Swap Cops【ゲームレビュー】

カナダのゲーム開発者Chris Savory氏が制作した『Swap Cops』は、警官チームを結成して迫りくる敵を倒していくターン制のパズルゲーム。80年代のファミコンを思わせるドット絵が、ベテランゲーマーの心にスマッシュヒットする作品だ。延々と続くエンドレスのミッションにチャレンジ。

警官たちのユニークなスキルを駆使して
ミッションを解決せよ

某カービィさんがコスプレをしたような一頭身の警官たちを操り、銃やハートで次々と出現する敵キャラクターをとにかく倒しまくる『Swap Cops』。画面内でチョコチョコと動く警官たちの姿につい和んでしまう。しかし、先の先を読んだプレイを心掛けていかないとすぐにゲームオーバーになってしまうという、戦略性の高さも持ち合わせている歯ごたえのある作品だ。

ちょっと頬を染めた警官たちがかわいらしい。舞台となる街の背景が、ファミコンゲームのような近未来的な世界観というのも、昨今ではなかなか見られない代物。機会があれば、開発者の人物像にも迫ってみたいところだ

姿形からは想像しづらい? 能力値やスキルの異なる警官たち

最初に選択できる警官は4種類。それぞれにスキルの範囲や効果、能力値の上限が設定されていて、その特徴を生かして戦略を立てていく必要がある。また警官は、ステージクリア時に獲得できるコインを使って、体力、通常攻撃、スキルの攻撃力などを上昇させることが可能。さらに、新しい警官の入手にもコインが必要となる。

新しい警官の入手には大量のコインが必要だ。最初は、すでに持っている警官の能力を地道に上げていくのが得策。能力値を上げきってから、新しい警官のためにコインをためよう

「とにかく最強にして、敵を蹂躙したい!」という人のために、本作では課金によって即座に最強警官をそろえることもできる。ただ、無課金でコツコツと成長させたときの強さとステージの難易度がほどよい感じなので、まずはリアルマネー抜きでプレイするのをおすすめする。

ロボコップのような最強クラスの警官だと、画面全体をじゅうたん爆撃することも可能。かなり強力だが、その分だけお値段のほうもすさまじい

警官の成長とともにステージの難易度も上昇

ゲーム画面は縦6マス×横3マスで区切られており、そのうちの下側の2列に警官を配置する。そして画面の上側から出現する敵を倒し、ステージごとの目的を達成すればクリアとなる。前列の警官と後列の警官をスワップする(入れ替える)ごとに、独自のスキルが発動する。場合によっては、配置を入れ替えずに通常攻撃を行うことも可能だ。

システム自体は単純だが、スキルの有効範囲や敵の行動パターン、強さなどが絡み合い、ステージが進むと「クリアできなかったけど、もう少しでクリアできるはず」というような気持ちになるくらい、難易度が絶妙になっていく。開発者は他にも似たような戦略ゲームをいくつか手掛けており、そこで培ったノウハウが凝縮されているのだろう。以下では、ゲームの流れを画像で紹介する。

前列にいる3人のうち、後列の警官と交代させたいキャラをタップ(ここでは前列中央のキャラをタップ)。このとき、交代して後ろに下がった警官は体力が回復する

交代して前列に出た警官は独自のスキルを発動。その後、他の警官は通常攻撃を行ってターンエンド

続いて、敵キャラクターやNPCが移動や攻撃などの行動を済ませて1ターンが終了となる。なお、敵の攻撃は前列の警官にしか届かない

ステージをクリアしていくと、だんだんと敵も強力になってきて、ゲームオーバーとなってしまう場面もしばしば発生。ちなみに、ゲームオーバーになっても倒した敵の分のコインは獲得できる。これを使って能力値を上げて再挑戦……といきたいが、もらえるのは微々たる金額だ。何度もゲームオーバーになりながらコインを稼ぐというやり方は、現実的ではない。

敵の種類や勝利条件に応じて戦略を組み立てよう

警官にも能力の違いがあるように、敵にもいくつかの種類がある。敵の特徴を大まかに分けると、以下の3つ。

  • 移動せずに遠距離攻撃
  • 移動して中距離攻撃
  • 前進して警官と接触すると攻撃

この中で最も危険な敵は、「移動せずに遠距離攻撃」をしてくるタイプ。警官との間に他の敵が挟まっていると、まずはそちらを倒してからでないと攻撃が届かないことが多い。そのため、敵の配置によっては一方的に攻撃されてしまい、かなりのストレスがたまっていく。遠距離タイプが多く出現するミッションでは、貫通タイプのスキルを持つ警官をなるべく多く編成するなどの戦略が必要になる。

出現から2ターンで爆発し、前列の警官全員にダメージを与える敵。どこに出現しても攻撃できるよう、貫通スキルや複数マス攻撃が可能な警官を編成しておくことは必須だ

敵陣から移動してくる民間人を救出するミッションも。本来なら攻撃してはいけない相手だが……。倒してしまっても特にペナルティはないので、どうしても邪魔だったら敵もろとも民間人をブッ飛ばしてもOK

敵の行動パターンはその種類によって固定されているが、次に出現する敵の種類や配置はランダムとなっている。そのため、将棋のように何十手も先まで読む必要はなく、だいたい2手先ぐらいまでを予測できればじゅうぶんだ。ゲームオーバーになってもコイン減少などのペナルティないので、何度も挑戦していれば、いつかはクリアできる。

なお、まれに同じ縦の列に複数の遠距離タイプの敵が出現し、あっという間にゲームオーバーになることがある。コインを入れたらすぐに天和を出される麻雀ゲームのような理不尽さも覚悟しておこう。

エンドレスのミッションを楽しめる暇つぶしゲームの傑作

チュートリアルは一瞬で終わるが、システム自体が簡潔なので問題なし。ゲームをあまり触らない人でも、すぐに内容を理解できるお手軽さも魅力だ。またミッション数がエンドレスなので、テトリスのように延々とクリアし続けることができ、ヒマつぶしにはもってこいのタイトルだ。旅行や通勤など移動時間が長いとき、事前にスマホにダウンロードしておけば、目的地まであっという間に着いてしまう感覚が味わえるはず。ただし、熱中しすぎると、筆者のように目的地を通り越して仕事に遅れてしまうかもしれないので、ご注意を。

  • 使用した端末機種:iPhone 4S
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:5時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
  • 課金総額:0円

(C) Chris Savory