「ワイヤレスジャパン2016」にタオバイザーの後継機「JAGOVISOR」が出展!

2016年5月25日~27日までの3日間、東京ビッグサイトでモバイル、ワイヤレス機器関連の総合展示会である「ワイヤレスジャパン2016」が開催された。今回のイベントでは、「日本Androidの会」が、タオバイザーの後継機となる「JAGOVISOR」を発表。そのセッションの様子をレポートする。

タオバイザーの後継機 「JAGOVISOR」は複数のボタン入力が可能に!

本記事で紹介するセッションは、2016年5月27日に日本Androidの会金沢支部のkinneko氏が行った、「Androidを利用したVRゴーグルとその応用」。

そこでkinneko氏は、日本Androidの会が今まで手掛けてきたVRゴーグルのフィードバックを行い、新作である「JAGOVISOR」の開発進捗について解説した。

日本Androidの会・金沢支部VR部、金沢支部長・VR部副部長のkinneko氏

日本Androidの会VR部は、「VRアプリの開発者を増やす」「VR体験者を増やす」「Androidを使ったVRゴーグルの開発」を目的に発足した。

VR技術が大きく取り上げられるようになった昨年あたりから、VR部の活動も活発になってきている

今までにAndroidの会が開発したVRゴーグルは、「FakeRift」「タオバイザー」「PocketVR」の3種類。それぞれのフィードバックとして、kinneko氏は以下の内容を挙げた。

FakeRift

100円ショップで購入可能な素材で製作された、簡易VRゴーグル。総コストは1,000円程度と安価だが、当時数十万のVRゴーグルに匹敵する性能だとkinneko氏は自負した。

見た目はチープだが、性能は折り紙つきだというFakeRift。それまでVRに外光はNGとされてきたが、ある程度の光は逆に没入感を高める効果があったそうだ

タオバイザー(taovisor)

生産資金をクラウドファンディングで募集し、わずか3日で目標金額に達成したタオバイザー。

Game Deetsでも本機のレビューを行ったが、防水や耐衝撃に優れた素材を使用し、目幅に合わせたレンズ位置も調整可能、かつボタン機能付きと、抜群のコストパフォーマンスを持つ。

タオバイザーの反省点として、思いのほか組み立てがうまくいかなかったそうだ。そのため後継機であるJAGOVISORでは、よりシンプルな作りになっている

PocketVR

タオバイザーの組み立てが難しいという意見を聞き、その日のうちにkinneko氏が作り上げたというポケットサイズのVRゴーグル。

持ち運びに便利なので、発表会のデモなどでよろこばれたそうだ

今までの反省点をすべて吸収したJAGOVISOR

3つの開発済みVRゴーグルの解説の後、いよいよ開発中であるJAGOVISORが登場した。

JAGOVISORは、タオバイザーより大きい34mmレンズを採用。さらに、ゲームコントローラーのような、複数のボタン入力も可能になっている。

また年々、大型化しているスマホに対応するため、スマホをゴーグル内に収める形から、差し込むタイプに変更。ほとんどの機種に対応できるようになった。

製作にはレーザーカッターを使用。パーツの数がタオバイザーよりかなり少なくなり、製作の手間もかからなくなった

ほぼ完成しているが、レンズだけはまだ何を使用するか決まっていないとのこと。国内だと値段的に厳しくなるため、再度、海外にも目を向けているそうだ

JAGOVISORの試作品をレビュー! VRゲームがさらに面白くなる!?

セッションの後、日本Androidの会のブースで、試作品のJAGOVISORを発見。仕様について、kinneko氏に直接うかがってみた。

タオバイザーでは長方形だった形状が、半円形に変化。これは、女性向けに丸みを帯びたデザインにしたそうだ。また、レーザーカッターによる製作効率の向上も理由の一つとのこと

タオバイザーと同じく、JAGOVISORもレンズ位置の調整が可能

試作品でのボタンは3つ。もう3つ追加することも可能なので、計6個までボタン入力が可能になるそうだ。ちなみにボタンにはカバーなどはなく、写真のような形で設置するとのこと。ある程度、防水機能があるので、少しなら濡れても大丈夫だそうだ

今までのVRゴーグルはボタンなしか、あっても1個だったので、ほとんどのゲームは、操作性自体はシンプルだった。

しかし、6個までボタン入力が可能になることで、より複雑な操作が可能になり、VRゲームの幅が広がっていくように思える。

スマホを差し込むソケット部分には、ストッパーにもなるカバーを装着。使用中にスマホが動くと台無しなので、素材にはかなり気を配ったそうだ

kinneko氏がセッションでも発言していたが、レンズだけ、どれにするか決まっていないため、発売日は未定だそうだ。

価格はタオバイザーと同じ、1,500円程度にするそうなので、タオバイザーファンの人は、ぜひ注目しておきたい。

またkinneko氏は、これからの取り組みとして、VRゴーグル以外に、円形ドーム型のVRコンソールを考案しているそうだ。

まだ企画段階なので試作品などはないのだが、人がすっぽり入れるような半円ドームを作り、そこで複数の人がVR映像を見ることができるという。

このVRドームの完成は、来年あたりになるそうなので、今から楽しみにしておこう。