スゴロク×カード! 運を実力でカバーできる戦略型国盗りボードゲーム
三国時代の群雄が、これでもかとばかりに多数登場する『三国志ダイス』。
スゴロクしながら盤上の建物を取引きして資産を奪い合うボードゲームをベースに、武将同士の争いや計略といった「三国志」らしい要素がふんだんに取り入れられている。
さらに150種以上の武将カードによるデッキ構築や強化要素などがたっぷりと盛り込まれ、戦略性の高い対戦を楽しめるタイトルとなっている。
本作は、そのゲーム性どおり対人戦がメインとなっていて、世界150カ国以上のプレイヤーとのリアルタイム対戦がすぐに楽しめる。
2人対戦、3人対戦、4人対戦にチーム対戦と、対戦モードの種類も豊富で、かつ友だちとわいわいプレイできる戦友対戦モードまで搭載されている。
ゲーム序盤は、黄巾の乱や虎牢関の戦いといった、三国志ファンならおなじみの戦いを通じて、しっかりとゲームの流れや基本ルールをつかんでいける。
この手のジャンルが初心者という方でも、すぐに慣れることができるはずだ。
出目は自由自在!? ファンブルも多々あるダイスロール
対戦は、まずダイスを振る順番を決めるところから始まる。
ダイスの出目……ではなく、武将カードを出し合って順番決めするのが、本作ならではの決め方だ。
武将カードには、それぞれ攻撃力と守備力が設定されていて、その数値を比較して、さまざまなシチュエーションでの勝敗が決まっていく。
進むマスの数は、2つの6面ダイスを振って出た目の合計値になる。
この場合、通常の2つのダイスであれば、2と5や3と4などの組み合わせが多い「7」が最も出やすく、7から遠い数ほど出づらくなる。
しかし本作では、ロール時に表示される「ゲージ」を合わせることで、ある程度出目を操作できるようになっている。
とはいえ、ゲージを合わせれば必ずしも思いどおりに出目を操作できるわけではない。
例えば、ゲージを最小に合わせても9が出るといった、ファンブルが起きることも少なくないのがボードゲームらしい面白いところだ。
マスに武将を配備して領土を広げよう
ダイスを振り、洛陽や成都、建業などといった地名が書かれたマスに止まると、その地域に武将を置くことで占拠できる。
このとき、後々の「戦闘」を考えて、防御力の高い武将を設置しておくのがおすすめだ。
武将を設置すると、その地域のマスの色が、自国の色へと変化して領土になる。
こうして自分の領土を広げていき、魏、呉、蜀のいずれかのエリアを独占することが、勝利条件の1つとなっている。
強気に大きく勝つ? それとも堅実にいく? 勝利条件は自分次第!!
本作の勝利条件には、国の独占のほかに「要塞」の独占というものがある。
要塞とは、ボード上の4か所に散らばった未占拠時には黒いマスで、基本的には一度占拠すると、防衛に失敗しても取り返されないなどといった特殊な効果を持つマスとなっている。
また勝利条件を1つ満たしても、あがらずにそのまま対戦を継続できるのが、本作の面白いところ。
さらに、別の国や要塞を独占することで、勝利時の報酬が豪華になっていく。
最後まで強気にプレイを進めていき、もし三国と要塞をすべて独占できると、「天下統一」を達成することもできる!
おそらく、対戦相手全員を「処断」まで持っていかなければ、達成不可能な超高難度クリア条件。もし達成できれば、両手でガッツポーズする気持ちもわかるはずだ
領土での戦闘! 兵力を削って相手を生け捕りにしよう
ターンが経過して中盤へと差し掛かっていくと、領土化したマスが増えていき、敵領土に止まったり自領土に敵が止まったりすることが増えていく。
他国が占拠したマスに止まると戦闘が発生し、設置された武将との攻防を繰り広げることになる。
装備とは?
A級以上の武将カードに、褒美として贈れるアイテムとして「装備」がある。
その効果によって、特定の条件下でステータスが増加するようになり、うまく使えば、予想外の反撃まで狙える、非常に面白い要素だ。
戦闘の勝敗にかかわらず、敵国マスに止まってしまったプレイヤーは、「兵力ダメージ」を受けることになる。
ただ、勝利することでダメージを軽減でき、兵力がじゅうぶんにあれば、そのままそのマスを自国のものにすることもできる。
こうして、兵力が尽きてしまうと「生捕り」にされ、最悪の場合は対戦から退場させられてしまうこともある。
絶体絶命のピンチからの大逆転も!
完全にダイス運に見放されてしまうと、どんなに多くのマスを占拠していても、生捕りになってしまうことがある。
しかし生捕りにされても、まだ挽回のチャンスは残されている。
生捕りを捕らえたプレイヤーは、その相手を「処罰」するか「解放」するか選択できるのだが、2度生捕りできたときのメリットが用意されているため、解放されることが多いのだ。
特殊マスとマップで広がる戦略
領土にできるマス以外に、「赤兎馬」や「計略」、「大将戦」に「祭壇」など、止まると特殊な効果を受けられるマスも多く、ボード上に散りばめられている。
これらのマスをいかにうまく利用できるかでも、大きく戦況が変わってくる。
例えば、大将戦では順番決めと同じく、最も攻撃力が高いカードを出したプレイヤーが好きな領地の兵力ダメージをアップできる。
この恩恵を受けたければ、手札に攻撃力の高いカードを1枚は残しておくのが、基本戦術となるだろう。
特殊マスとその効果
- 兵舎:マップのスタート地点。通過すると兵力が補給でき、止まると好きな領地に増兵できる
- 人材探索:手札の武将をランダムで他の武将と入れ替える(その対戦限定)
- 祭壇:止まると3ターン休みになる。ぞろ目を出すか兵力を消費すれば、脱出することができる。ぞろ目で脱出すると、強力な祭壇効果を発動できる
- 計略:さまざまな効果がある計略をランダムで発動できる。なかには不利になってしまう計略もある
- 大将戦:武将の攻撃力を競うバトルロイヤル。勝利すると領土の1つの兵力ダメージを2倍にできる
- 赤兎馬:次のターン、好きなマスに移動できる
- 蛮族:はじめから占拠されている要塞のようなマス。勝利しても占拠できない
- 計略戦:武将の防御力を争うバトルロイヤル。勝利すると、次回の計略戦まで、武将の防御力がアップ。敵領土1か所の兵力ダメージを半分にもできる
- 七星壇:マップの左右どちらか半分に風を吹かせ、兵力ダメージを2倍にする
特殊マスの配置は、マップごとに固定されているので、うまく特徴をつかめば、かなり有利に立ち回っていくことも狙える。
現在確認できたのは、基本マップと「赤壁の戦い」という2つのマップ。今後のマップの追加にも期待したいところだ。
続々と集まるカードで広がるデッキ構築!
対戦に使うデッキには、20枚の武将カードを編成することになる。
「任務」やレベルアップなど、カードの入手機会が非常に豊富に用意されているのがうれしいポイントで、プレイを進めるだけで、見る見るうちにデッキが豪華になっていく。
君主とは?
デッキとは別に、1枚だけ編成できる特別なカード。
デッキ内の全対象カードのステータスなどをアップさせる効果をもっていて、その効果が勝敗を分けることも少なくない。
ライトなプレイでがっつり楽しめる! 敷居の低い対人ゲーム
うまく相手が策にはめて、生捕りにできたときなどには、対人戦ならではの爽快感が味わえる本作。
一度でもすごろくをやったことがあれば、そのゲーム性はすぐに理解できるので、その爽快感をだれもが味わいやすいはずだ。
「こんなにもらっていいの?」と思えるほど、武将カードはテンポよく集まっていくので、ちょっとした合間にプレイを楽しむだけでも、しっかりとデッキを強化していきながら対戦できることだろう。
工夫することで、かなり運要素に左右されにくくはできるものの、やはり運次第では予想外の展開もじゅうぶんにあり得る。
そのため、やり込み度合いにかかわらず誰でも勝ちを狙いにいけるのも、特筆すべき点だろう。
リリース前とは思えないほど、かなりのクオリティーに仕上がってる本作。今後のブラッシュアップにも期待だ!