To-Fu Fury【ゲームレビュー】

Amazonといえばネット通販でおなじみだが、最近はゲームアプリの開発も手がけているのをご存知だろうか。Amazon Game Studiosから満を持して配信された『To-Fu Fury』は、なんと日本をテーマにしたアクションゲームだ。

忍者になった豆腐が屋敷で大暴れ

『To-Fu Fury』の主人公は、あの豆腐。海外でも豆腐のことはTo-Fuと言うらしく、アプリ名を訳すあると「豆腐の猛威」ということになる。戦国時代を思わせる和風のお屋敷を舞台に、忍者になった豆腐が俊敏に飛び跳ねながらゴールを目指して進んでゆく。

弾力ある豆腐の躍動っぷりを見よ

障害物を避け、気の玉を集めながらゴールを目指せ

さまざまなトラップが仕掛けられた屋敷を探検し、より短いタイム、より少ない移動回数でゴールを目指すのが本作の目的だ。豆腐を指で引っ張れば勢いよくビヨーンと跳ねていくほか、地面にはいつくばって壁をくぐったりジャンプする際の弾道を変えたりと、多彩な動きが可能だ。

多彩な動くをうまく使い分け、トゲをかわして気の玉を集めながら進もう

ここで「クオリティが高いな」と感じさせられるのは、画面が3D化されていることで視覚的にプレイしやすい点だ。ゲームそのものは2Dアクションなのだが、画面自体は3Dで表現されており、指の動きに合わせてカメラアングルが動く。自分の手で画面が隠れても、下からのぞき込むとちょうどいいアングルで表示されて非常にわかりやすいのだ。

細かい操作性まで、よく練り込まれて作られていることがわかる

1ステージにつき2〜3分で遊べる小刻みな作りになっており、とりあえずゴール地点に到達しさえすればそのステージはクリア。クリアまでのタイムや移動回数を規定以内に抑えたり、気の玉をすべてゲットできたりすればパーフェクトクリアとなる。単にゴールするだけならかなり簡単なので、この手のゲームが不得意な人でも行き詰まらずに遊ぶことができるだろう。

海外発のゲームだからこそ漂ってくる日本の香り

いったいなぜ、豆腐をメインキャラクターにしたのかとツッコミたくなるところだが、ともかくゲーム全体に日本の香りが漂っていて親近感が持てる。屋敷のあちこちに扇子や掛軸が飾られ、和楽器による独特なテイストのBGMも心地よい音色だ。外国人の開発者だからこそストレートに表現できる日本らしさが表れているように感じた。

ステージ選択画面。いろんなお屋敷やお城に潜入して探検しよう

豊富なギミックを逆手にとってどれだけ効率的に進めるか

ゲーム中は障害物のトゲをただ避けるだけではなく、ステージ中に組み込まれた多彩なギミックを利用して進んでいくのが楽しい。主人公を跳ね返す鉄板、動く床、回転扉など、いろんな仕掛けが散りばめられている。いずれのステージも、まさにカラクリ屋敷といったところだ。コレクション要素である「気の玉」も、不規則に空中を漂っていることがあって一筋縄ではいかない。

中には、豆腐自身がぶつかることで障害物となった木をどけるといった仕掛けも。精密な物理演算ですべての動きが計算されており、とてもリアルな挙動になっている。

最大の盛り上がりは敵忍者とのバトル!

ここまでは基本的な概要を紹介してきたが、実はこのゲーム、ただのアクションパズルではない。なんと、ステージには敵の忍者が登場し、主人公の豆腐に向かって多彩な攻撃を仕掛けてくる。そう、本作にはアクションバトルの要素まで含まれているのだ。本来は軽くチョップしただけで木端微塵になりそうな豆腐だが、ここでは勇敢にも忍者を返り討ちにしていくことになる。

主人公は豆腐のくせに石頭? 頭突きで敵の忍者を撃破

ある場所に触れたりすると、敵の忍者が出現して襲ってくる。攻撃を食らってしまうと、それまでに獲得した気の玉が減ってしまうので、体当たりで反撃しよう。遠くから勢いをつけてブチ当たれば一撃で倒せるが、近くからコツンとぶつかる程度ではなかなか敵は倒れない。そんな細かいところからもリアリティが感じられる。

動けば動くほど、タイムも移動回数も増えていってしまう。なるべく一撃で仕留めよう

ヘアスタイルや服装をチェンジ。稼いだコインでおしゃれしよう

ステージをクリアすることで、少しずつコインがたまっていく。これを使って、豆腐なりのファッションを楽しんでみよう。髪型のアイテムや動物に変身できるアイテムなど、ツッコミどころは満載だがとてもかわいいバリエーションのアイテムが取りそろえられている。

これ以外にも、バリエーション豊富な着せ替えアイテムが。こんなに個性的な豆腐がスーパーに置いてあったら、ぜひ買って食べてみたいものだ

コインはかなり早いペースでたまるので、ストイックにステージ周回を繰り返す必要はない。むしろ普通にプレイしながら、自分好みの着せ替えアイテムをどんどん買いそろえることが可能だ。芸者になったりヒョウになったり、タトゥーを入れてみたり……。もはや豆腐と呼べる代物ではなくなっている気がするが、いろんな姿に変身してみよう。全身着せ替えのアイテムと、頭のバンダナだけを変えるシンプルな着せ替えアイテムが多数用意されている。

ゲームの内容自体はシンプルだが
デザインから操作性まで洗練された作品

ゲームシステムなどは古くからあるシンプルな内容だが、プレイしていて非常に洗練された作品であるという印象を受け。「死にゲー」というわけではないが、繰り返し挑戦することを前提に作られているので、失敗しても再チャレンジしやすい。数分で1つのステージをクリアできるので、ちょっとした空き時間に暇つぶしとして楽しみたい方にもおすすめだ。

元気いっぱい、力いっぱいな豆腐を操って、ハチャメチャな冒険を楽しんでみてはいかがだろうか。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0

(C) 2015 Amazon Game Studios