FREETELがスペックの極みを追求したフラッグシップモデル
雅(MIYABI)・極(KIWAMI)・麗(REI)など、和をイメージしたネーミングで展開しているFREETELのSAMURAIシリーズの最新作がKIWAMIの後継機となる「KIWAMI 2」だ。
10コア最大2.3GHz駆動のSoCに、4GBのRAM、ストレージを64GB、5.7インチWQHD有機ELディスプレイという格安スマホらしからぬスペックとなっており、価格も49,800円(税抜)でそれなりのお値段。
基本的なスペックの他にも、いくつかの機能を集約した物理ボタン「FREETELボタン」や、独自のUIなどで他のAndroid端末とは異なるユーザビリティの本機をレビューしていく。
マットな質感のフルメタルボディ
5.7インチの大画面ディスプレイを備える本機は、157.2(高さ)×77.5(幅)×7.2(厚さ)mmという、片手では扱いにくいサイズ。
角の丸みは半径が小さく設計されており、手に持った際に角張っている印象を受けた。
フルメタルボディだが、光沢がないマットな質感で、触った感触もややグリップ感のある素材が使われている。
前面のベゼルの幅は上下ともに15mmほど。背面の上下には、樹脂製のアンテナラインが存在。このようなラインは、今年発売された多くのスマホで目立たないよう工夫がなされているため、余計に目に付く
SIMカードはnanoサイズを2枚挿入可能。秋冬モデルのトレンドの1つであるDSDSに対応している。
他のDSDS対応機だと、片方のSIMスロットがSDカードと兼用となっていることがほとんどだが、本機はSDカードに対応していないことには要注意だ。
iOSライクなFREETEL UI
KIWAMI 2は、SAMURAIシリーズに人気モデル「REI」から実装されたFREETEL独自のUI「FREETEL UI」を引き続き搭載している。
大画面ディスプレイを備える本機でも、片手でさまざまな操作を可能にするこのUIは、通常のAndroid端末とは毛色の異なる使用感となっている。
FREETEL UIを構成する要素は大きく分けて「FREETELボタン」と「スワイプアップランチャー」の2つ。
FREETELボタンとは、画面下部に搭載された物理ボタンのことで、押下する以外にも、タッチ・2度押しによってナビゲーションバーの代わりの役目を果たしている。
スワイプアップランチャーは、文字通り画面下部からスワイプすることで表示されるランチャーで、アプリ使用履歴や画面輝度の調整、Wi-FiやBluetooth、自動回転などのオン/オフ切り替えをすることができる。
iOSのコントロールセンターのような機能で、片手でも操作しやすいUIとなっている。
使い慣れれば便利な機能なのだが、画面下部の端からスワイプしないと起動しないので、KIWAMI 2の本体サイズだと、片手操作では起動しにくいと感じた。
また、スワイプアップランチャーは無効にすることもでき、オフにして通常のAndroidと同じUIにすることも可能。
筆者はいまいちFREETEL UIに慣れることができなかったので、スワイプアップランチャーをオフ、ナビゲーションバーを表示させて使用することにした。
上記の他にも、「FREETEL Key」を有効にすれば、iOSでいうところの「AssistiveTouch」のようなポップアップ式の仮想ボタンを利用することもできる。
ベンチマークテスト結果
AnTuTu benchmark
FREETEL史上最もパワフルなスペックということで、気になるベンチマークテストを実施。まずは、総合的な性能を計るAnTuTu benchmarkでテストした。
結果は、83,762というまずまずなスコアをマーク。
本機に搭載されているSoCは、MediaTek製のHelio X20。
- 最大2.3GHz×2コア
- 最大2.0GHz×4コア
- 最大1.4GHz×4コア
の計10個のCPUコア、3つのクラスタで構成されるSoCで、パフォーマンスの向上と省電力化が図られている。
しかしSnapdragonやkirinなど、他社製の最新SoCにスコアでは大きな差を付けられており、この冬において特別高性能なスマホとは言えないのが現実だ。
3DMark:Sling Shot using ES 3.1
AnTuTu benchmarkで低さが際立った3Dグラフィック性能を3DMarkで測定したところ、テスト中に再生される映像が滑らかでなく、結果も843点と奮わなかった。
Helio X20は、GPUにARM製Mali-T880MP4を搭載。同じGPUを採用するKirin 955を搭載した「HUAWEI P9」と近い数値となっている。
3Dゲームには向いていないアッパーミドルモデル
ベンチマークテストの結果で不安が残った3Dグラフィック性能だが、実際にいくつかゲームをプレイしてみたところ、やはり他社のハイエンドモデルと比較すると鈍い動作でプレイしにくさを感じてしまう。
3DアクションRPG『HIT』を、グラフィックレベル5(本機で設定できる最高設定)でプレイしたところ、滑らかとはいい難い動作となった。
加えて、20秒間に1回程度の頻度で、動作が一瞬停止する現象も確認した。『HIT』のようにグラフィック品質を変更できるゲームは、低設定にしてプレイすることをおすすめする。
冒頭で述べた通り、価格は49,800円(税抜)。ハイクオリティな3Dゲームは満足に遊べないグラフィック性能なため、ゲーマーにとってはコストパフォーマンスは良くないと感じるのが正直なところだ。
ただし、FREETELはスマホ本体+高速データ通信+電話かけ放題がセットになったお得なプランが強み。KIWAMI 2は3,570円/月(税抜)から使える。
さらに、FREETELでは新機種に変更する際、古い端末を返却することで割賦残金が免除になるサービスも実施している。
FREETEL SIMと合わせて使う場合、初期費用を抑えつつ、お得に運用することが可能だ。スマホだけでなく、格安SIMも探しているという人にはおすすめの機種となっている。
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