きかいたち は あめ が ふること を まっている
人類が滅び、荒廃した星。そこには数多の残骸と、あてもなく歩き続ける機械のみが存在していた。
ぎこちなく、ゆっくり歩く機械。雨を象徴するようなしっとりとしたピアノのBGMが、心地よくも切ない雰囲気を作り上げている
機械たちには、滅びゆく人類が記憶をコピーしている。人とは言い難いが、コピーした時点での想いや、星を歩き回って感じたことを遺言として残すことはできる
プレイヤーは数多ある機械の1つとなり、人々の残した遺言を拾い集めていく。
すべてが終わった世界の中で、何を想い、何を感じるか、機械と一緒に世界観に入り込んでいこう。
雨の日しかプレイできない!
本作が衝撃的なのは、“現実世界”が雨の日しかプレイすることができないところ。ゲームの中の機械、そしてプレイヤーは、雨の日を待つしかないのだ。
端末の位置情報をもとに、その場所の天気とゲーム内の天気を連動させているゲームシステム。つまり、プレイヤーのいる地域が雨なら、ゲーム内も雨になる
惑星は、深刻な大気汚染の影響で、晴れの日は視界が不明瞭となる。遺言を探す機械たちは、雨が降らないと動くことができない
現実世界が晴れになると、ゲームは一切プレイできないといっていい。雨を待ちながらのんびり楽しむゲームになっている。
ほかのプレイヤーの残した想いを拾い集めていく
本作でプレイヤーがすることは、アプリを起動することのみ。
機械は一定距離(時間)歩くと、ほかの機械の残骸を発見する。それまではゆっくり歩き続ける機械をただ見守っていくことしかできない。
だいたい15分ほど経過すると新たな残骸を発見。アプリを起動せずとも機械は歩き続け、発見すると通知もしてくれるので、放置していても問題ない
残骸からは、その機械がそれまでに拾ってきた遺言と、その機械自体が残した遺言を読むことができ、その中の1つのみを拾っていくことができる。
実はこの遺言、ほかのプレイヤーが作成したものも混じっている。印象的なもの、文章がうまいものという基準で拾っても面白いかもしれない。
どれがところにょり氏が用意したのかわからないほど、世界観に溶け込んだ文章が多い。中には個性的なものもあるが……これはこれで
役目を終えたら自身も遺書を書き残す
遺書を集めながら歩いていくと、機械はやがて壊れて動けなくなる。
こうなると、今度は自分が遺書を残す番だ。
壊れて動かなくなった機械には矢印マークが付く。残骸発見時と同様に通知も届くが、なんとも切ない
矢印マークをタップすると、文字入力画面が起動する。同じボタンを連打するか、フリックすることで、入力する文字を決定できる。ちなみに鍵カッコは「や」のボタンにある
文章は数ページにわたり作成することができるので、大作を書き上げることも可能。
匿名なので、安心して自身の思いのたけをさらけ出してみよう。
意外に希望のある世界
ゲームというよりも、小説の短編集を読んでいるような感覚になる本作。
さまざまな人の遺書を読んで意外だったのは、機械になって世界を歩くだけの日々に生きがいを感じるといった内容が多いところ。
荒廃した世界のほうが、生きてる感覚が強いというのもどうかと思うのだが、暗い内容ばかりではないところが印象的であった。
他人の遺言を見るという、かつてない体験を味わえるタイトル。梅雨時の今だからこそプレイしてみてはいかがだろうか。
「むりしてあるく(広告を見る)」ことで、次の残骸を見つけるまでの時間を短縮できる。その分だけ早く壊れてしまうが、遺言をたくさん見たい方は利用してみよう
- 使用した端末機種:Galaxy S7 edge
- OSのバージョン:Android 7.0
- プレイ時間:約1時間半
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.1
- 課金総額:0円
(C) 2017 ところにょり