BFBチャンピオンズ 【ゲームレビュー】

とあるプロクラブの監督となり、世界中のプレイヤーと気軽に戦えるサッカーゲーム『BFBチャンピオンズ』が登場。自由度の高い育成要素とグラフィックに注目の本作だが、海外サッカーファンでもある筆者がその魅力を紹介する。

地球規模の戦略戦を存分に楽しめるサッカーゲーム

『BFBチャンピオンズ』は、大人気サッカーゲーム『BFB 2016』を正統進化させた続編タイトルだ。

プレイヤーは、あるアマチュアチームの監督。そして、プロ・アマチュアの頂点を決めるナショナルカップで、アマチュアチームながら決勝戦まで駒を進めるというのがゲーム開始までのストーリーとなっている。

優勝を決める決勝戦前半。プロ相手に2点の差をつけられ、絶望する選手たち

この状況においても、決して勝利をあきらめていないキャプテンと監督。臨機応変な采配で、ポジションをガラリと変える作戦に

この戦術が光り、見事大逆転! チームを優勝へと導くことに成功する

試合後、その采配力を買われてスカウトにプロの監督になるように勧誘される

すぐに契約を交わし、チームをゼロから組み立てることに。プロ監督としてのキャリアを積みながら、最強のクラブを作り上げよう。

ひとクセあるユニークな名前も魅力の選手たち

本作には、世界で活躍中の選手をモデルとした選手が多数登場する。それぞれの顔は、ひと目で「あの選手だ!」と分かるほどの再現力。

あくまでもモデルなので、その名前は顔を知っている選手とは微妙に違っている

「せっかくだから本物の選手でチームを組みたい。」と思う方も多いかもしれないが、本作の名前もじりのセンスは実に秀逸。

モデルとなった選手を知っていれば知っているほど、見た瞬間にクスッと笑えるようなネーミングとなっている。もじられた名前だからこその面白さもあるので、ぜひ一度プレイしてみることをおすすめする。

現在ドイツで活躍中の選手によく似た「J・ナエルンデス」。いかにもやる気がなさそうな名前だが、プレイは一線級だ

ギグス以来の逸材といわれた選手を想起させる「A・J・ムラジー」。攻撃面での活躍に期待しよう

よく見ると、名前の後ろには「’16」「’08」といった年代が添えられているのがわかる。活躍した年が複数ある選手であれば、年代ごとに顔つきや「選手力」が違ったバージョンが用意されているのだ。

本作のイメージキャラクターにもなっている「マラドーナ」は正真正銘のマラドーナ。多くのサッカープレイヤーにも大きな影響を与えた「神の子」のプレイは必見だ

選手の成長は監督次第

選手力とは、一般的にはステータスと表現されることの多い、選手の強さや得意なことを数値として表したもの。

選手力は「決定力」「アシスト」といったサッカーではおなじみのワードから、「ビジョン」など、聞いただけではよく分からない十数項目に分けて示されている

日々の試合や練習を重ねることで選手は経験を積んでいき、一定以上の経験値がたまるとレベルアップする。

しかし、レベルアップするだけでは選手力はまったく変わらない

多くのスマホゲームでは、レベルを上げるとステータスの数値が上昇していくが、本作ではレベルアップでもらったすべてのポイントを、自分で好きな項目に割り振るシステムが採用されている。

そのため、合計値こそ変わらないが、最終的な選手力はプレイヤー次第。長所を伸ばすもよし、バランスよく割り振るのもよし。他プレイヤーと同じ選手でも、中身はまったく違う特長をもつ選手に育てあげることができるのだ。

「どう上げていけばいいかわからない……」という方も「秘書アドバイス」をタップすれば、その選手の特徴を生かした育成方法を教えてくれるので安心して楽しめる

チーム全体のスピードを重点的に育成して、相手を速さで翻弄するチームに仕上げたり、オフェンス面をがちがちに強くして、マイボールとなればほぼ確実にシュートを決められるチームにしたり……など、育成方針は無限に広がっている。

選手の器用さまで表現!?

現実のサッカー選手には、複数のポジションを得意とする選手や所属しているクラブによってポジションを変える選手もいる。

そんなポジション適性力をリアルに表現しているのが「ポジション適性グラフ」だ。

その選手が得意なポジションほど、色が濃く塗られている。薄くても少しでも色が塗られていれば、そのポジションにも適性があることを示している

選手たちのグラフを見比べると、とても広いポジションを担当できるユーティリティー性の高い選手から、1カ所のポジションを極めている職人のような選手がいて、ポジション適性には選手の性格までにじみ出ているように感じた

飽きのこない試合シーン

サッカーゲームのメインとなるのは、なんといっても「試合」だろう。

本作の試合はプレイヤーが監督ということで、求められる操作はハーフタイム中の途中交代のみ。あとは育てた選手を信じて応援することになる。

双方のゴールチャンスシーンが目白押しの、まるでテレビでハイライト映像を観ているかのように試合が進行していく

各シーンは非常にバラエティーに富んでおり、めったに同じ展開になることがない。ゴールを背にした状態から振り向きざまにボレーシュート! といったテクニカルなシュートが観られることも

各選手が持つスキルが発動すると、ボールが青いオーラをまとう。さらにボールのスピードがアップし、試合展開が高速化。試合をさらに白熱した内容にしてくれる

一度だけ試合中に介入できるハーフタイム。ここでは、選手の疲れや試合の展開から選手交代やポジションの見直しを考えよう。

各選手のアイコンに表示された下向きの矢印は、その選手が疲れている証拠。交代しないとケガをする! といったことはないが、普段どおりのパフォーマンスは発揮できない状態だ

試合中、選手はなんと最大5人まで交代できる。交代タイミングが限られているせいか、一般的な交代人数の3人より多い設定となっている。

ベンチに登録できる選手が5人までなので、交代枠をフルに使えば、登録した全選手を試合に出すことも可能だ。

バラエティーに富んだ練習メニュー

試合に出場するすることでも選手たちは少しずつ成長していくが、より効率よくパワーアップできるのが「練習」だ。練習メニューは5種類も用意されており、それぞれ特色ある方法で選手を鍛えられる。

「デイリー練習」と「個人練習」は、プレイヤーの操作でサッカーにちなんだミニゲームに挑戦し、その結果によって選手を成長させていくモード。

またデイリー練習では、日によって変わる練習でクリア条件を満たすとアイテム(コーチ)が獲得できる。

今回挑戦したのは「クロス&フィニッシュ」。さまざまなスピードのセンタリングに合わせ、タップでシュートを決める練習だ

個人練習は、リフティングゲームで集中的に1人の選手を育成できるモードとなっている。

制限時間内にタイミングよくボタンをタップし、とにかくリフティングをつなげまくろう。「Trick」ゲージを使用して、一定時間スコアを稼ぎやすいアクロバティックなリフティングをすることも可能だ

ほかにも「全体練習」「コーチ練習」に「留学」と、あらゆる方法で選手を育成できる。

残りの3つの練習は、プレイヤー自身の操作をほとんど求められないもの。全体練習では、練習中に入るカットインで同じ図柄が並ぶと練習効果がアップするという、スロットのような感覚を楽しめる

遠くない地球規模の代表戦

本作の魅力の1つである「代表戦」。この試合は「国内予選」「大陸代表戦」「世界代表戦」と続き、勝ち進めば勝ち進むほど海外のプレイヤーと戦うチャンスがあるという、夢のようなオンラインイベントだ。

とはいえ、ひと握りの上級者プレイヤーしか楽しめないのでは……と筆者も思っていたが、代表戦にはグレード制が採用されている。

そのため、同じような進行度のプレイヤーに勝っていければ、たとえ始めたばかりの初心者でも、世界ナンバーワンの座を狙うことができるようになっている。

見事ナンバーワンに輝いたときの達成感は、実際にやってみないと分からない特別なものだ

サッカーが好きなら確実に楽しめるゲーム

筆者は海外サッカーを観戦するのはかなり好きだが、実際に自分がプレイした経験はほとんどない、いわゆる「観る専」。正直、サッカーの細かなルールなどはわからないことも多い。

そんなにわかサッカーファンでも、ある程度選手の名前さえ知っていれば、あとは秘書のアドバイスを聞きながら進めていくだけで存分に楽しむことができる。

数多くあるサッカーゲームのなかでも、初心者への手厚いサポートがなされている作品といっていいだろう。

スカウトした選手が腕組みして現れる瞬間、どのようにネーミングされているかが非常に楽しみ。もしその選手が誰なのかがわからなかった場合、名前をもとにモデルとなった選手を探し出すのも面白そうだ

もちろん日本人選手も、日本代表チームや海外チームに所属したことのある選手が多数登場。

「持ってる」この男も登場。現役選手だけでなく、過去に活躍した選手たちも多数確認できた

国内、海外に関わらず、少しでもサッカーに興味がある方なら誰でも監督として世界を目指せる、サッカーゲームデビューにももってこいの作品に仕上がっている。

自分の好きな選手ばかりを集めたクラブチームで、世界一を目指してみてはいかがだろうか。

  • 使用した端末機種:iPhone 5
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.2
  • 課金総額:0円

(C) 2016 CYBIRD