがゆえに模倣されるのも常でありますが、ここまで安定し、きちんと枯れて、それでいて楽しいレベルを維持できるアクションゲームというのはすごいよねえとしみじみ思うのです。

なお、ヴィラン(犯罪者)キャラもちゃんと属性がついていて、ヴィランじゃないと参加できない制限のあるモードが曜日によって用意されたりします。他のプレイヤーと犯罪者同士集まってワイワイやるのは変なカタルシスが感じられるのでおすすめです。はい。

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