VIVEに迫る可能性を秘めたモバイルVR「LINK」を体験
HTCの最新モデル「HTC U11」が、7月14日にKDDI、沖縄セルラーより発売される。
本イベント「au HTC users’ meeting」は、発売前のHTC U11や、同機種が対応するモバイルVRデバイス「LINK」にユーザーが触れることができる貴重な場となった。
HTC U11は、本体の側面を「握る」という新しい操作体験を可能にした「エッジ・センス」や、DxOMarkモバイル部門で過去最高得点を記録したカメラ、ユーザーごとにサウンドをパーソナライズするUSB Type-C接続イヤホンが付属するなど、魅力あふれるスマートフォン。
会場には、これらの特徴を体感できるアクティビティや、HTC U11とケーブルで接続して使用するVRデバイス「LINK」の体験コーナーが用意されていた。
LINKは、HTC U11とUCBケーブルで接続して使うVRデバイスで、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)そのものにディスプレイが搭載されているのが従来のモバイルVRデバイスと大きく異なるポイント。
接続したHTC U11がHMDに収納されるわけではないので、ポケットに入れておくことになる。
また、同じくHTCが発売しているPC向けVRデバイス「HTC VIVE」と同様に、位置をトラッキングしてVR空間内を動き回る体験ができるルームスケールVRを、モバイル向けながら実現している。
今回体験できたのは、VR空間で行うブロック崩し風のゲームコンテンツ。
LINKの特性を体験するためにデモコンテンツといった感じだが、スマホで動かすVRコンテンツとしては映像もキレイで、何より動けることが新鮮に感じられた。
ディスプレイに出力される映像は、片目あたり1,080×1,200ピクセルでリフレッシュレートは90Hz。
この仕様は、HTC VIVEと同じ数値であり、LINKはPCで体験する高品質なVRコンテンツと同じ映像を出力できる性能を秘めていることになる。
PCとスマホ(HTC U11)では、CPU性能に差があるため、PCのスペックをフルに活用するコンテンツをそのまま移植することは難しいと思われるが、それに近しい体験ができる可能性もじゅうぶんあるだろう。
イノベーションで世界を狙うHTC
この日は、イベント開始に先立って、HTCのグローバルセールスプレジデントおよび最高財務責任者であるChia-Lin Chang氏とのメディアブリーフィングも行われた。
HTCは創業から今年で20周年を迎え、イノベーションを起こし続けていく戦略ポケットPCやワイヤレスPDAなど、さまざまな製品を開発・発売してきた。
日本においては、他社に比べて知名度が低いが、コアなファンが付いている印象だが、Chang氏は日本は難しい市場であると捉えているのだという。
世界に目を向けると、スマートフォンはエントリークラスからミドルレンジ、ハイスペックなフラッグシップモデルといった幅広いレンジで人気の製品が生まれているが、日本はiPhoneなどのハイスペックなモデルにしか注目が集まりにくい傾向があった。
そのため、競合するメーカーの製品と差別化を図ることが難しいのが、日本のスマートフォン市場というわけだ。
日本はブランド力がマーケットを左右しているとし、HTCでは製品のラインアップをある範囲に絞っていく戦略をとっているとのこと。
具体的には、エントリーレベルの製品に強みを持っていないため、フラッグシップモデルに絞った結果、今回発売するHTC U11のような製品が生み出されている。
また、ミドルレンジにも何らかのイノベーションを載せて、エンドユーザーがイノベーションを感じられる製品にフォーカスしていく戦略を、日本を含めたグローバルで展開していくようだ。
HTCにとって難しいマーケットである日本で、今回、LINKを日本限定で展開する理由としては、日本が新しいイノベーションや新時代のものをいち早く取り入れていくマーケットだと捉えていることが挙げられた。
Chang氏は、一貫して「イノベーション」というワードを使って、製品・戦略のアピール。HTC U11、LINK以降も展開されるであろう製品に期待しよう。
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