世界スマホ市場に回復の兆し!
[以下、リリースより]
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(英文名:Counterpoint Technology Market Research以下、カウンターポイント社)は、世界のスマートフォン市場における2019年第3四半期は、ほぼ横ばいで3.80億台となり(第2四半期は3.798億台)、端末メーカーの中でもHuawei、Realme、Samsungがグローバルシェアを伸ばし、インドと中国の需要が大きくなった為、7か月連続の前年同月比割れを9月は回避したという調査結果を含む最新調査を発表致しました。
スマートフォン市場の回復基調について、カウンターポイント社のリサーチアナリストShobhit Srivastava氏は以下のようにコメントしています。
「世界のスマートフォン市場は、長く続いた前年同期比割れを、2019年第3四半期には回避できた。これは、インドと中国での出荷が増加したことによる。この2か国は携帯バリューチェーンの各企業がもっとも注目する市場である。インドでは、今年のディーワーリー(1週間にわたるヒンドゥー教のお祝い。買い物が縁起がよいとされる。)に備えて、メーカー各社は早くから準備を進め、健全に流通在庫を増加させた。また中国では、Huawei、OPPO、それにvivo(HOV)が10月の国慶節の大型連休前に需要が増えた恩恵に預かったこともあり、市場は6%成長した。この市場の成長と次の四半期の年末商戦で、スマートフォン需要はこの下期には昨年比増加に転じることになるだろう。」
図:スマートフォン出荷シェア 2019年第3四半期
注:出荷数量は再生機を除く
Huaweiは市場が縮小傾向の最中、世界シェアを4%伸ばしました。
Huaweiの成長が続いていることについて、カウンターポイント社のアソシエイトディレクターTarun Pathak氏は、以下のようにコメントしています。
「米国の取引禁止をうけて6月には先行き不透明であったものの、結局2019年第3四半期の同社の出荷と成長には影響はなかった。Huaweiは海外でのシェア落ち込みを、国内市場への攻勢でカバーする作戦が的中した。米中経済摩擦の渦中にあるHuaweiへのナショナリズム的な感情と、同社の積極的なマーケティング戦略とによって、中国国内の消費者の心も、実際の市場も、ぐっと掴むことができた。一方海外では、欧州、ラテンアメリカ、中東などでGoogleのサービスを搭載した新機種を欠くことで生じた隙間が広がりつつあり、これが特にSamsung、Xiaomiらにとって好機となって、Huaweiのシェアを奪っている。好調とはいえ、Huaweiは国内の在庫レベルに十分気を配る必要がある。市場が素早く5Gに切り替わるとシェアへの影響が出かねない。」
その5Gの進展について、カウンターポイント社のリサーチディレクターPeter Richardson氏は以下のようにコメントしています。
「直近12か月のキャリアおよび端末メーカーの5Gへの対応は、4Gのときよりも速く、この先2020年にかけてさらに加速すると思われる。2019年第3四半期に5Gスマートフォンは既に市場の2%になっており、前期比200%の成長である。中国では既に5Gサービスが始まっており、その市場規模ゆえに、2020年は5G立ち上がりの年となるであろう。それが、減速傾向にあったスマートフォン需要に対する触媒となるとともに、もともと上昇傾向にある平均売価(ASP)がさらに押し上げられることは確実である。」
キーポイント
- トップ3社のSamsung、Huawei、Appleを合わせるとスマートフォン市場の約半分を占め、その残りに数百の企業がひしめいている。
- Samsungは前年同期比8.4%の成長をみせ、世界のスマートフォン市場の1/5強を獲得した。
これには、Note 10とGalaxy Aシリーズが貢献した。
商品ポートフォリオの見直しによって、利益率も改善した。
この勢いを維持するため、5G対応機種を含む、新型のAシリーズを引き続き投入する予定である。
Huaweiが海外市場を失ったことは、当面Samsungにとって大きなチャンスである。 - Huaweiは世界で前年同期比28.5%の好調な伸びをみせ、中国市場については4割のシェアを記録した。
積極攻勢をかけつつも、同社は中国と欧州での第4四半期の在庫レベルを注意し続ける必要があろう。 - AppleのiPhoneの出荷は4%減少し、売上は前年同期比11%減少した。
最新のiPhone11に対する高評価が四半期の終わりに見えてきており、年末商戦に向けて明るい兆しである。
米国での予約注文と発売第一週のデータからは、アーリーアドプター層がiPhone Pro MaxやiPhone Proのほうを多く購入していることが伺える。
いずれにせよ、iPhone 11は素早く立ち上がり売上ランキングに登場した。
Appleが行った、中国でのiPhone 11とXRの価格改定と、カラーバリエーションの追加とによって、9月最終週に需要を喚起し、それまでの急な売り上げ落ち込みを補った。 - Realmeは前四半期に続き、最速で成長した企業となった。
世界市場でのランキングも、登場以来、着実に上昇している。
同社はこれまでのところ最も速い成長を遂げている。
インドで好調なこと、それに海外展開の加速が同社の成長を支えている。
これで、4四半期連続で、インド市場でのトップ5メーカーにランクインした。 - BBK Group(OPPO, Vivo, Realme, OnePlus)は世界最大のスマートフォン製造グループになりつつあり、世界のスマートフォン市場の20%強を占める。
グループのうち3社がトップ10入りしている。 - 市場はさらに集約が進んでおり、トップ10社のシェアは昨年の78%から83%へと増加した。
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