いつもと違う「陰」のイメージで魔女を演じた森なな子さん
8月7日(月)にリリースされたRe:アクションなりきりRPG『ミトラスフィア』。声優界のレジェンド・野沢雅子さんの出演も話題となっている本作だが、その大きな特徴となっているのが「なりきりボイス」だ。
なりきりボイスは、プレイヤー同士でコミュニケーションをとる際に、さまざまな定型文を豪華声優陣のボイスで発声できるというもの。
釘宮理恵さんの「ツンロリ」や細谷佳正さんの「熱血」など、自分のイメージにしっくりくる多彩なボイスが選び放題だ!
今回インタビューさせていただいた森なな子さんは、このなりきりボイスに加え、ストーリーの鍵を握るキャラクターの1人「ザリチュ」を演じている。
森なな子さんの演じるキャラクター
ザリチュ
魔女。かつてジョバリの民に信仰されていた女神だったが、現在は狂暴化し、「木像化」の呪いでジョバリの民を苦しめている。
身体から生えた植物のツルで切り裂いたり、地中から植物を突き出させたりして攻撃を行う。
森なな子さんにインタビュー!
映像を見て「海が空にある」が理解できた
――収録お疲れさまでした。事前にゲームの資料などを見て、どのような感想を抱かれましたか?
森なな子さん(以下、森):以前、PVのナレーションを担当させていただいて、その際にいろいろと見せていただきました。
ファンタジーということで、きれいな世界だなと感じました。背景とかも繊細で、すごく凝ってますよね。
――ゲーム画面を見て、何か気になった点はありましたか?
森:海が空にある、というのを言葉で聞いたときには、よくわからなかったんです。
けれどPV収録時にそれを絵で見せていただいて、「あーやってみたいな」と思っていたところに役をいただいたので、すごくうれしかったです。
「ザリチュ」らしさが上から目線で出せた
――今回演じられたザリチュは、森さんの目から見てどんなキャラクターでしょうか?
森:今まであまりやったことのない感じだな、という印象です。
クールビューティー風のキャラクターは今までにも演じたことがあるんですが、陰と陽でいえばどちらかというと明るいアネゴとか、陽のキャラクターが多かったんです。
でもザリチュは、見るからに陰じゃないですか。
しっとりとしていて、しかも暗い感じで、「これは新しいな」と思いました。
――ザリチュを演じるにあたって、どのような点に気をつけましたか?
森:気を抜くと、すぐに明るくなっちゃったり……。
収録中も何度かご指摘いただいたんですけれど、抑えてというか、陽寄りではなくて陰の方にいくように気をつけながら演じました。
――苦労したセリフやお気に入りのセリフがありましたら、教えてください。
森:高笑いするようなセリフがいくつかあるんですけれど、それはすんなりいったんですよね、何も考えずに(笑)。
「お前は何も見えていない……龍に飲まれた、哀れな子」という長めのセリフがあるんですが、すごく上から目線で、ザリチュらしさが出せたのではないかと思います。
自信があるといったらアレですが(笑)、好きなセリフですね。
――もしザリチュが森さんの身近にいる人物だとしたら、お友だちになれますか?
森:あのですね……なれるかといったら、それはちょっとわからないです(笑)。
もしザリチュが実在したら絶対に人見知りだと思うんですけど、私はそういう人からも声をかけられやすい存在になりたいですね。
「森だったら話せる」といった感じでありたいな、と思います。
なりきりボイスは剣城あきらのイメージに近い?
――さまざまな会話で使われることになる「なりきりボイス」ですが、森さんの担当は「守り人」です。演じるうえで難しい点などはありましたか?
森:こういうのは初めてですね。新鮮でした。わりとやりやすいというか、自分のトーンでやらせていただきました。
――収録スタッフからはどんな要望がありましたか?
森:それは、いっぱいありました(笑)。
先ほどもお話したように、明るい役やきっぷのいいお姉さん役が多かったのですが、「全体的にそちらではない、落ち着いた雰囲気で」と。
どうしても、気を抜くと「カーン」といってしまうので(笑)。何回かリテイクがありました。
――過去に演じたキャラクターをだぶらせながら演じるということはありましたか?
森:ちょうど今、アニメの『キラキラ☆プリキュアアラモード』でキュアショコラ(剣城あきら)の役をやらせていただいていて、ちょっと珍しい高校生のプリキュアなんです。
あきらは年上で、母性のキャラクターということで、けっこう落ち着いた感じで演じさせていただいています。
それがもしかしたら、今回のなりきりボイスに近いかもしれません。
――なりきりボイスで、苦労したセリフはありましたか?
森:いっぱいありましたよ(笑)。ザリチュよりセリフの数が多くて。気になったのは「世界は奇跡で満ちている……」ですね。
とても前向きなセリフで、お気入りというか、とても記憶に残っています。
気持ちを前面に出してしまうと、またキャラクターが変わってしまうので、落ち着いた感じをキープしつつというのが、私の中で少し難しかったです。
異世界に行ったら絶対に魔法使い!
――お使いになっているスマートフォンは何ですか?
森:ずっとiPhoneです。
――プライベートでスマホゲームはプレイされますか?
森:あまりやるヒマがなくて(笑)。おうちに帰っても、何かしら仕事のチェックがあったり……。
移動中も、スマホを見ずにずっと音楽を聴いていることが多いです。
――もし森さんが突然ファンタジー世界に迷い込んでしまったら、どんな職業で活躍したいですか?
森:絶対に魔法使いですね。何かしら融通が利くし、楽しそうじゃないですか。
いつも思うんですけども、やりたいことと、周りに求められることがちょっと違うなって。
たぶん、剣士とかそっち系と思われているんじゃないかな(笑)。
――戦ってみたいモンスターや、見てみたいモンスターはいますか?
森:私は宝塚歌劇団に入る前はけっこうゲームが好きで、『ファイナルファンタジー』とか『キングダムハーツ』をよく遊んでいたんです。あとは『バイオハザード』とか。
そのときに印象的だったのが召喚獣だったので、戦ってみたいというか自分で使ってみたいですね。
架空のクリーチャーとかを見るのは好きなんです。
生々しいのも好きですね(笑)。ボコボコにしたり。『バイオハザード2』では、ウイルスで人の形をとどめていないモンスターがどんどん出てくるので、これも好きです。
――逆に、苦手なモンスターや生き物は?
森:虫系……、イモムシ系が特に無理。この間、マンションのゴミ置き場に黒いヤツが出たので、住人を代表してヤりました。すごく勇気がいりました!
――日常生活の中で「これってファンタジー?」のように感じた、不思議な事件や出来事があったら教えてください。
森:この間、別の現場でいわれたことなんですけど、私ってやりたいことや願いがいろいろと叶っているんですよ。
宝塚に入れて、声の仕事をいただけて、そういうこと自体がファンタジーだなって最近思います。
――声優という仕事を意識したのはいつ頃ですか?
森:声優は、宝塚に入る前からずっとなりたいと思ってました。「月刊アニメージュ」にハガキを送って採用されたりしましたよ。
自分の興味のあることをやらせていただいて、今生きているということがファンタジーだなと思います。
もちろん苦労もありますが、ありがたいです。人生そのものがファンタジーですね。
――それでは、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
森:ザリチュの場合は、私があまり演じることのない「陰」の部分を持ったキャラクターで、いろいろと挑ませていただいたので、ぜひごひいきにしていただけるとうれしいです。
なりきりボイスの方は「森感」がすごく出ていると思うので、ぜひたくさん使って遊んでください。
――本日はありがとうございました。
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