Vector 2【ゲームレビュー】

横スクロールのランニングアクションという、シンプルなシステムながら、ドラマ性のあるストーリーにクールなBGM、そして豊富なアクションで人気を博した『Vector』。その続編となる『Vecor 2』を紹介する。

緻密なアクションを使いこなし、研究施設から脱出せよ!

本作も前作と同じく、左から右へと流れる横スクロールタイプのランニングアクション。

研究施設の一室で目覚めたプレイヤーが、施設内にあるさまざまなトラップをかいくぐり、外の世界を目指すというストーリーだ。

アニメのようなオープニングは必見! 前作との関係は!? 研究施設の外で何が待っているのか!? ストーリーにも注目だ

『Vector 2』のメイン画面。ベッドに横たわっているのが、プレイヤー操る主人公。まるで改造人間のようだ

なお本作では、前作でプレイヤーを追いかけまくり、プレッシャーをこれでもかとかけてきた、追跡者がいなくなっている。

その代わり、施設内には触れただけでやられてしまうトラップが、数多く設置されており、それらを避けながら、ゴールを目指すのが目的となっている。

前作『Vector』で、プレイヤーを恐怖のどん底に落とした追跡者。常に追いかけられているという状況が、かなりの緊張感をプレイヤーに与えていたが、その分クリア時の達成感も大きかった(画像は『Vector』)

本作(Vector 2)の主人公も『Vector』と同じくシルエット。壁にぶつかると、衝撃で少し下がるというように、アクションの描写がかなり細かい

適確なアクションが、閉ざされた道を切り開く

本作での操作方法は、上にスワイプするとジャンプし、下にスワイプするとスライディング、右にスワイプするとダッシュと、前作同様で実にシンプル。

基本となる3つの操作方法。右に自動スクロールしていくので、左側に進むことはできない

その3つを駆使して施設内のトラップを回避するのだが、ただそれらを使うだけでは、ステージをクリアすることはできない。

例えば、段差をジャンプで飛び越える際、普通だったら手前からジャンプすればいいだろう。だが、それ以外に、ある程度助走をつける段差にぶつかることでも飛び越えることができる。

左が手前でジャンプしたとき、右が助走をつけて段差にぶつかったときの挙動。手前で飛ぶと、ハードルを飛び越えるようにジャンプするが、助走をつけてぶつかると段差の上を転がるように飛び越える

一見、どちらでもいいように思えるが、施設内のトラップによっては、段差の真上に設置されている場合がある。そのようなときは、段差の上を転がる方法が正解となるのだ。

このように本作には、障害物との間合いやスピード、タイミングなどによって、さまざまなアクションをとることが可能になっている。

だが、ヘルプ機能などはなく、これらのアクションは自力で探すしかない。そのため難易度は高いが、逆にアクション好きにはたまらない作品ともいえる。

最初は無理だと思っていたルートが、新たなアクションを見つけることで通行可能に。他にどんなアクションがあるのか、いろいろ探してみたくなる

優雅なトリックを決めて、ポイントをゲット!

前作にあったトリックは、本作でも健在だ。発動条件も同じで、ステージ内の特定位置でスワイプをすればOK。

トリックが成功すれば、装備品のスキルや新たなトリックの購入に必要となる、パフォーマンスポイントをゲットできる。

水色のアイコンが、トリックの発動位置を示している。ここで上にスワイプすれば、アイコンにあるトリックが発動する

トリックが成功すると、まるで体操選手のような技が発動! クールなアクションを決めてくれる

基本的にトリックはポイント稼ぎのためにある。必ず行う必要はないので、トリックをしようとあわててしまい、ミスをしないようにしよう。

トリックが成功すると、その先にある障害物やトラップを安全に回避できるというメリットもある。無理に狙う必要はないが、可能ならば、狙っていこう

プレイヤーを助けるハイテク装備

基本的にプレイヤーは、1回でもトラップに当たるとゲームオーバーとなる。かなり厳しい条件だが、それを助けてくれるのが体を守る装備品だ。

装備品には「ヘルメット」「グローブ」「アーマー」「ブーツ」の4種類あり、ヘルメットは頭、ブーツは足元というように、それぞれの部位を決められた回数だけ守ってくれる。

装備品はゲームスタート時に装着している。耐久度が消耗したら、ステージクリア後の供給所で、買い替えが可能だ

ゲーム中では、どうやってもトラップに当たってしまうときもある。そのため、常に装備品を装備している状態でいられるよう、ミスをしないように心がけよう。

いずれかの装備品に、絶対にトラップが当たる場合も。写真ではブーツの耐久度が0なので、ジャンプしてアーマーでトラップを受けないといけない。このように、一瞬の判断がプレイヤーの生死を分けるときもある

アクション映画のようにギリギリで回避する快感

アクション映画によく見られるのが、次々と迫るトラップをギリギリでかいくぐりながら、出口へとたどり着く主人公たちというシーン。

それをゲーム中ではあるが、リアルに体験できるのが、この『Vector 2』だ。

一瞬も立ち止まらずにテンポよく障害物を飛び越え、さまざまなアクションを決めながらゴールにたどり着いたときの達成感はかなりのもの。

前作のように追いかけられる緊張感はなくなったが、その分アクション要素の難易度が上昇しており、相変わらず硬派なゲームといえる。

何度も何度もプレイし、自分なりのアクションとルートを見つけることに快感を覚える、真のアクション好きにおすすめしたいタイトルだ。

  • 使用した端末機種:Galaxy S6 edge
  • OSのバージョン:iOS 6.0.1
  • プレイ時間:約6時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:0.7.5
  • 課金総額:0円

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