ヴァリアントナイツ ~光と闇の覚醒~【ゲームレビュー】

『ヴァリアントナイツ ~光と闇の覚醒』は、雨宮天さんをはじめとする豪華声優陣が出演する本格ファンタジーRPGだ。フリック操作でスキルを発動できるオートバトルシステムと、最大4人で楽しめる協力プレイが特徴だ。仲間との会話はチャットスタンプで盛り上がる。

意欲的な新機軸のシステムを
多種多様に盛り込んだファンタジーRPG

日々新たなスマホゲームが世にリリースされる昨今、各ジャンルにおいて家庭用ゲーム機ともまた違ったフォーマットのようなものが出来始めている気がする。そういったお約束を踏まえて、さらに発展させようと言うのが本作『ヴァリアントナイツ ~光と闇の覚醒~』だ。

背景となるストーリーは、光と闇が相克する世界で闇の力が強まり、魔物が跋扈し始めたというもの。オーソドックスな世界観だが、先々の展開で評価も変わってくると思うので、ここでは触れない。ゆえに、意欲的な仕組みを多数搭載した戦闘システムを中心に見ていこうと思う。

他のプレイヤーとの協力プレイにおけるパーティーバトルの様子。自分のキャラクターの中から、リーダーキャラのみが参加できる。操作できるのも自分のキャラだけで、連携などはチャットで相談しながらになる

完全オートによる戦闘システム。スキルの発動は任意で

本作の戦闘は完全オートバトル。戦闘に入った瞬間から、敵と味方が勝手に攻撃を開始する。スタートやポーズなどのボタンもないが、無論ただ見ているだけでは面白くないので、任意に介入できる要素がある。それが、敵味方のターゲット変更とスキルの発動である。

ターゲットの変更は攻撃先を決めるものだが、本作では敵が狙ってくるこちらのキャラクターも指定できる。これにより、防御力が高い、HPが高いといったキャラクターを壁役に据えることができる。

さらに、行動することや攻撃を受けることなどでたまるSP(スキルポイント)で、スキルを使用できる。発動のタイミングはプレイヤーの任意で、プレイヤーが指示しない限り勝手にキャラクターが使うことはない。また攻撃によってゲージがたまって満タンになると、奥義を発動できる。

スキルの発動ボタンはキャラクターアイコンの上下左右に配置され、スワイプすることで使用できる。また、奥義はゲージ満タン時に、キャラクターアイコンをダブルタップすることで発動!

奥義は戦闘に参加する4人のキャラが同時に発動することで「アルテマブレイク」という超必殺技にパワーアップ。戦闘時にはアイテムを使うことができないため、スキルと奥義の発動タイミングが、勝敗の行方とキャラクターの生死を分けることになる。

アルテマブレイクの発動。攻撃の属性は、参加したキャラクターの属性の中から一番多いものが選ばれる

行動ポイントの制限はなし。繰り返しの経験値稼ぎも可能

一般的なスマホゲームでは行動のためのポイントが設定され、そのポイント内でクエストなどを行っていくことが多い。しかし本作には、そもそも行動ポイントに当たるものが存在しない。つまり、遊ぼうと思えばいくらでも遊ぶことができるのだ。ただし、さくさくと進んでいくと加速度的に敵が強くなっていくので、必ず勝てなくなるタイミングが出てくる。その場合は、キャラや武器を強化する必要がある。

強化アイテムは戦闘時に拾えるし、戦闘に勝利することで経験値も入る。先に進まなくても、すでに勝利した戦闘に何度でも挑戦できるので、ここでアイテムや経験値を稼ぐわけだ。ここら辺のスタイルは、往年のRPGの雑魚キャラいじめを思い出す。新しさが1周して、逆に懐かしさにつながるのは少々面白い。

各クエストともに、初回クリア時には成長・進化アイテムのほかに最大3つの魔石がもらえる。魔石はガチャやコンティニュー時などに消費する

とにかくフレンドを増やすことが先決

戦闘に際して他のプレイヤーキャラクターが助っ人に来るシステムは、昨今ベーシックなものである。特に序盤など自分が弱いときには、強力な助っ人は戦闘をリードしてくれる頼もしい味方となる。ところが本作では、特にフレンドをフォローしていない状態だと、助けに来るのはランク1のプレイヤーばかり。役に立たないとはいわないが、バシバシと敵を倒してくれるかといえば、まぁ期待するだけ無理というものだ。

では、ずっと弱いプレイヤーしか助けに来ないのかといえば、そうではなく、他のプレイヤーと協力してミッションをクリアする協力プレイモードで一緒に戦えば、戦闘終了時にこのプレイヤーをフォローできる。これで強いキャラクターを借りることができるわけだ。フォローは相手の承認を必要としないが、戦闘に勝利しないとフォローすることはできない。

フレンドのいない状態と、フレンドがいる状態の比較。同じランク2だが、その差がおわかりいただけるだろうか

魔石の価値は低い

ガチャを回したり、戦闘敗北時にコンティニューする際などに使ったりする魔石。どのゲームアプリでも似た機能を持つ課金通貨が登場するが、本作ではキャラクターのガチャを回すのに25個、武器なら15個と、なかなかな数の魔石を要求される。

とはいえ、これは見せかけの数が多いだけ。昨今のレートだと課金通貨1つにつき120円というところだが、本作の魔石は6個で120円なので、単純に6分の1の価値ということになる。ほかのゲームだと4~6個でキャラクターガチャが回せるので、妥当なところだろう。また、コンティニューにも魔石が5個必要なので、こちらも普通である。

キャラクターのレアリティはノーマル、レア、激レア、超激レアの4段階。キャラクターには10連ガチャがないが、その一方で武器には10連ガチャがある。必要な魔石は150個と、なかなかのインパクト

今後の改善で、唯一無二のRPGとして存在感を発揮できるか!?

新しいシステムというものは慣れるまでは違和感を覚えるものだが、戦闘時に攻撃順が明示されないのは少々据わりが悪かった(各キャラが攻撃を行うタイミングは確認できる)。まあ、わかったからといって何か積極的に関与できるわけではないのだが。また、ターゲットの変更も、受け付けないタイミングがあるのか、なかなか変わらずに焦ってしまう場面もあった。ほかにも、協力プレイ時にルームの作成者が退室してしまうとゲームが固まったり、協力プレイ時になかなか戦闘が始まらずに他のプレイヤーとまったりチャットしていたりと、のんきな場面もあった。

なお、タップの反応が悪くてなかなか奥義が出せないというのもストレスである。いずれもバージョンアップで改善されるとは思うが、やりたいことが見えていて、その意味するところも面白そうなのに、細かなところが邪魔をしているのはもったいない。これらの点が改善されれば、独自路線のRPGとして存在感を発揮できるのは間違いない。

  • 使用した端末機種:iPhone 6 plus
  • OSのバージョン:8.4.1
  • プレイ時間:約5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0.5.
  • 課金総額:0円

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