ロジッククラッシュ【ゲームレビュー】

タッチ&スワイプで本格的な思考型ロジックパズルで戦うRPG『ロジッククラッシュ』。世界中で人気を博したオンラインゲーム『ロストサーガ』のキャラクターたちが次々と登場し、その能力を使ってモンスターたちを退治していく。さらにパズルを完成させてキャラクターイラストをコレクションするという楽しみ方もできる。

ロジックパズルに時間制限!? ひりつくような感覚が熱い

遊びでもゲームでも、プレイしている間にだんだん物足りなくなってきて、ゲームの難易度を自ら少しずつ高めていくといった経験が誰でもあるだろう。「自分ルール」で制限を設けるのが「縛りプレイ」の基本だが、縛られるものは使用アイテムの回数制限だったり、強いキャラクターの封印だったりとさまざまである。

「縛りプレイ」は昨今になってできたものではなく、囲碁や将棋でもハンデとしての「置碁」や「駒落ち」はご存知の向きも多いと思う。なお、これ以外の縛りプレイとして、一手の時間制限極端に短くした「早碁」や「早指し」というものもある。相手の繰り出す一手のパターンを考慮しつつ、最善手を探す碁や将棋といった思考型のゲームは、持ち時間によって難易度が大きく変わるのだ。

この『ロジッククラッシュ』はそんな時間制限の要素を盛り込みつつ、深い思考をめぐらしてパズルを解いていくバトルRPGとなっている。

序盤のステージは5×5マスとかわいいものだが、先に進むにつれ10マス超えのステージが当たりまえになってくる。ちなみに、横マスの数字に「・」がついているのは、数字を並べるとけた数が上がって見えてしまうためと思われる。たとえば「3・1」なら、3マスと1マスが隠されているということ

反復プレイで違う世界が見てくる

ロジックパズルというのはその名のとおり、論理で解くパズルのこと。AとB、2人のどちらが嘘つきであるという前提で、AとBに同じ問いを投げ掛け、どちらが嘘つきかを当てるといったものが一般的だ。数字で解くロジックパズルもあり、「数独」のように縦横に数字が振られていて、数字の論理性で埋められるマスを探すというのが多いだろう。

また、塗りつぶしたマスが完成すると1枚のイラストになることもあり、これはピクトロジックなどと呼ばれている。本作も、そんなピクトロジックの一種である。

思考を進めていくコツのようなものがあるので、いきなりの挑戦だとなかなか難しい印象があるかと思うが、慣れてくると数字の並びで解く順番が自ずとわかってくるようになる。ここがゲームプレイへの習熟の第1段階で、さらに反復してプレイすることで、この解き方の手順を導き出す思考のスピードが高まっていく。ここまで来れば、対戦プレイでもじゅうぶんに戦えるはずだ。

本作には、将棋や囲碁と同様に定石というものがある。ここでは詳しく紹介しないが、素早く定石を見出して、マップをうがっていく感覚は非常に楽しい。若干わかりづらいが、画面右上にいるのが戦う相手だ

クエスト、タワー、リーグの3種類のゲームモード

対戦で自分のランクを上げていくことがメインとなるゲームだが、いきなり対人戦に臨むのはなかなか難しいもの。そこで最初はロジックパズル的な思考を身につけるために「クエスト」をプレイするといい。「クエスト」では敵が攻撃してくることがないので、時間制限を気にせずにプレイできる。

ホーム画面には、パーティーに編成した3人のキャラクターが登場。なおクエストでは、リーダーとなったキャラクターのステータスがバトルに影響する

むろん、時間がかかればそれだけスコアが減ってしまうが、ロジックパズルのルールに慣れるにはちょうどいい。クリアすれば初回に限りピクコインがもらえるので、とりあえずこちらを進めてみよう。

クエストでは、ステージ開始前に完成後の絵柄を見せてくれる。アルファベットやキャラクターイラストなど、完成した状態はさまざま。ただし、イラストなどはいくつかに分割されていて、全体の中のどの部分を解くことになるかはランダムだ

ある程度ゲームに慣れて来たら、対コンピューター戦である「タワー」に挑戦だ。ここでは対人戦同様に、AI(コンピューター)が攻撃を仕掛けてくる。自分のHPがなくなるまでに相手のHPを0にできれば勝利。ここで注意したいのが、絵柄を完成させることが目的ではなく、あくまで相手を倒さなければならないこと。つまり素早くブロックを消せれば、すべてのブロックを消す必要はない。

逆に、すべてのブロックを消せたとしても、相手のHPが残っていれば負けとなってしまうのだ。

タワーには、「曜日タワー」「一般タワー」「期間タワー」の3種類がある。曜日タワーは敵の属性が固定されているので、有利な属性のパーティーで挑戦しよう

最後の「リーグ」は対人戦。下位リーグからスタートし、勝利することでリーグポイントを獲得するモード。これを繰り返すことで上位のリーグへ昇級していく仕組みだ。下位リーグでは負けてもペナルティーはないが、上位リーグで負けるとリーグポイントが減り、下位リーグに落とされることもある。

ちなみに「リーグ」では、手持ちのキャラクター3名でパーティーを組み、キャラクターごとに対戦を行う。3本勝負なので、2本先取すれば勝ち。キャラクターの属性やスキルでも有利不利が発生するので、パーティーの組み方自体にも戦略性が発生する。対人戦は、相手プレイヤーとの勝負いうよりは、時間との対決といった感覚が強い。とにかく1秒でも早くブロックを消すことが、勝敗を左右することになるだろう。

キャラクターの属性は、火、水、風、無の4種類。火は風に、風は水に、水は火に強い。無は、すべての属性に対し少し弱いという特性がある

RPG的要素はキャラクター育成によるパーティー強化

「クエスト」では発動しないが、各キャラクターには多様な効果を持つスキルがそれぞれ設定されている。また、レベルが上がることでキャラクターの攻撃力などのパラメータも上がる。

レベルアップの際には、ほかのキャラクターを強化素材に使って合成を行うことになる。キャラクターのレアリティーによって最大レベルが設定されているが、これを超えることでレアリティーがアップするシステム。なおスキルはレアリティーに関係なく、同じキャラクターを掛け合わせることでレベルが上がっていく。

ゲームの進行に応じて新しいキャラクターが手に入るということはないようなので、レベルアップのためにはガチャを回すしかない。なるべく「10連ガチャ」を回すようにすると効率よく育成できる

ルールがわかりにくいのが難点……

「クエスト」では、先のマップに進むために「星」を集めて「次元ゲート」と呼ばれる関門を通過しなければならない。この星は、各マップのクリア状況に応じて配布されるのだが、その条件が非常に分かりづらいのが難点だ。連鎖数やタイムなどを考慮して星がもらえるようなのだが、ヘルプを確認しても明確な答えが用意されていない。

「クエスト」については、ランダムとはいえ、提示されるマップは数種類から1つとなっているので、何度か繰り返し遊んでいれば自ずとマップの作りを覚えてしまう。それを持ってしても、最高ランクとなる星5のステージは難しい。高得点を獲得するコツのようなものも、ゲーム内のヘルプに追加してくれるとありがたい。

星集めにどうしても苦労するようなら、スコアを増やしてくれる「ブースト」を使うという手もある

数字ロジックのパズルはコンピュターゲームとの相性がいいため、主に携帯ゲーム機でさまざまな作品がリリースされてきた。特に、タッチスクリーンが主流になってから爆発的に数を増やしたジャンルといえるだろう。その発展形として、「時間制限」と「対戦要素」という発想が本作で用意されたのは面白い。「クエスト」のみを遊ぶなら、時間に追われず落ち着いたプレイが楽しめるだろう。

ただし前述のとおり、得点というゲームの根幹にかかわる部分がわかりづらい。システムの根幹が理解できないとゲームプレイの戦略を立てられず、効率的な手段の構築もできなくなる。これでは長く遊ぶことは難しい。ロジックパズルの解き方を教えるチュートリアル以外の部分で、フォローの要素を増やしてくれるとありがたいのだが……。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.2
  • プレイ時間:約8時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.1.0
  • 課金総額:0円

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