スマホゲーム化にあたって発生した問題とは?
『モンハン』といえば、日本でも屈指の人気アクションゲーム。
スマホゲームで出すにあたり、どのような苦労があったのかが今回の公演で明かされた。
複雑な操作をどうするか
モンハンの魅力の1つとして上げられるのが、多彩なアクション。
PSPやニンテンドー3DSだとボタンが多いため、アクションの割り振りも比較的容易だが、スマホで実現するには、複雑すぎる難点がある。
そこでカプコンが出した結論は、
- 片手で操作できる縦画面化
- カメラ・コンボの自動化
- オリジナルのヴァーチャルスティックの用意
だったという。
PSPや3DSでは「モンハン持ち」が編み出されるほどアクションが多彩であるが、MHXRではそれを大幅に簡略化。
コンボを連打で自動化、さらに特徴的なアクションのみに絞り込むことにより、極限まで操作をシンプルに落とし込んだそう。
しかし、シンプルにした分、単調にならないように、各武器をMHXRへのカスタマイズし、さらに「武技」も追加している。
また、家庭用シリーズでは1回のクエストに20分程度かかるが、スマホゲーム化にあたってこれも大幅に短縮。
モンスターの狩猟のみに目的を絞ることにより、気軽にプレイできるようプレイ時間を短縮したという。
また、何より画期的だったのがMHXR独自のヴァーチャルスティック。
どこを押せば移動、攻撃、防御ができるのかがわかりやすいUIになっていて、オプションでさらにカスタマイズも可能。
このように、さまざまな工夫、技術が盛り込まれ、スマホ最高峰ともいえるアクションゲームが誕生したわけである。
開発後半に決まったマルチプレイ
本作は、当初はソロ専用として開発されていたが、やはりモンハンといえばマルチプレイは外せない。
開発の後半に、急きょマルチプレイの実装が決まったそうである。
さまざまな精鋭スタッフが集まっていた開発チームではあったが、サーバーエンジニアはおらず、1から覚えながらのサーバー構築になっていったそう。
家庭用のシリーズから通信のタイミングや方法を変えることにより、スマホの回線でも不自然にならないようにマルチプレイをできるようにしたとのこと。
そして、マルチプレイ化にあたって最大の障害となったのが、サーバー問題。
家庭用ゲーム機であれば、それぞれソニーや任天堂運営のサーバーがあるが、スマホゲームの場合は自分たちで用意しなければならない。
そこで開発チームは、サーバーサイドJavaScriptのnode.jsを使い、いろいろなことを調べつつ対応していったとのこと。
そこから、開発チームで実際にユーザーのプレイ環境を再現してのサーバー負荷試験を行い、サーバー分割を経て同時接続15万を達成。
耐久試験も無事にクリアし、なんとかAndroid版はリリースできたそうである。
iOSリリース時に緊急メンテ、大炎上
しかし、問題はその後。Android版から1ヵ月後のiOS版リリース時には、過負荷によりサーバーが停止。
サービスを継続不可能な状態になり、開発チームは対応に追われた。
10月2日~7日にかけて、不眠不休での緊急クエストが発生したそうだ。
このあと、さらなるサーバー水平分割などを経て、10月7日にようやくサーバーは安定したそうである。
MHXR1周年に向けてさまざまなイベントを予定!
まもなくMHXRは1周年ということで、最期には大型コンテンツ、大型アップデートが用意されていることが発表された。
近く、情報を公開するそうなので、ハンターのみなさんは期待して待とう!
CEDEC2016
- 日程:2016年8月24日(水) ~ 8月26日(金)
- 会場
パシフィコ横浜 会議センター - 主催
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA) - 共催
日経BP社 - 予定セッション:200
- 後援
経済産業省
横浜市
一般社団法人情報処理学会
人工知能学会
NPO法人 ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)
日本バーチャルリアリティ学会 - 協賛
<プラチナスポンサー>株式会社Cygames
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<シルバースポンサー>株式会社ディー・エヌ・エー、任天堂株式会社、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
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