HIPHOPのリズムに合わせて駆け抜けるリズム+アクション
コンシューマゲームの表現力がまだ乏しかったころ、主流のゲームはアクションあるいはシューティングばかりで、何事もゆっくり考えるのが好きだった筆者は、これらが大変苦手だった。その後、1980年代半ばにRPGブームが来て、なんとか流れに乗れるようになったが、当時は高価だったPCでゲームをプレイしている友人が、シミュレーションとかRPGを遊んでいるのを見て、大変うらやましく思ったことは覚えている。
そんな少年期を送ったので、今でもジャンプアクションは苦手なのだが、本作『Street Boy』はキャラクターがアクションが「ジャンプ」と「攻撃」だけと大変シンプル。これらならば何とかなるかと、リハビリをかねて遊んでみた。
なかなかのバッドボーイぶりである
パーカーに身を包んだ主人公は、スプレーで町にラクガキする悪ガキ。ベルトアクション形式で進む先々でゴミ箱を蹴散らし、窓ガラスを割りと、結構好き勝手やっている。そんな「Street Boy」の操作は、右タップの攻撃と左タップのジャンプだけ。いちおう、ジャンプ中に再度タップすると2段ジャンプができたり、ジャンプ中の攻撃などもできるのだが、とりあえずはこれだけ。シンプル、大変結構である。
苦手とはいえ、これだけシンプルならなんとかなるだろうと思ったのも束の間、淡い期待はほんの10分ほどで打ち砕かれることになる。EASYのステージをクリアするとNORMALが開放され、NORMALをクリアするとHARDが解放されるというシステムなのだが、1ステージ目のNORMALでさっそく死んだ……。feel so badである。
ああ、これ音ゲーだ!
さて、ここまで悲惨な結果だと「レビューの原稿をどうしようか」と悩むのだが、ロード中の画面をよく見てみるとヘッドホンの使用がおすすめされている。筆者の場合、ゲーム情報としてのSEは必然性を感じるのでONにするが、BGMは情報量が多くてゲームに集中できなくなるという理由でOFFにすることが多い。
だが、おすすめされているのであれば、ヘッドホンは使わないとしても音は出すべきだろうと、音ありで遊んでみたところ……ストリートらしくオシャレなHIPHOPのリズムに、各アクションが対応していることが判明した。つまり、リズムに合わせればスコアが伸びるし、アクションのタイミングも取りやすくなる。
ステージのバリエーションも多い
最初はストリートからスタートする本作も、先に進むと地下鉄や空を飛ぶステージなんかも出てくる。空中ステージではジャンプボタンをタッチすれば上昇、離せば下降する。もちろん攻撃も可能だ。
また、数ステージごとにボスステージがあり、ボスの攻撃をかわしながらゴールまで駆け抜けることに。ボスにはHPゲージがないので、攻撃しても倒すことはできないし、突進してきた場合は攻撃を当てることでノックバックさせるしか攻撃回避の方法がない。さらに移動中は、ボス以外の敵も攻撃を仕掛けてくる。難易度は通常ステージより高めになっているので、初見でのクリアは難しいかもしれない。
ギャラリーがいるとのさらに楽しいのでは?
本作はアクションながら、キャラクターの成長要素もある。プレイ中に集めたコインでパーカーを着替えると、見た目の変化だけでなく、付与される効果も変化する。また、プレイ中に集められるペンダントでMCを購入し、レベルアップさせることでボーナスがもらえたり、「KOOL」なプレイを続けるとカットインの演出が入ってさらに盛り上がる。
ヘッドホン推奨のゲームだが、演出がバラエティーに富んでいるし曲もいいので、あえてスピーカーから音を出して友だちと一緒にノリノリでプレイするという楽しみ方もありそうだ。
じっくり曲を聴きたいのでサウンドモードを探してみたが、曲だけを聴くことはできないようだ。また、動画をアップできれば楽しいのではないかとも思ったのだが、ゲーム側でそれに対応する機能が搭載されていないのは何とももったいない。
プレイの進行状況によって、アチーブメントも細かく設定されているのでやり込み要素もたっぷり。文字どおりのリズムアクションとしてかなり楽しめるのは確かだ。アクションが苦手でなければ、ぜひ遊んでもらいたいタイトルである。
- 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
- OSのバージョン:iOS 9.1
- プレイ時間:約4時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
- 課金総額:0円
(C)Netmarble Games Corp.