信長の野望・創造【ゲームレビュー】

コーエーテクモゲームスの誇る『信長の野望』シリーズの最新作がスマホでプレイできる!他のゲームアプリとは一線を画すゲーム内容の濃さが特徴の本作は、PCや家庭用ゲーム機と同様の内容がそのままスマホでプレイできるようになっている。歴史シミュレーションゲームファン待望の超大作だ。

シリーズ30周年記念作『信長の野望・創造』がクラウドゲームとして配信

PC、PS3、PS4、PSVita向けにもリリースされている『信長の野望・創造』は、シリーズの30周年を記念して制作された第14弾タイトル。戦国時代を彩る有名武将たちを率いて天下統一を目指す、壮大な歴史シミュレーションだ。

本作は「Gクラスタ」を介してプレイすることになるのだが、これは「Gクラスタ・グローバル」のクラウド型配信技術のことで、プログラムのインストールなしで各端末にコンテンツが提供される仕組みとなっている。端末の性能を問わず、高品質かつ高レスポンスでプレイできるのが特徴で、スマホ自体に過重な負担を掛けずにスムーズなゲームプレイが可能になっている。

超リアルな3D表示のマップで、歴史上の戦いを体験

本作はシリーズ30周年記念作品というだけあって、3Dで表示される1枚図の日本全国マップをはじめ、グラフィックやイベントなどが従来よりも大幅にパワーアップ。「新時代の創造」をコンセプトに、プレイヤー自らが新しい世界の創造を目指していく。

過去作と同様に、戦国大名の中から1人を選んで全国統一を果たすことが最終目標ではあるが、「個人」よりは「勢力」にスポットが当てられている。例えば、織田信長は新時代の創造を目指した男としてクローズアップされているが、その勢力の特徴となる「創造性」や「主義」などの概念がより重要な要素となってくる。

オープニングをはじめ、超美麗なグラフィックのムービーが随所に挿入されている。他機種版と比べてもまったく遜色はない

メインとなる画面は、前作や前々作と同じく3Dの1枚マップ。画面左の各コマンドで、内政や外交、戦(いくさ)を指示していくのはこれまで通りだ

より進化したゲームシステムの数々

本作では、1年を12ヵ月に区切り、ひと月を1ターンとして内政や外交、合戦の指示を出す「評定」中のターン制のシステムと、指示を実行しながら時間が経過するのを待つリアルタイム制を融合させた、「半リアルタイム制」が採用されている。また、実在した有名武将以外のオリジナル武将の作成や、シリーズ最多の300以上の城がプレイヤー次第で発展していくことなど、これまでのシステムと新システムが交り合ったゲームシステムとなっている。

スマホ版では、他機種版では有料となっている追加シナリオが最初からプレイできるのもうれしいポイント。さらに、すべての城を支配する武力統一のほかに、武力に頼らない平和統一政策の「惣無事令」でエンディングを迎えることもできる。「惣無事令」で統一を果たした場合には、自勢力の主義に応じたマルチエンディングが用意されている。

内政のメインとなるのがこの3つの項目。まずはお金を増やし、兵力を充実させていくのが基本だ。1つの城に対して、1カ月に1つの指示を出すことができる

その月が終わると、収支報告を受けて次の月へと進んでいく。収支だけではなく、武将たちのレベルアップや能力の追加もここで確認できる

ゲーム中にシナリオ「戦国伝」が表示されることにも注目。これを受けると、そのシナリオに向かってプレイすることになるので、いい目標となる。シナリオは複数受けることができて、進行状況は一覧で確認できる。多数用意されている「戦国伝」のクリアを目指そう

さまざまな指示を出す「評定」の最中はターン制で、時間が止まっているが、その月を終わらせるとリアルタイムで時間が進行していく。進行の速度は3段階に変更でき、進行中に指示した行動が行われる。合戦中にはその状況も確認可能だ

スマホ版をプレイするときのポイント

■最初は「お試し」で遊んでみる

本作は基本的には有料アプリだが、最初の15分間は無料でプレイできる。動作確認のためにも、まずは「お試し」でプレイしてみよう。アプリの価格はそれなりに高額なので、動作に問題がなく、ゲーム内容を気に入ったら購入するのがいい。ちなみに15分間の「お試し」は、最初からにはなってしまうが、何度でもプレイできる。

最初にゲームを立ち上げると、このタイトル画面となる。いきなり「購入」はしないで、「お試し」で動作確認とゲーム内容のチェックをしておこう。チュートリアルは「お試し」の15分で終わらせることができる

■Wi-Fi通信でプレイする

ゲームプレイ中は常に通信が行われているので、3G/LTE回線だと膨大なパケット通信が発生してしまう。そのため、Wi-Fi通信が可能な環境でのプレイは必須だ。

■快適にプレイするにはスマホ用タッチペンが便利

他機種版と遜色のないゲーム内容ではあるが、それだけにスマホの小さな画面だとプレイしづらい部分もある。戦略シミュレーションだけにコマンド入力がメインとなるが、スマホの画面だと各コマンドが小さくて、指での操作だとタッチミスが頻発してしまう。画面の拡大もできるが、いちいち拡大するのも煩わしくなってくるのは事実。そこで推奨したいのが、市販されているスマホ用タッチペンだ。筆者の場合、GALAXY Note Edgeでプレイしたので、付属のタッチペンでの操作に切り替えた途端、嘘のようにスムーズにプレイできた。持っている端末に対応しているタッチペンがあるなら使ってみよう。

メイン画面左側のコマンドの他にも、見たい城を瞬時に表示させる「ジャンプリスト」がコマンドの下に並んでおり、各城の名前や兵士数を表示させる「戦略情報」、敵城の状態が解る「外交情報」、道のつながりが分かる「地図情報」や、「戦国伝一覧」、「情報一覧」、セーブやロードなどの「機能」コマンドがある。見てのとおりかなり小さいので、これを指でタップするのはけっこう大変だ

画面をかなりの大きさに拡大することもできるのだが、拡大せずにタッチペンで操作した方がストレスは少ない

1983年に本格的な戦略型歴史シミュレーションとして登場した『信長の野望』シリーズの最新作を、スマホでプレイできるのはファンにとってはたまらないはず。それも、スマホに合わせて単純に簡略化したようなゲームではなく、他機種版と同等の内容だというところもポイントが高い。「Gクラスタ」の公式サイトではPDF形式のマニュアルも見られるので、一度のぞいてみるいいだろう。

また、筆者がプレイしている間は、AndroidとiOSともに、ストアのユーザーレビューにあるような強制終了やエラーはまったくなかった。料金が高いのが難点ではあるが、それだけの内容はあると言えるだろう。

  • 使用した端末機種:GALAXY Note Edge / iPhone 6s
  • OSのバージョン:Android 5.0.1 / iOS 9.0.2
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.0

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