全身を使ってゾンビを倒せ!
肉体派アクションシューティング
まず、立とう。話はそれからだ。次に周囲を見回せ。最低でも半径1メートル以内に障害物はないか? 最後に他人の目だ。君が突然スマホを振り回し始めたからといって、迷惑を掛けそうな相手はいないか? 自分を不審人物として通報したり、写真を撮ってSNSに投稿したりしそうなギャラリーはいないか?
以上がクリアできたなら、君はソンビに立ち向かうことができる。横向き持ったスマホを、写真を撮る要領で目の前にかざしてゲームスタートだ。
1人称視点でゾンビを倒しまくる『I Slay Zombies – VR Shooter』。このゲームは、実はシューティングではなくアクションに分類されている。主な武器は銃器類なのだが、チェーンソーなどの近接武器も存在するせいだろうか。しかし、なにより「プレイヤーのアクション」を要求するのだから、これは立派なアクションゲームだ。
「プレイヤーのアクション」とは、文字どおり「動く」こと。スマホに内蔵されたジャイロを利用し、見たい方角へスマホを向けることで視界が変わる仕組みなので、プレイヤーは上下左右にスマホを振り回し、その場でグルグル回らざるを得ないのだ。こんなことをさせるゲームはてっきりアメリカ製かと思いきや、開発したHandyGamesはドイツのゲーム会社。ドイツ人はお堅いイメージがあったので、今後は認識をあらためることにする。
周囲360°から迫りくるゾンビたち
ゲームが始まると、プレイヤーは開けたフィールドの中心に立つ。そこへ向かってゾンビたちがワラワラと近づいてくるのを倒し、必要に応じて武器を切り替え、アイテムを補充するのが基本的なゲームの流れだ。
ゾンビたちは動きこそゆっくりだが、自分の周囲360°からわいてくるので油断できない。敵の出現位置が固定ならば、いわゆる覚えゲーとして攻略することもできるが、どうやらランダムで生成されている模様。前方にばかり気をとられていれば背後から襲われてしまうので、グルグル回りながら、敵がこちらに近づく前に倒さなければならない。
操作方法はいたって簡単で、面面中央に固定された照準に、敵やアイテムを合わせるだけ。照準に重なった敵や爆発物なら自動的に銃が発射され、ライフや弾丸などのアイテムなら自動的に取得してくれる。ただし、照準が非常に小さいため、手首や指先を使ってスマホ本体を微妙に動かすという操作が要求される。
初期状態で所持している武器は2種類。そのうちの1つであるショットガンを構えた状態でゲームがスタート。ショットガンは弾数に限りがあり、最初は補充用の弾丸を持っていないので、早々にアイテムを拾うか、弾数無限のマシンガンに持ち替なければならない。それ以外の武器や補充用の弾丸は、倒した敵からのドロップや、フィールド上に配置されたものを拾うことで入手できる。
武器の交換は、足元にある武器に照準を合わせると自動的に切り替えが行われる。予備の弾丸があれば(あるいは弾数が無限ならば)装填も自動でやってくれるのだが、リロード中は完全に無防備になるので注意が必要だ。
なお、フィールド上にあらかじめ配置されたアイテムは、場所や内容が固定となっているようなので、どこに何があるかを覚えれば弾丸補給はさほど難しくない。「街路灯の上」など、けっこうとんでもない場所にポンと置いてあったりする。
武器の出現もランダムではなく、規定数の敵を倒せばドロップするなどの条件が定められている。何度かプレイしたところ、WAVE2に入る直前に必ずスコープ付きライフルが手に入ることに気が付いた。「WAVE」とはゾンビが襲来する区切りのことで、STAGEと同義である。
ちなみに、プレイ中はキャラクターの立ち位置を変えることはできない。試しに自分自身がその場で数歩、歩いてみたが、キャラの位置は同じだった。
問われるのはリアルな意味でのSTR値
本作はタブレットにも対応しているが、正直おすすめしない。画面が大きいのはいいとしても、いかんせん重いからだ。時間を図ってみたところ、スマホでも目の前に保持していられるのはせいぜい5分が限界。足は大丈夫でも腕がつらくなるのである。実は攻略法の1つとして、回転式の椅子に座ってプレイすることも考えたのだが、いらぬ心配だった。
テクニックうんぬん以前の問題として、リアルSTR(筋力)の低いプレイヤーは淘汰される。照準合わせの作業はデリケートなため、腕が疲れてくると操作がうまくいかなくなり、結局殺られてしまうのだ。ゲームの攻略法としてははなはだ遺憾だが、いちばん効果的なのは筋トレかもしれない。
「VRモード」を使えば3D映像で楽しめる
今回プレイしたのはノーマルモードだが、本作には「VRモード」も搭載されている。両眼視差を使って立体的に見せる趣向で、プレイにはダンボール製VRヘッドセット「Google Cardboard」などが必要だ。同種の機器にはさまざまな種類があり、Amazonなどで購入することができる。興味があれば検索してみてほしい。
- 使用した端末機種:ASUS_Z00AD
- OSのバージョン:Android 5.0
- プレイ時間:約1時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
(C) HandyGames