NexusからPixelへブランドチェンジ
Googleは、「純粋なAndroid」としてユーザーからの支持を受けていた「Nexus」を展開してきたわけだが、今回はそのブランド名を一新し「Pixel」「Pixel XL」の2種類のスマホを発売する。
Pixelとは、同社のタブレット端末「Pixel C」やChromebookノートPCで使われているブランド名であり、今後のGoogle製ハードウェアに付けられていくであろう名称。
NexusブランドはGoogleと共同開発したハードウェアメーカーのロゴが刻印されているが、今回発表された2端末にはそれが見られないのが特徴だろう。
PixelおよびPixel XLの基本的なスペックは下記の表のとおり。
端末名 | Pixel/Pixel XL |
---|---|
OS | Android 7.1 |
ディスプレイ | 5.0インチ有機EL/5.5インチ有機EL |
解像度 | フルHD(1,920x1,080)/QHD(2,560 x 1,440) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 821(2.15GHz 2コア+1.6GHz 2コア) |
RAM | 4GB |
内部ストレージ | 32 or 128GB |
背面カメラ | 12.3MP |
前面カメラ | 8MP |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 143.84×69.54×7.31~8.58mm/154.72×75.74×7.31~8.58mm |
重量 | 143g/168g |
カラー | シルバー・ブラック・ブルー |
バッテリー容量 | 2,770mAh/3,450mAh |
ポート | USB-Type C |
両者の違いは、ディスプレイおよび本体のサイズ、解像度、重量、バッテリー容量で、その他のスペックは共通となっている。
「Pixel」紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=Rykmwn0SMWU
性能怪獣ZenFone 3 Deluxeとの比較
Pixelは、全体的に非常に高いスペックを備えている。先日発表されたASUSの性能怪獣こと「ZenFone 3 Delux」(以下、ZenFone)の5.7インチモデルと比較してみよう。
以下の表は、ディスプレイサイズが近いPixel XLとZenFoneを比較したもの。
端末名 | Pixel XL | ZenFone 3 Deluxe(5.7インチ) |
---|---|---|
OS | Android 7.1 | Android 6.0 |
ディスプレイ | 5.5インチ有機EL | 5.7インチ有機EL |
解像度 | QHD(2,560x1,440) | フルHD(1,920×1,080) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 821(2.15GHz 2コア+1.6GHz 2コア) | Qualcomm Snapdragon 821(2.4GHz) |
RAM | 4GB | 6GB |
内部ストレージ | 32or128GB | 256GB |
背面カメラ | 12.3MP | 23.0MP |
前面カメラ | 8MP | 8MP |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 154.72×75.74×7.31~8.58mm | 156.4×77.4×7.5mm |
重量 | 168g | 172g |
カラー | シルバー・ブラック・ブルー | シルバー・ゴールド |
バッテリー容量 | 3,450mAh | 3,000mAh |
ポート | USB-Type C | USB-Type C |
まず、ゲームの動作にも大きく影響するSoCはどちらも「Snapdragon 821」を搭載。820と比較して、CPUの性能が10%、GPU性能は5%ほどの向上が図られている。
動作クロックの表記に違いがあったため、各々チューニングが施されている可能性もあり、まったく同一のものとは言い切れない。
ただし、実際に利用シーンにおいて体感できるほどの差ではないと思われる。
RAMに関しても、ZenFoneの方が2GBも多い6GBを搭載しているが、普段使っている範囲で恩恵を受けれるかどうかは疑問が残る。
その他、解像度とバッテリー容量はPixel XL、内部ストレージ容量と背面カメラの画素数はZenFoneに分がある結果となった。
サイズと重量に関しては、ディスプレイサイズの違いを考慮すると、順当な差といえるだろう。
決定的な違いとなると、Pixelは最新OSを搭載し、2年間のOSアップデートが保証されていることと、ZenFoneの膨大な内部ストレージ容量と外部ストレージ対応の2点が挙げられる。
さらに、Pixelには下記の新機能に対応していることも見逃せない要素である。
- 音声認識アシスタント「Google Assistant」搭載
- 15分間の充電で最高7時間利用できる急速充電
- 写真と動画を劣化させずに保存できる容量無制限のオンラインストレージ
- VRプラットフォーム対応認定「Daydream Ready」
このあたりが、この2機種のどちらを購入するかの判断材料ではないだろうか。
スマホゲーマーとしては、QHDのディスプレイを備え、今後VRゲームが次々にリリースされると予想されるプラットフォーム「Daydream」に対応するPixel XLを購入すべきだろう。
128GBモデルなら、外部ストレージが使えないこともさほど気にならないだろう。
対応バンドをチェック
Pixelの対応LTEバンドは、
バンド 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/21/26/28/32/38/39/40/41
となっているため、国内キャリアで利用されている周波数帯はカバーしていることになる。つまり、各MVNOも使えるはずだ。
また、auの3G通信規格「CDMA2000 BC0」にも対応している。ただし、CDMA2000 BC0には細かい仕様があり、スペック表で対応しているからといって実際に使えるとは言い切れない。
日本での発売はいつ?
発表会にて販売がアナウンスされた国は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、イギリスの5ヵ国。残念ながら、日本での発売日は告知されなかった。
Nexusシリーズを例に見ると、「Nexus 5」は日本を含め発表当日に販売開始、「Nexus 6」も発表の際に日本でも販売することが明かされた。「Nexus 5X/6P」も同じで、発表会当日に日本からでも予約が可能になったのだ。
発表と同時に日本での販売が判明しなかったのは、「Nexus 4」以来ということになる。
とはいえ、日本語の製品ページがオープンされていることを考えると、販売は決定的といえるだろう。
ちなみに、日本での販売アナウンスが遅れている理由として、Google Assistantの日本語化が原因となっているとのうわさがある。
Google Assistantとは
Google Assistantとは、自然言語を理解して情報を提示してくれる会話型AI。
iOSにおけるsiriのようなものだが、Googleが検索サービスなどで蓄積してきた膨大な情報をもとに、ユーザーのおかれている状況を把握し、必要な情報や行動を促してくれるすぐれものだ。
Googleがリリースしたメッセージアプリ『Allo』にはすでに搭載され実際に使うことができるが、日本語には対応していない。
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