福島にいくきっかけがほしかった
自分は震災直後に現地で役立てる人間ではありませんし、大金を寄附できるわけでもありません。
その代わり、わずかばかりの寄附と、細くとも長く続けられることとして、福島のお米(ミルキークイーン)を買い続けておりました。
しかし、現地に行っていないと思いはあり、福島の地に降り立つ機会はないかと、頭の片隅でずっと思っていました。
そこへ流れてきたのが、「Initio Tohoku Mission」の情報です。Initio Tohoku Missionとは、東北への訪問を促すIngressを活用した復興支援イベント。
昨年9月から世界的に停止されているポータル申請を、福島県、宮城県、岩手県の湾岸エリアで、4月15日(金)から5月31日(火)まで期間限定で復活させるというものです。
参加者には記念メダル「Initio」が付与されるので、この間エージェントを現地に呼ぼう! というわけですね。
もちろん、いちばん大きな狙いは、ポータル探しをきっかけに集まるエージェントによる経済効果です。新しいポータルはキャプチャしたくなりますからね!
割りと期間があるといつどうしようかと思うものですが、4月24日には福島県相馬市、いわき市、宮城県の女川町、岩手県の陸前高田市の4カ所で記念イベントが開催されるというではないですか。
これは訪問する絶好のチャンスだと思いました。
ポータル申請は過去に一度だけやったのですが、却下されたまま(苦笑)。
自分にポータルを生やすセンスがあるかどうかはなはだ疑問でしたが、1つでも申請が通って現地がにぎやかになるなら、それでIngressというゲームを通じて現地が活性化するなら、と思いました。
イベントの情報をしっかり把握したのが開催まで2週間を切ったころ。どこに行くか悩んだ末に相馬市に決定。
あわててホテルを予約し、バタバタしながら前日夜から現地入りしました。
東京駅から新幹線で仙台へ向かい、宮城交通の高速バスで相馬営業所下車というルートです。結果的に非常に楽しい週末になりました。
ポータルを増やして人を呼ぼう!
到着した夜は、夜だからわかるポータル候補はないかとホテル周辺を散策して、5つのポータルを申請しました。
その後やはり同じ理由で現地入りしていた地元AGさんと合流することができ、さらに幸いなことに運営スタッフの方とクロスファクションで(両陣営交えて)お酒を飲む機会も。
相馬のIngressの現状やイベントにかける思いなど、いろんな話が聞けてムネアツに!
翌日は10:00からの集合写真には間に合わなかったものの、記念ミッションを1つこなしたあと、CEOのジョン・ハンケ氏やNIAの製品本部長である河合敬一氏らを取り囲むAGの一行に合流。
ハンケ氏は、途中合流した南相馬行きのバスに乗り込んで参加者を湧かせたあと、「今日はみなさんがキレイだな、面白いなと思っているものを見つけてください。それがポータルになって、日本中、世界中の人がそれをめがけて来る、そんなことができたらなと思っています。そして、美味しいものを食べて、美しいものを見て、そしてお金を使う。それがこの地域に収入をもたらし、助けることにつがるのではないかと私たちは思っています」とあいさつし、面白い、ステキなものを見つけてきてくださいと参加者を激励しました。
サポートセンターでハンケ氏自らポータルを申請
続いて、相馬市駅のすぐそばに開設されていたイベントのサポートセンター「珈琲&ギャラリー志緒里(しをり)」を訪問し、自らそこをポータルとして申請! 非常に貴重な場面に遭遇することができ感激。
ハンケ氏は、Ingress仕様のスペシャルドリンク(ノンアルコール。販売予定)を飲みながら、ゲームと行政とその地域のコミュニティで何ができるかという1つの試みであり、試金石であると説明。
「東北での活動は続けていきながら、そこで学んだことをこの地域で得た知見や学びを適用していけたらいいなと思っています」とも。
最近発表された新しいアノマリー「AegisNova(イージスノヴァ)」の開催地に台南が入っているのも、1つのチャレンジなのだそうです。
もちろん、現在熊本で起きていることも意識されているそうです。
「今はまだ難しいですが、ちょっと落ちついてきたら、東北で学んだことで何かできるのかを考えていくのかなという感じはしています」と語りました。
ほっき飯! アイスまんじゅう! ミートアップ!
ハンケ氏らが移動したあとは、ポータル候補探しとお昼ご飯を兼ねて海側まで車で移動。旅館でほっき飯を堪能しました。
結局昼間は朝から4つ、合計9ポータルを申請することができました。
最後はミートアップ会場へ移動です。受付中には、なんと地元で活動しているレジスタンスの方にあってびっくり! こういうのもIngressの面白いところですね。
開始前には会場入口で販売されていた「アイスまんじゅう」なるものをゲット。こし餡がミルクアイスに包まれているという、非常に濃厚で病みつき間違いなしの味!
福島出身の知人記者も取材の合間に買いにいっていたという名物のようです。
ミートアップでは、ポータル候補の中にアタリがあり、それを申請したAGに景品がプレゼントされるという企画も。私は惜しくも該当なしでしたが、大いに盛り上がっていました。
イベントで申請されたポータル数なんと7,000!
公式発表によれば、4月24日の記念イベント参加者は、陸前高田市 約100名、 女川町 約300名、相馬市 約250名、いわき市 約350名で、全体で1,000名程度とのこと。
記念イベント当日に申請されたポータル数は約7,000ほどで、Initio Tohoku Missionの開始から記念イベント前までにも、すでに約10,000件もの申請があったといいます。
もちろん重複もあるわけですが、ハンケ氏は「たくさんの重複があったところというのは、それだけ重要なところだと思っていますので、そういったポータルを優先的に承認することも含めていろいろ考えています。見過ごされていたものをポータルにしたいというのが我々の思いなので、そういうものを探してしっかりポータルにしていきたいと思っています」と語っていました。
気になるのは、申請したポータルがどれくらいで承認されるかということ。こちらも聞いたところでは“数週間程度”だそうです。
ハンケ氏自ら申請した「珈琲&ギャラリー志緒里」はすでにライブしているそうです。私個人が申請したポータルも、どれか1つでも承認されるといいなぁ。
東北の復興活動がこの先につながる
この5年間、頭の片隅にずっとひっかかっていたことが、Ingressをきっかけに解消されました。でもこれで終わりだとは思っていません。
帰りは知人AGの車で東京を目指したのですが、高速道路を走行中に闇に沈んだ街を見て、忘れてはいけないのだと改めて思わされました。
もし、自分が申請したポータルが承認されたら、やはりもう一度行ってみたいですね。
ポータル申請期間はまだ1ヵ月続きます。すでにライブしているポータルもあるようですし、まだ未発見のポータル候補もゴロゴロしているはず。機会があったらぜひ東北にいってみてください!
(c)Niantic, Inc.