Batman: Arkham Underworld 【ゲームレビュー】

多くの犯罪組織が暗躍する街「ゴッサム・シティ」で、ギャングのボスとしてキングの座を目指していく『Batman: Arkham Underworld』が登場。バットマンのファンであれば誰にでもおすすめしたい!

手下を使いこなし略奪を繰り返すストラテジーゲーム

『Batman: Arkham Underworld』は、「バットマン」でおなじみの犯罪都市「ゴッサム・シティ」を舞台にギャングのボスとなって犯罪帝国を築き上げていくタイトルだ。

RTSやタワーディフェンスといったさまざまな要素が詰め込まれているのが特徴となっている。

「キャッシュ」や「カリスマ」、「ダイヤモンド」といった資源を奪い、ゴッサム・シティのキングを目指そう

本作にはバットマンシリーズで活躍(?)する数々のヴィランが、プレイヤーの仲間として登場する。

序盤からさまざまなアドバイスをくれる「キャットウーマン」。ヴィランにはしっかりとボイス(英語)も用意されていて、そのバリエーションも豊富だ

最初に仲間になるのは「リドラー」。彼と協力して自分の組織の繁栄を目指すことになる

ゲームを進めていくと、ファンにはたまらない美麗ムービーが観られることも。登場キャラクターの性格なども感じ取れるので必見だ。

アメコミや映画のワンシーンが切り取られたかのような演出とボイスが、ゲームの雰囲気を盛り上げる

襲撃先の弱点を見つけて奪いつくせ

ギャングの世界は金がすべて。宝石店やマフィアのアジトを襲撃して、資源を根こそぎ奪い取ろう。

街にはさまざまな施設がある。どんどん攻め込んで資源を奪いつくそう

攻め込む場所を選択すると、衛星からの情報を解析して内部の様子が確認できる。

侵入できる場所や部屋の配置など、どのように警備されているかといった情報までも事前に知ることができる

この「偵察」をうまく活用して、それぞれの施設のクリア目標となる「ミッション」の達成を目指そう。

キャッシュやダイヤモンドといった資金になるものの奪取以外にも、将来的に自分の邪魔になりそうなマフィアのボスの殺害などがミッションとして設定されていることもある

プレイヤーは組織のボスなので、襲撃自体はスーパーヴィランと「手下」に任せ、的確な指示を出すことで己の手を汚さずに資源獲得を狙っていく。

操作は非常にシンプルで、指示を出したいキャラクターを選び、攻め込みたい場所をタップするとその場所に旗が立ち、そこを目指して侵入口から進行を始めるといったかたちで進行していく。

指示を出せるのは、スーパーヴィラン1人と数人の手下たち。非常に強力なスーパーヴィランをどう使うかがカギになる

いったん指示を出すと、手下たちは自分で考えて行動し始める。

手下は「ガンマン」や「タンク」など7種類のタイプから好きなように選べる。ステータスはもちろん、優先攻撃対象や雇用コストなどもそれぞれ異なっている

説明として書かれているコメントに注目。……確かにそのとおりなのだが、「お安い消耗品!」と勧められているパンクは少しかわいそうな気がした

スーパーヴィランには何度でも指示を出すことが可能で、そのヴィランだけの強力な「アビリティー」も使える。このアビリティーは、キャラクターアイコンの近くにあるボタンをタップすることで発動できる。

リドラーのアビリティーは、電撃を使った威力の高い攻撃や、ホログラムを使って敵を翻弄するというもの

元精神科医で体操選手でもある「ハーレークィン」は、銃を持ったびっくり人形を投げたり、身軽になって攻撃を回避できるようになったりするアビリティーを持つ

襲撃先には「レーザー警報装置」のようなギミックが完備されていたり、勝てそうもない数の警官などの強固な警備体制が敷かれたりしていることがある。

張り巡らされた警報装置のレーザーを横切ると、警官たちが駆けつける。敵が増えてしまうので、うまく避ける方法を考えよう

このような場合、侵入経路や標的までの複数のルートを考えられるようになっていることが多い。

襲撃先によってガラリと様相が変わる中、いかに被害を出さずに目的を成し遂げるかを考え、それを狙いどおりに指示できたときの快感はたまらないものがある。

非常にシンプルな操作性だが、なかなか思ったとおりには指示が通らない。この歯がゆさが妙にリアルで、本作の魅力にもなっているように感じた

アジトを充実させてより快適に

ギャングの繁栄には、自分の拠点となる「アジト」をより大きく機能的にしていくのも重要なことだ。

襲撃して奪ったキャッシュを使い、ゴッサム・シティのキングにふさわしいアジトを作り上げていこう。

「ブラックマーケット」で欲しいものなら何でもそろう。効果が説明文でひと目で分かるようになっているのがありがたい

ハッカーを雇い、サイバー犯罪にも手を染めてキャッシュを稼いだり、手下たちを喜ばせるテレビやビリヤード台を設置して、ボスとしてのカリスマ性を磨いたり……。アジトのありようは、ボスであるプレイヤー次第だ。

自動販売機を設置して、手下からも少しばかりのキャッシュをいただくというボスらしくないアジト経営も可能だ

元あるアジトにテレビなどを設置していくことはもちろん、新たに部屋を増築することもできる。

スーパーヴィランをより強力にできる「ラボ」。新たなアビリティーも追加でき、より戦術的に襲撃を行うためにはマストとなる部屋だ

ほかにも手下を鍛えられる「訓練室」といったように、とてもここでは紹介しきれないほどのアイテムが用意されている。

襲われる準備も整えよう

ある程度ゲームを進めると、マップ上には他プレイヤーのアジトも表示されるようになる。

偵察に向かうと、手に入れられる報酬も明らかに。うまく襲撃できれば、普段以上の報酬が得られるチャンスだ

こちらが襲撃できるということは、襲撃されることもあるということ。

なんでも手に入るブラックマーケットには、「ガード」「ガードポスト」といった人員まで取りそろえられているので、いつ来てもおかしくないギャングの襲撃に備えた設備もしっかりと用意しておきたい。

襲撃のときに苦戦したような配置を参考に、攻め込まれづらいアジトづくりをしていこう

いい意味でRTSらしくない良作

アジトやスーパーヴィラン、手下を強化して略奪を繰り返していくだけのシンプルなゲームだが、ストーリーやCPUと戦える施設が多く用意されているため、RPGのようにどんどんと進めていける作品となっている。

対人戦もあるが、まったく無視しても楽しめるほどCPU戦が充実している。数時間のプレイではとても楽しみ尽くすことはできなかった

IPものながら出来栄えはかなりいい。バットマンに関してほとんど無知な筆者でも、じゅうぶんに楽しめる作品に仕上がっていた。バットマン好きなら、間違いなくだれでもハマれるはずだ。

かなりRTSらしいシステムとなっているが、その手のゲームで感じるわずらしさをうまく取り除けているように感じた。

序盤のキャットウーマンの説明も非常に丁寧で、本作がRTSデビューとなる方も問題なく始められそうだ

「RTSだからなぁ……」と敬遠するのではなく、少しでも興味があるならば一度ぜひプレイしてみてほしい。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.188423
  • 課金総額:0円

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