TruckSimulator 16【ゲームレビュー】

『TruckSimulatior 16』は、広大なヨーロッパの道路網を巨大なトレーラーで駆け巡り、預かった荷物を輸送していくシミュレーター系のドライビングゲーム。ドイツの自動車メーカーMAN社からライセンスを受けた車種が登場するなど、リアルさにもこだわって制作されている。白銀の世界に包まれた真冬の町並みを、安全運転でドライブしていこう。

長距離ドライバーのハードな仕事をスマホで体験

ゲームというものは、仮想の世界や物語を楽しんだり、あるいは現実世界をデフォルメして遊びやすく体験できたりするようにしていることが多い。それらの中でも、ちょっと異質なのが「シミュレーター」と呼ばれるジャンルの作品だ。航空機やF1など、本物の操作感を可能な限り再現。リアリティーに寄りすぎているためゲームとしての爽快感は薄くなってしまうが、そのジャンルのマニアにはたまらない内容となっている。この『TruckSimulator 16』も、そんなシミュレーター系に分類されるタイプのゲームである。

重量感あふれるトレーラーが疾走するのは白銀の世界! 季節に合わせて景観が変化するようだ。本作は有料アプリだが、ゲーム内通貨を課金で追加購入することもできる

本作の舞台となるのは、広大な西ヨーロッパ。そこに広がる道路網を巨大なトレーラー(トラック)で走りながら、依頼主から託された荷物を目的の場所へと届けるというのがこのゲームの目的だ。スマートフォン向けということもあってか、操作自体はリアル志向のシミュレーターよりも若干簡略化されている印象である。

プレイヤーは画面に表示されるアクセルとブレーキをタップで調整。ハンドル操作は3種類の中から好きなものを選ぶことが可能で、「矢印」と「スライダー」がタップで調整できる。また「チルト」は、スマートフォンを傾けることで操作していく方式だ。設定画面でハンドルの感度も調整できるので、操作感がいまいちというときはこのあたりを見直してみるといいだろう。

こちらは「矢印」を選んでいるときの画面。ハンドル操作は設定画面からいつでも変更が可能

7種のトラックと8種のトレーラーを入手していこう

本作では7種類のトラックがラインナップとして用意されている。これらの中には、ドイツの自動車メーカーMAN社からライセンスを取得し、本物さながらに再現された車種も含まれている。このうちプレイヤーが最初に入手するのは中古のあまり程度のよくないトラックだ。仕事をこなしていくことでお金がたまっていくので、よりグレードの高い車種に買い換えていくといいだろう。

またトラックとは別に、けん引するトレーラーも8種類が用意されている。一部はレベルを上げてからでないとアンロックできないが、こちらもお金をためることでトラックショップから購入可能だ。

トラックはそれぞれ、見た目だけではなく性能も異なる。乗り心地(操作感)も変わるので、新しいトラックを購入したときはそのあたりもチェックしてみよう

プレイヤーが請け負う仕事は、いくつか用意されているリストの中から好きなものを選ぶことができる。それぞれの仕事は緊急度や距離などで報酬が異なるので、受注するときの参考にするといい。また、仕事の内容と同時にトレーラーの絵も表示されているが、これは特定のトレーラーを所持していないと受けられない仕事なので注意しよう。

リストに並んだ仕事が気に入らない場合は、「新しい仕事」をタップすることでリストをリフレッシュすることができる

出発前の作業から実にリアル! クルーズコントロールで長距離も楽々

仕事を受けると、いよいよ目的地に向かって出発……といいたいところだが、さすがシミュレーターをうたうだけのことはある。作業はまず、トラックとトレーラーを連結させるところから始まる。無事連結が完了すると、いよいよドライブ開始だ。

基本的には、画面に表示されるナビゲーターに従っていくのだが、ときにはルートに選んだ道路が通行止めになっていることもある。信号などの交通ルールは守る必要があるが、謎の渋滞で自分の走る車線が埋まってしまっているときなどは、ある程度車線などを無視して先を目指すといったことも必要になる。このような手順を踏んで目的地に無事たどり着いたら、トレーラーの連結を外すことで仕事完了となる。

謎の渋滞が発生。こんなときは、若干強引な運転も必要だ。ヨーロッパの道路なので、右側通行になっている点にも注意しよう

高速道路のように、ある程度の速度を維持しながら走り続けることができるルートでは、「クルーズコントロール」機能が役に立つ。これは、30~100km/hの4段階から速度を選び、自動的に一定速度をキープしながら走行できるというものだ。必要があれば、ブレーキやアクセルをタップすることでクルーズコントロールを解除することも可能である。

クルーズコントロールで速度を維持。ハンドルのみに集中してドライブできる。それでも、車線をキープするのに気をつかう必要があるので、実際の運転さながらに集中力が求められる。こうしたメンタル面もシミュレーションされているということなのかもしれない

ドライバーを雇って事業拡大

最初のチュートリアルを完了させるとトラック免許取得となり、自分自身の事業を立ち上げることになる。その後、いくつか仕事をこなしていくうちに自分以外のドライバーを採用できるようになる。雇ったドライバーには、自分がこなす分とは違った別の仕事を割り当てることが可能だ。複数の配送を同時にこなしていくことで、会社の収益も増えていくというわけである。ただし、レベルの低いドライバーを雇ってしまうと事故を起こしてしまい、思わぬ出費を強いられることも……。

雇ったドライバーのレベルが低いと頻繁に事故を起こしてしまうので、予想以上に大きな出費に

操作に慣れないうちは、とにかく車線を維持するのも難しいこのゲーム。トラックを買い換えると内装までが変化したり、3つのカメラ視点に切り替えられるのに加えて画角を自分好みに調整できたりするなど、かなりこだわって作られている部分が多い。その点では、トラックマニアの方にもおすすめできる。

ただ、ほかの車の動きが昔のレースゲームのようにちょっと強引で、ただのおじゃまキャラのようになってしまっているところだけが気になった。いずれにせよ、雪に覆われた町並みをトラックで走行するのはなかなか楽しい気分である。ほかにないタイプの孤高のゲームなので、気になる人は一度遊んでみてはいかがだろうか。

  • 使用した端末機種:iPhone 6s
  • OSのバージョン:iOS 9.2.1
  • プレイ時間:約4時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.3
  • 課金総額:0円

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