究極 防衛 マスター【ゲームレビュー】

『究極 防衛 マスター』は、タワーディフェンスのシステムに育成要素をふんだんに取り入れたゲーム。英雄によって切り変わるスキルとタワーで、さまざまな戦略が生み出せる防衛戦に注目だ。

育成×タワーディフェンスが生み出す戦略性あふれる防衛戦

本作は、タワーと魔法を駆使して、村に攻め込もうとするモンスターたちから人々を守るタワーディフェンスゲーム。

防衛(DEFENCE)中に操作するのは魔法スキルのみ。うまく敵の侵入を阻み、押し寄せるすべてのモンスターの猛攻を耐え抜けばクリアとなる

ステージに設置されたタワーにはそれぞれに「英雄」がいて、配置する英雄によってタワーの攻撃方法や速度が変わっていく。

英雄には「系列」と呼ばれる種族のような分類があり、系列ごとに決められた2つのタワータイプから選んで設置できる

人間系、暗黒系、自然系などに分類された英雄は、さまざまな神話に登場した者たち。

およそ300種類を超える英雄が、プレイヤーとの契約を心待ちにしている。

英雄はそれぞれのデザインもバリエーションに富んでいて、集めるのが楽しい

状況に適したタワーと魔法で迎え撃て!

村を襲うモンスターは、その種類によってさまざまな特徴がある。

例えば、灰色の狼はその身軽さを生かした素早い動きで、タワーの攻撃をかいくぐろうとする

こちらが使うタワーや魔法スキルは、配置する英雄によってその特性を変更できるので、出現するモンスターやその地形に合ったものに入れ替えよう。

英雄は1人につき最大3つのスキルを習得している。防衛で使うのは、いちばん左に表示されたスキルだ。スキルは系列に関係なく、その英雄の特徴に合ったものになっている

スキルにはダメージを与えるだけでなく、必ず「火傷」「感電」「中毒」「気絶」「減速」という、5種類の状態異常のいずれかを誘発する効果がある。

画面上の好きな場所に使用できるので、モンスターに効果的でなるべく多くのモンスターを巻き込めるように発動していこう。

足の速い灰色の狼には減速するスキルを使い、タワーの攻撃を存分に受けてもらおう

5種類の状態異常の効果

  • 火傷:防御力低下&防御力無視
  • 感電:防御力低下
  • 中毒:防御力無視
  • 気絶:一定時間停止
  • 減速:スピード低下

マナ管理が勝利のカギ!

スキル発動には、マナが必要になる。

所持マナはゲージ、消費マナは魔法の右上に表示されている。強力な効果ほど、必要マナも多くなる

マナは時間経過で自然と増加していくのはもちろんのこと、モンスターを撃破するごとに1つずつ増えていくシステムとなっている。

マナ数は30で上限に達し、そのまま時間経過&敵を撃破してしまうと、その分のマナは無駄になってしまうことになる

各ステージに出現するモンスター数はゆうに50体を超える上、容赦ない猛攻を加えてくる。

油断するとすぐに行き詰ってしまう難度となっており、序盤からいかに魔法スキルを使っていくかを考えさせられる。

いったん使用したスキルはクールタイムが発生し、連続して使用することができない。焦って巨大モンスターに連発してみた結果、大きなスキが生まれ、窮地に立たされるということも

ひとつ確実に言えるコツは、マナをMAXの状態にはせず、とにかく無駄にしないこと。

すぐには敵を圧倒できない強化システムが組み込まれているので、常に効果的な戦法をとることが自然と求められ、状況に応じてさまざまな工夫を考えていくのが面白い。

タワー昇給に6つの装備!多様な強化方法

スキルやタワーをいくら工夫しても勝てない……。そんなときは英雄を強化して、タワーやスキルの威力を上げよう。

英雄にはレベルの概念があり、訓練することで経験値を稼いでいける。

英雄には4つのステータスがあり、レベルが上がるとRANGE以外の3つの能力が徐々に上がっていく。攻撃力だけでなく攻撃スピードも早くなっていくので、数値以上に効果は高い

4つのステータス

  • ATK:攻撃力
  • SPD:攻撃速度
  • RANGE:攻撃範囲
  • HP:生命力

英雄レベルはプレイヤーのレベルが上限で、驚くほどの強化は急にはできない設計になっている。

プレイヤーレベルは、防衛を重ねることで上がっていく。コツコツとエリアを進めて経験値を稼ごう

また英雄には武器、手袋、鎧といった6つのアイテムを装備でき、それらを活用してステータスを強化することもできる。

装備できるアイテムは、英雄の系列によって変わる。自然系の「ガルム」が笠やゲタを着けた姿は想像もつかないが、装備することでしっかりと強くなる

装備にもレベルがあり、こちらは「銀貨」を使って強化していける。

一度に消費する銀貨の量はかなり良心的になっているが、失敗してしまうことも。銀貨消費以外のデメリットはないので、どんどん強化していこう

英雄のレベルが一定に達するとタワーを強くすることもでき、これを「タワー昇級」と呼ぶ。

英雄のレベルが10、25、45に達するとタワー昇級できるようになり、最大3段階まで強化できる。タワーの見た目も変わり、頼もしさが倍増する

課金せずとも続々と集まる仲間たち!

本作を楽しむ上でキモとなる英雄は、神殿(TEMPLE)で召喚したりクエストの報酬で得られる「欠片」を集めたりすることで仲間にできる。

英雄のクラスは星1から星6に分かれ、その星の数が多いほど強力な英雄となる。

レベルが同じでも、星が1つ違うだけで性能差が生まれる。スキルの数にも差が出ることもある

神殿での召喚は1日に何度か無料でも行え、ほかのゲームでは課金通貨で使用するような「高級召喚」までもが1日に2回まで無料で利用できる。

さらに、神殿での召喚では一度に6人もの英雄が並び、望みさえすればその全員を一気に仲間に加えることができるのだ。

契約には「その都度書類が必要!」といったこともなく、契約ボタンを押すだけで何も消費することなく仲間が増えていく。星1クラスばかりだった手持ちは、あっという間に星3、星4クラスの英雄たちで埋め尽くされる

召喚で直接手に入るのは、星5クラスの英雄まで。星6クラスには選ばれし星4、星5クラスの英雄を「転生」させることで到達できる。

転生すると驚異的に強くなり、見た目も大幅に変わる。さまざまな素材が必要になり大変だが、その見返りは大きそうだ

膨大な数のシナリオと切り替わる地形

ステージの地形は、エリアによって切り替わる。

各エリアは、8つのノーマルステージと2つのボスステージ、合わせて10のステージで構成されており、全ステージをクリアすることで次のエリアへと移れるようになる

本作には世界地図のようなマップが用意されているのだが、このマップが非常に広大。3時間のプレイでは、序盤も序盤といったところまでしか進められなかった。

都市名などは英語で表記されているが、エリアはそれと関係なくギュッとつまって並んでいる。ストアの紹介文には「数百以上におよぶステージ」との記載があったが、軽く数千ステージはありそうなマップである

理解すると面白さが一気に加速する

本作は、ステージをクリアする上で見直すべき点や工夫すべき点が、防衛中や育成要素など、把握しづらいほど多岐にわたっている。

ホーム画面の周囲には多数のアイコンが並ぶ

日本語にローカライズはされているものの、始め立てでは行き詰ったときに何をすればいいのかわかりづらいという難点がある。

ただ魔法スキルを工夫するだけだと、チュートリアルの途中であろうステージでも大苦戦することになる

しかしゲームを進めるうちに、どの点を工夫すればクリアできるかが少しずつつかめてくる。自分の想像どおりにことが運んで、防衛できたときの喜びはなかなかのものだ。

ゲームは無課金プレイで楽しみたいというプレイヤーでも思い切り楽しめる、やり込み要素満載なタワーディフェンスの良作といえるだろう。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.11
  • 課金総額:0円

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