影絵調キャラクターが描き出す悲しく切ない放置ゲーム
『ひとりぼっち惑星』は、人類が滅びた惑星で、ただひとり生き残った「いきもの」となり、宇宙からの声を集めるシミュレーション風のアドベンチャーゲーム。
同じ作者による『ひとほろぼし』と『ひとたがやし』の続編に当たる作品だ。
ジャンルは、プログラムに従ってお互いに壊し合う「ジンコウチノウ」の戦いを眺め、部品を拾い集めていくという、いわゆる「放置ゲーム」。
集めた部品を使ってアンテナを拡張し、宇宙からのメッセージを集めるのがプレイヤーの目的となる。
ジンコウチノウたちの終わりなき戦いを眺めて部品収集
ゲームのメインパートとなるジンコウチノウ戦争では、ジンコウチノウたちが自動でお互いを攻撃し合っている。
プレイヤーの操作は、破壊されたジンコウチノウが落とした部品を指でなぞって集めていくだけ。複雑な操作はほとんどない。
また、プレイヤーは10分おきにマップの中央にある電波塔をタップして、ジンコウチノウを狂暴化させる電波を発信できる。
発信された電波の影響でジンコウチノウ同士の戦いが激化するほか、より巨大なジンコウチノウが出現して、画面内のジンコウチノウを一掃していく。
アンテナを拡張して切ないストーリーを集めよう
アンテナ画面では、集めた部品を使って通信メッセージをキャッチするためのアンテナを拡張できる。
アンテナの拡張にはいくつかの段階があり、1段階拡張するごとに宇宙の声を受信できる。
送られてくるメッセージは全部で6種類あり、宇宙を放浪する人々が遭遇した悲劇のほか、運よく新しい惑星に到着した人からの幸せそうなメッセージなどが確認できる。
中には、どこかゾッとするような後ろ暗い要素を感じさせる雰囲気のものもあり、読み応えバツグンだ。
ジンコウチノウ戦争をさらに激化して部品集めを効率化
機械の部品はアンテナの拡張以外にも、ジンコウチノウ戦争に参加するジンコウチノウを増やしたり、電波で巨大なジンコウチノウを呼び出せる時間を延ばしたりするのに使用する。
新しいジンコウチノウはより強力な攻撃ができるうえ、倒されるともっと多くの部品を落とすので、ジンコウチノウ戦争が激化すればするほど部品が集めやすくなる。
ほかのプレイヤーとの間でオリジナルメッセージを送受信
本作では、ほかのプレイヤーに向けてメッセージを送信したり、逆に受信したりすることも可能だ。
ほかのプレイヤーのメッセージは、アンテナを最大まで拡張すれば受信できるようになる。さらに送信用のアンテナを作成すれば、ほかのプレイヤーにメッセージを送れるようになる。
ちなみに、メッセージは誰に届くかはわからないので、この世界の人になりきってSOSを送るのもよし、ちょっとしたジョークを入れたメッセージを送るのもよしだ
人類滅亡後の地球が描かれ、宇宙から届くメッセージはまるでSF小説を読んでいるかのような本作。
重たいストーリーが展開するので好みは分かれるかもしれないが、ケン・リュウの『もののあはれ』やBoichiの『Hotel』、さらに映画『アイアムレジェンド』や『インターステラ―』といった終末もののSF作品が好きな人には必ず心に刺さるだろう。
基本は放置で気軽にプレイできるゲームなので、少しずつメッセージを集めて、SF短編小説集を楽しむように遊んでもらいたい。
- 使用した端末機種:iPhone 6
- OSのバージョン:iOS 9.3.2
- プレイ時間:約3時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0
- 課金総額:0円
(C)Shogo Senouchi