より軽く、装着感も向上した新Gear VR
発表会では、サムスン電子ジャパン株式会社、代表取締役の堤浩幸氏とプロダクトグループの糸櫻幹雄氏が登壇した。最初に登場した堤氏は、新Gear VRと「Gear VR Innovator Edition for S6」を比較し、100gほど軽くなり、装着感もアップしたと説明。提携する予定のゲームメーカーなども紹介し、VR市場の未来への展望は無限だと力説した。
続いて登壇した糸櫻氏は、新Gear VRをより詳細に解説。その特長として、9軸センサー搭載による追随性の上昇とVR酔いの解消、さらに人間工学に基づいて重量バランスを改良し、長時間装着しても疲れないようになったことを挙げた。また「Gear VR Innovator Edition for S6」での懸念事項の1つであったメガネについては、新Gear VRでは着けたままの利用が可能になった。
新Gear VRをタッチ&トライ
最初に新Gear VRの仕様を紹介する。
- サイズ:約201.9(W)×116.4(L)×92.6(H)mm
- 重量:約318g
- 搭載センサー:ジャイロセンサー、加速度センサー、近接センサー
- 視野角:96°
- 瞳孔間距離範囲:54~70mm
- 対応デバイス:Galaxy S6、Galaxy S6 edge
気になる価格だが、発表会では確かな金額は明言されなかった。しかし現在のところ、ヨドバシカメラのオンラインショップで、14,900円で予約が開始されている。「Gear VR Innovator Edition for S6」が約25,000円程度だったので、1万円近くも値を下げたことになり、一般ユーザーでも手に入れやすくなることは確実なようだ。
実際に装着したところ、発表会でも強調していた、軽さや装着感のよさはすぐに感じることができた。「Gear VR Innovator Edition for S6」よりも、よりゲームプレイに適したガジェットになったといえるだろう。ちなみに今回のタッチ&プレイでは、新Gear VRをモバイル型VR4Dシステムとヘッドフォン付きで体験できた。VR4Dはまだ市販されていないが、この中で体験するGear VRはまさに別世界。自室にいながら、深海や山の頂上、ライブなど、さまざまな体験ができる、まさに未来のエンターテイメントだ。
VR市場に対するゲームメーカーの反応は?
今回の発表会で気になったのが、Gear VRを通した、サムスン電子ジャパン株式会社と各ゲームメーカーとの提携だ。そこでGame Deets編集部では、発表会で紹介されたゲームメーカーに直接コンタクトをとり、VR市場への取り組みについて聞いてみたところ、以下の返答を得ることができた。
―現在のVRゲームの開発状況について
「現在GREE VR Studioとしては30名体制で、VRゲーム開発に取り組んでいます」(GREE)
「Oculus DK1の時代から、数々のVRコンテンツを受託事業・自社制作として開発しており、現在も開発中です」(面白法人カヤック)
―今後のVR市場への取り組みについて
「VR未体験の方を含めて幅広いお客様に手軽にVRを楽しんでいただけるよう、さまざまな企業様とのパートナシップを通して、コンテンツを展開していく予定です。また、“Social Virtual Reality”をテーマにした「サラと毒蛇の王冠」のように、今後の開発タイトルに関しても、コミュニケーション要素を盛り込んでいくことを検討しております」(GREE)
「幅広いジャンルでの知見を生かし、これからVRゲーム開発に取り組みたいと考えている方のお手伝いをしていきたいと考えております。また、来年から急速に拡大すると予想されるVRのコンシューマーマーケットに対しても、オリジナルのVRゲームを出すべく、企画を水面下で進めております」(面白法人カヤック)
各社とも、2016年からVR市場に活気がくるとの予測のもと、新たなVRゲームの開発に着手しているようだ。今回発表されたGear VRが、VR市場の未来をけん引するガジェットとなるのか。大いに期待していきたい。