浮かばれない動画を供養!?超テクノ法要ブースの全貌レポ【ニコニコ超会議2018】

「超テクノ法要×向源」ブースでは、ライブにお坊さんとのお話など、一風変わったブースで注目を集めていた。中でも、再生数などが少ない動画を供養する「超動画供養」では、日の目を見ることのなかった動画たちへ、本気のお経が唱えられた。

テクノ×仏教は最高にクール!

仏壇に向かってお経を唱える仏教の「お勤め」。

本来であれば、おごそかな雰囲気のもと、住職が淡々とお経を唱えるイメージであるが、それを払しょくし、若い世代にも仏教に興味を持ってもらうため、浄土真宗本願寺派の照恩寺で住職をしている朝倉行宣氏が考案したのが「テクノ法要」だ。

朝倉氏は住職になる前はDJやライブ照明の仕事をやっていたという、意外な経歴の持ち主。

YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)やPerfumeのパフォーマンスから着想し、テクノミュージックやプロジェクションマッピングと法要を融合させ、まったく新しい次世代の法要を生み出したのである。

ニコニコ超会議2018では、仏教や神道などの日本の文化を体験できる寺社フェス「向源」とコラボしたブースで来場者を出迎えた。

左が朝倉行宣氏。右は向源の代表を務める友光雅臣氏

テクノ法要は、過去にニコニコ生放送にてその模様が生配信されており、知名度は高まりつつあるようだ。

第一回「テクノ法要」@照恩寺【2016年5月3日】

第二回『テクノ法要』@照恩寺【2016年10月25日】

【完全版】第三回『テクノ法要』【niconico×照恩寺】2017年5月3日


超テクノ法要ステージで、筆者がもっとも気になっていた企画が「超動画供養」。

事前に、再生数1,000以下、コメント100以下、マイリスト10以下の動画を対象に募集し、蝉丸Pによるお経で供養されるというものだ。

本当はもっとたくさんの人に見てほしかったであろう浮かばれない動画たちを、文字どおりお経を唱え、供養する。

仏具を使った演奏してみた動画などでもしられる動画投稿者で、リア住(リアル住職)の蝉丸Pが、動画を供養する

スクリーン上に、供養される動画が次々に表示され、供養されていく。献花も行われるなど、かなり本格的

応募された動画は、「動画供養希望」のタグが付加されているので、気になった方はタグ検索で見てみるといいだろう。

多くの人は視聴することも、供養になるのかもしれない……。

筆者もいくつかの供養希望動画を視聴してみたが、中にはクスリとくるちょっと面白い動画もあって、それなりに楽しむことができた。

個人的に気に入ったのがこちらの動画。『ヤッターマン』のドクロベエのものまねなのだが、そこそこ似ている!

毎日、たくさんの動画が投稿されニコニコ動画。面白さやクオリティに差はあれど、誰もが時間と情熱を注いでいる。

人気な動画の影には、こうした浮かばれない動画が数多く世に放たれているのを再確認することができた。再生数やコメントが伸びなかったかもしれないが、その想いは投稿者の次の作品へと受け継がれているはずだ。

テクノ法要ライブやお坊さんによるワークショップも!

本ブースでは、動画供養の他にもテクノ法要のライブや、お坊さんとお話ができるコーナーなどのワークショップが行われ、普段はなかなか触れる機会のない仏教の世界を存分に感じることができた。

初音ミクが般若心経をリズムに乗って読み上げる250万再生をほこる人気動画「般若心経ポップ」の上映もあり、ステージに集まったオーディエンスも自然と盛り上がりを見せていた。

テクノ法要を披露する朝倉氏。意外に思うかもしれないが、テクノ法要で唱えているお経は、ほぼほぼ本来のお経に近いリズムや音階だという

浄土真宗の朝倉氏の他にも、さまざまな宗派のお坊さんが出演。それぞれ袈裟に特徴があり、印象がずいぶん違う

ヘッドフォンを使用して無になれる「サイレント坐禅」や、入れる仏壇の展示、「お坊さんと牧師さんと話そう」のコーナーなど、他とは一線を画すエリアとなっていた

これまで仏教に興味がなかった人が、仏教を知るための入口になればいいとの思いから、テクノ法要は生まれたとのこと。

仏教×ニコニコという異色の組み合わせが生んだブースは、今回の超会議でひときわ異彩を放っていたことは間違いない。

なお、寺院フェスの向源は、来週の5月5~6日に、目黒の四ヶ寺で東京向源が開催されるので、こちらもぜひチェックしてほしい。

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