難しさと解きやすさが隣り合わせの、絶妙なバランス
散りばめられた謎を解く脱出パズルゲームの決定版
人間、ストレスからの解放ほど気持ちのいいものはない。パズルゲームは、解答があるという前提の中での問いというストレスにあえて身を置き、知恵を絞って難問に答えて解放感を味わうわけだが、難しすぎても簡単すぎても、あるいは理不尽でも面白くはならない。本作『脱出ゲーム: ドアスアンドルームズ 3』は人気シリーズの3作目というだけあってこそのバランスが絶妙だ。ぜひヒントを見ずに難問に挑戦してもらいたい。
日常から連想できるシンプルなギミックなのに奥深い
いわゆる「脱出ゲーム」に分類される本作。各所に置かれているアイテムを組み合わせて、閉じ込められた部屋から脱出するだけなのだが、これが結構難しい。置かれているアイテムは日常生活で見慣れたものばかりなので、使い方を悩むようなことはまずないのだが、なかなか解答となる発想に至らないことも多い。
アイテムはそのまま使う場合もあるが、いくつかを組み合わせる、あるいは分解して使うこともある。基本的には1カ所ごとに1つのアイテムが対応するのだが、複数の場所で使用する場合もある。
画面内のギミックは、脱出に必要なもののみが動くようになっており、むだな行動をとらされることはない。また、関係ないアイテムはそもそも使えないという親切設計だ。ここまでお膳立てをされているのにもかかわらず解けないというもどかしさは、己の不甲斐なさと相まって、解くまでやめられない中毒性がある。
パズル要素もふんだんに用意されている
単純なアイテムの組み合わせなら、総当たりでギミックを解いていくことは不可能ではない。もちろん、それでは面白くないので、ところどころパズル的な要素も用意されている。脱出のルートは1通りしかないので、他が解けても1カ所で詰まるだけで先に進めなくなってしまう。
アイテム使用に関しては想像力が、パズルに関しては経験がものを言うはず。また拾ったアイテムも、だいたい使うところを想起できるようなものばかりである。どうしても解けないときのためにヒントも用意されているが、これにはゲーム内通貨のコインが必要になる。そして、パズルが解けない場合もコインを使うことであっけなく解決できる。
時間制限はないがダメージゾーンはある!
じっくり考えられるようにという配慮からか、マップクリアに時間制限はない。ただし、各所にダメージゾーンがあり、準備が整ってい状態でそこをタップしてしまうとダメージを受ける。
ゲーム開始時はライフが5の状態で、5回までミスが許される。ライフが0になるとゲームオーバーとなってしまうが、そのマップを始める時に使用したエネルギーと同じ分だけを支払えば、そのまま続行することが可能だ。
また、プレイヤーによる入力が一切ない状態でゲームの進行を放置した場合、一定時間でマップがリセットされてしまう。そういう意味において、移動中など細々とした時間にプレイするというより、ある程度余裕をもって腰を据えたプレイがおすすめである。
なお、ギミックを解くには音も重要なファクターとなる。わずかな音もしっかりと聞ける環境が必須であることも付け加えておこう。
マップは今後も拡張予定
本作は現在、チャプター2の途中までが開放されており、7つのノーマルステージと6つのシークレットステージの合計13ステージを遊ぶことができる。マップは先に進むにつれて難しくなっていくというわけではなく、仕掛け数が増えていくという方向で拡張される形式だ。
パズルゲームはいったん解き方が分かってしまうと、2度目以降の楽しみが減じてしまうものだが、本作の場合は不思議と何度も同じマップを遊んでしまう常習性があった。さしずめ、答えのわかっているクイズブックを何度も読むような感じである。
謎解き部分が良くできているのはもちろん、UIやグラフィックも良好である。なお、眠れない夜にちょっと触ろうと言う気軽なプレイは推奨できない。なぜなら、確実に朝まで没頭することになるだろうから。
- 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
- OSのバージョン:iOS 8.4.1
- プレイ時間:約6時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.1.0
- 課金総額:0円
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