シーキング・ハンター【ゲームレビュー】

ジャイロ機能を使って水中を漂いながら戦うハンティングアクションゲーム『Seaking Hunter』(以下、シーキング・ハンター)。狙う標的は、世界中に点在する伝説の巨大海獣UMA(未確認生命体)だ!

シューティングが苦手でも最後までクリア!? 爽快ハンティングアクション

『風雲!! 鬼忍城』や『Monkey Jet』など、ちょっと風変わりなアクションゲームをこれまでリリースしてきたGAME ATACKの新作は、水中で未知の生命体と戦う『シーキング・ハンター』だ。

敵は3Dでモデリングされ、姿勢を変えながら画面せましと暴れ回る。攻撃の当たる場所が刻一刻と変化するので、しっかりと狙いをつけていこう

プレイヤーはそれぞれ異なる性能を持つ4種類のバトルスーツを使いこなし、世界中を巡りながら伝説の巨大生物たちを仕留めていくことになる。

ゲーム内容としてはほぼシューティングゲームで、プレイヤーは水中を漂いながら敵に攻撃を加えていく。射撃は基本的にオートとなっているため、どのように動くかに集中すればOKだ。

ステージの選択は、地球儀のようなマップを回転させてポイントを指定する形式。世界各地のミステリアスなUMAが敵として登場する

ジャイロ機能を使った操作は想像以上に快適!

本作の最大の特徴は、端末を傾けて自機の移動をコントロールするという操作方法。

前後左右に端末を傾けることで、その方向に移動できるほか、移動のスピードも制御することができる。

プレイ開始前には2つの操作方法が選択できるが、これは地面に対して端末を斜めに持つか、水平に持つかという違いとなっている

プレイする前は「正確に操作できないのでは?」といぶかしんだが、実際にプレイしてみると快適そのもの。思いどおりに移動して、敵の攻撃をギリギリのところで避けることができた。

水中を泳いでいる間は画面をタップした場所に向けて、一定間隔で自動射撃が行われる。

泳ぎながら四方の壁に違づくと磁石のように吸い付いて、左右あるいは上下のみの移動に切り替わる。

また、この状態で画面のどこかをタップすればジャンプして再び水中に漂い始める。

泳いでいる最中に画面のどこかをタップすれば、その場所を標的に射撃を行うようになる。ただし、自動追尾のような機能はなく、指定した場所を通過してそのまま突き抜けていくため、敵の手前の場所を指定してもあまり問題ない。大雑把な感覚で楽しもう!

基本的には壁に張り付いたままのほうが安定して移動できるが、敵の弾が飛んできたときにはジャンプで水中に飛び出して避けなければならないこともあるだろう。

画面の下側に張り付けば、通常のシューティングゲームと変わらない感覚でプレイできる。ただし、射撃は垂直または水平方向にしか行われないので、自分が動き回って弾を当てる必要がある

なお、時間とともに増えていく「スーパーショット」ゲージがMAXになれば、ゲージのアイコンをタップして特別な攻撃を行うことができる。

一般的なシューティングゲームでいうところのボムのようなイメージだが、敵の弾を消してくれるような効果はないので注意しよう。

スーパーショットでとどめを刺した瞬間。スクリーンショットで見ると若干地味に思えるが、実際には高速でアニメーションしまくっているので、かなり派手な印象を受けるはず

4種類の自機を使いこなせ

プレイヤーが選べる機体(バトルスーツ)は4種類。

最初はバランス型の「ノーマル アーマー」のみが選べるが、ステージクリアや広告動画の視聴でもらえるコインを支払うことで、ほかの機体をアンロックしていくことができる。

また、コインを使ってレベルアップすることで、HPとPOWER(攻撃力)を強化していくことができる(最大でレベル5)。

さらに、それぞれ「Walk」と「Swim」の移動速度が個別に設定されているほか、攻撃の手段も異なっている。敵の種類に応じて、その性能を最大限に発揮できる機体をチョイスしていこう。

「ノーマル アーマー」は、そこそこの攻撃力と移動力を合わせ持つバランス型の自機。HPも高めなので、初めて挑む敵はこれを使って探りを入れていこう

「ハンマー アーマー」は高い攻撃力を誇る反面、移動速度は遅い。また画面の中をグルグルと回転するハンマーで攻撃するため、敵に当たらないこともままある。個人的にはHPの高さも相まって、割と使いやすかった

高い連射速度を誇る「シャーク アーマー」。泳いでいる最中は高速で移動できる。変則的な攻撃を繰り出してくる敵と戦う際には、この自機を選んで避けまくるのがおすすめだ

巨大なアームを次々と発射して攻撃する「アイアンハンド アーマー」。歩く速度が速いので、安定して戦うことができる。攻撃力と連射性能もそこそこだ

ちなみに、スーパーショットのゲージがたまるまでの間隔もそれぞれ違っている。

アイアンハンド アーマーなどはかなり早いテンポでスーパーショットを繰り出せるので、回避に夢中で攻撃がおろそかになってしまった……ということが起こらないよう気をつけよう。

オカルトファンも思わずうなるUMAたちのバリエーション

用意されているステージは、練習用のものも加えて全部で14種類。

山形県の大鳥池に棲むといわれる「タキタロウ」から、カナダのオカナガン湖で目撃されている「オゴポゴ」、さらにはギリシャ神話にまつわる怪物「カリュブディス」まで、多種多様な巨大UMAが登場する。

ステージはいくつかのグレードに分類されており、その時点で出現しているすべてのステージをクリアすることで、新たなステージが登場する仕組み。また、いくつかのUMAは、低難易度のUMAのパワーアップバージョンとなっている。

姿かたちが異なるのはもちろん、さまざまな攻撃パターンでプレイヤーを追い詰めてくる

近年、ネットの都市伝説から生まれた「ヒトガタ」および「ニンゲン」も登場! それぞれ北極海と南極海に棲息している

ここで注意したいのが、チャレンジするたびに一定の量のコインが必要になるという点だ。特に、最後に立ちはだかるニンゲンは2,000コインが必要で、ミスが続くとあっという間に手持ちのコインが尽きてしまう。

しかしながら、何度もチャレンジしながらそれらの動きを覚え、相性のいい自機を選んで少しずつクリアしていくのは、シューティングゲームならではの王道の楽しみ方といえるだろう。

例えば、カリュブディスは長い首を画面の横から突き出してくるため、壁に張り付いて下から攻撃すればかなり有利に立ち回ることができる。ただし、ピンポイントでこちらを狙ってくる攻撃手段もあるため、予備動作をよく観察して注意しよう

リンチピンチやカッターピンチと戦う場合、ハンマー アーマーやアイアンハンド アーマーでは攻撃が届かないことがある。地面から足を離して、なるべく水中に漂いながら戦うのがいいだろう

テンシーとのバトルでは、地面に下りたままだと大ダメージを食らってしまう。左右の壁も活用しよう。しかし、別のステージでは左右、あるいは上下の壁にとげが生えてくることも……

課金要素はいっさいなし!さらなるステージの追加に期待

筆者は必ずしもシューティングゲームが得意ではないのだが、操作のしやすさや特徴のある自機の多彩なバリエーションにより、およそ3時間ですべてのステージをクリアすることができた。

ちなみに本作では、一部で広告が表示されるものの課金要素はいっさいなし。無料ですべての楽しめるということで、かなりサービス満点の内容にも思える。

バトルそのものも、自機を強化していけば10秒~30秒程度でクリアできる。

常に緊張を強いられるというわけでもなく、一瞬だけ集中力を高めれば敵の攻撃を避けることができるため、この手のタイプのゲームが苦手な人もそれなりに楽しめる仕上がりだ。

敵からダメージを受けると、数秒の間だけピヨり状態になり、動きがかなり鈍くなってしまう。その間も自機の当たり判定は有効なので、連続してHPを失ってしまうケースも少なくない

自機をすべてアンロックして強化しきった後は「コインの使い道がないのでは?」と思ったが、そんなことはいっさいなかった。終盤の強敵にチャレンジする際に、かなりのコインを消費してしまうためだ。

また、ステージ終了後であっても、自機のダメージはコインを使って回復させる必要がある。

なるべく高額の賞金がかけられた敵を何度か倒してコインをため、あらためて未クリアの敵に挑戦するという繰り返しとなるが、それもまた楽しめた。

UMAのデザインもどこかコミカルで面白い。その種類がもっと多ければ、さらに楽しめるのは間違いないので、できればアップデートなどで敵の種類をもっと追加してもらいたい。そう感じるだけの良質なタイトルである。

  • 使用した端末機種:iPhone 6s Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
  • 課金総額:0円

(C) 2017 SIMIA MIMUS K.K.
(C) 2017 GAME ATTACK inc.