Never Gone【ゲームレビュー】

眠りから復活したダークヒーローが、闇の眷属と戦うハードコアアクション『Never Gone』。『デビルメイクライ』や『ダークソウル』のようなダークな世界観を、仮想ゲームパッドを使った軽快なアクションで楽しめる。

悪のはびこる闇の世界で、魔物どもを叩っ斬る!

本作の舞台は中世ヨーロッパを思わせる、混沌渦巻く闇の世界。そこで太古の大戦の後、眠りについていた主人公が目を覚ますところから物語は始まる。

復活した主人公に語りかける謎の影。過去の戦いで傷を負った主人公は、それを癒すために眠っていたらしい

ゲームは、鍛冶屋や倉庫などの施設がある、主人公の拠点からスタート。

拠点の住人たちも、普通のゲームでは敵として出てきそうなインパクトのあるキャラクターばかり

墓場のような拠点と、夜しかない世界観は、ダークファンタジー好きな人にはたまらない設定だ。

ちなみに本作を開発したのは、マカオの隣にある珠海市のゲーム開発会社Hippie Game。この『Never Gone』が最初のタイトルとなるそうだ。

跳んで、走って、斬りまくる

本作は、横画面型のスクロールアクションで、仮想ゲームパッドを使って主人公を操作する。

仮想ゲームパッドは、設定で移動カーソルやボタンなどの位置を自由に変更できる

Aボタンで「攻撃」、Bボタンで「防御」、Cボタンで「ジャンプ」を行い、それらと移動カーソルを組み合わせることで、多彩なアクションが可能だ。

どのようなコンボが可能かは、設定にあるコンボリストを見れば一目瞭然。「闇破」や「落とし幕」など、かっこいい技名も多いが、唯一の必殺技が「禁・軽蔑」になっているのは、ちょっといただけない

コンボの種類が15パターンとそこそこ多いが、Aボタンを連打するだけのものもあり、操作自体はそれほど難しくはない。

攻撃の基本は、Aボタンを連打する妄剃り(3連撃)、闇破(4連撃)、禁・致命(6連撃)。序盤は、これだけで敵をせん滅することができる

敵が多い場合は、「昇る」で敵を浮かせて、空中コンボを狙う。空中にいる間は、地面にいる敵の攻撃をある程度避けることができる

ダッシュしながら蹴りを放つ「キック」。敵を吹き飛ばすことができ、緊急時や間合いをとりたいときなど、さまざまな用途で使える

唯一の飛び道具である「回転斬り」。地面に剣を突き刺すので、ダウン攻撃にもなる。攻撃を行うまで若干時間がかかるので、余裕があるときに使いたい

上記4つが、筆者がプレイしたときに使用頻度の高かったコンボ。仮想ゲームパッドにさえ慣れれば、コンボ自体は簡単に出すことができた。

連打だけでは生き残れない! 豊富な敵のアクションに対応せよ

本作のバトルシーンは、『ファイナルファイト』などと同じベルトスクロールタイプ。ただ、強制スクロールではないので、エリア内なら自由に移動することが可能だ。

敵の攻撃範囲外から攻撃を開始し、先手をとるのがバトルの基本。攻撃を当てると敵はひるんで動きを止めるので、その隙に連続攻撃を仕掛け倒してしまおう

序盤の敵なら、上記の方法ですぐに全滅させることができるだろう。

ただ、本作はアクションに関して難易度が高く、少しステージが進むと、遠距離攻撃やバックステップなど、いやらしいアクションをしてくる敵が数多く出現。

ただ連打するだけでは、到底クリアできないような仕様になっている。

2つめのステージで、弓を撃ってくる敵が登場。体力は低いので、横軸をずらして敵に接近し、速攻で倒そう

ボスは、ある程度ダメージを受けるとスーパーアーマーを発動。こちらが攻撃を当ててもひるまなくなる。攻撃を当てて、スーパーアーマー値をゼロにすれば、スーパーアーマーは解除される

回復剤を持っていくことはできるが、数が限られているため、回復連打でごり押しすることもできない。

回避と防御をしっかりと行い、敵の攻撃方法を見極め、隙を突いてコンボを叩き込む。歯ごたえのあるアクションゲームとなっている。

序盤のボス攻略

ビル・マチヤ

斧を持ったドクロ。斧を振り下ろす攻撃は、そこそこ攻撃範囲が広い。ダッシュ攻撃から仕掛けると、先手をとることができる

カーラ・マチヤ

弓矢で攻撃してくるドクロ。横軸が合っていると、画面外から攻撃されてしまう。近づくときは、軸をずらしておくのが鉄則。または矢を撃つタイミングで前方ダッシュをすると、うまい具合に攻撃できる。なお、こちらの攻撃で画面外に出ると、手出しできない場所から弓矢を撃ってくる。そのときは、いったん距離をとって、画面内に誘導すること

スパドマン

中ボスのクモ。配下のクモを生み出し、さらにこちらの動きを止める糸を吐いてくる。拘束されると攻撃され放題になるので、糸を吐いたら、必ず回避すること。もたもたしていると、ドンドン取り巻きが増えていくので、バトルが始まったらすぐに接近し、攻撃を仕掛けよう

重甲の兵士

大型の盾と槍を持ち、ジャンプして空中から攻撃してくる敵。空中からの攻撃は、落下地点が赤く表示されるので確実に回避しよう。スーパーアーマー状態になったら、必殺技か、防御カウンターで地道に攻撃するのが得策

オール・シラー

チャプター1のラスボス。最初は馬に乗っており、ある程度ダメージを与えると馬から降りる。馬に乗っているときは、ダッシュで後ろに回り込んでからの連続攻撃が安定。馬から降りたら、必殺技で一気にHPを削るか、隙を狙ってヒット&アウェイで攻撃しよう。武器のリーチが長く、攻撃スピードもかなり速いので、正面からの攻撃はNGだ

武器の進化やクエスト達成で主人公を強化

主人公の武器や防具は、ステージクリア後の報酬や商店などから入手できる。また武器は、素材を集めることで、さらに強力なものへと進化させることも可能だ。

武器には基本となる攻撃力以外に、硬い敵に攻撃を弾き返される度合いを示す「鋭さ」、防御を無視して複数の敵にダメージを与える「拡散値」、敵を重症化させて能力を下げる「傷害値」、スーパーアーマー状態の解除に関わる「破甲値」などのステータスを持つ

武器に宝石を装着すると、破甲値などのステータスを強化させることができる

特定の武器と防具を装備すると、HP上昇といった、恩恵を受けられることも

主人公はレベルアップ以外に、スキルを取得することで、コンボの攻撃力やスタミナの回復力を上げることができる。

スキルはレベルが上がると開放される。スキルポイントには限りがあるが、リセットも簡単にできるので、いろいろ試してみて自分に合うスキルを決めよう

さらに、特定のクエストをクリアすることで、経験値やゴールド獲得量アップといった、バフ(補助効果)を受けられるようになる。

クエストは、情報屋のアンジェルに古文書を読んでもらうことで受託可能に。出現するボスを倒すとクエストのレベルが上がり、バフの効果も上昇していく

高いレベルでバランスのとれた秀逸な2Dアクション

さまざまな敵が出現し、ダッシュやジャンプ、防御、緊急回避と、さまざまなアクションを駆使する必要がある本作。

アクション初心者には難しいかもしれないが、昔からの2Dアクション好きにとっては、そのアクションを駆使するという点がかなりの好印象だ。

武器やスキルの強化など、強くなる方法も多様なので、無課金でもじゅうぶんに楽しむことができる。

ただ、日本語ローカライズがかなりアバウトで、ところどころ翻訳がおかしいところがあるのが気になるところ。

翻訳が少しおかしいぐらいなら気にならないのだが、よりによってダーク系の渋い声をしていそうな主人公が、オネエ言葉に。筆者は最初、主人公を女性だと思ってしまった

開発したのが中国の小さいデベロッパーのため、そこまでは手が回らなかったのだろうが、この手のゲームは雰囲気が重視されるだけに、なんとも惜しいところだ。

  • 使用した端末機種:iPhone 6s Plus
  • OSのバージョン:iOS 9.3.1
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.6

(C) 2015 Hippie Game Inc