Plants vs. Zombies Heroes(プラントvs. ゾンビ ヒーローズ)【ゲームレビュー】

海外で絶大な人気を誇る、Plants vs. Zombiesシリーズの最新作『Plants vs. Zombies Heroes(プラントvs. ゾンビ ヒーローズ)』(以下、PvZ Heroes)が、日本語にローカライズされて登場!プラントとゾンビ、選んだ勢力でまるっきり違う戦法が楽しめるカードゲームだ。

底の見えない戦略が広がるカードバトル

『PvZ Heroes』は、歴代シリーズに登場したプラントとゾンビをはじめとする、数百種類のキャラクターたちが「ヒーロー」や「カード」として登場するCCG(コレクティングカードゲーム)。

対戦はもはやスマホカードゲームではおなじみの、コストを消費して場にカードをプレイし、相手のヒーローの体力を先に0にした方が勝ちとなるルールとなっている

スマホシリーズ初の日本語化&ジャンル!

2009年からアメリカ市場ではPCやニンテンドーDS、PS4などの多様な機種でさまざまなジャンルのシリーズ作品が登場してきたPlants vs. Zombiesシリーズ。

スマホタイトルの前作、前々作にあたる『Plants vs. Zombies 2』、『Plants vs. Zombies』は、どちらも家の庭にプラントを植えてゾンビの侵入を阻む、タワーディフェンス系のゲームだ。

日本語にローカライズはされていないものの、直観的にプレイできるゲーム性となっているので、問題なく遊べる。こちらもかなりの出来栄えとなっているので、気になった方はチェックしてみよう

カードゲームというジャンルのゲームは、クールでかっこいい雰囲気の作品が大半を占めるイメージだが、本作はそのコミカルなグラフィックに合った”にぎやかな雰囲気”が魅力のカードゲームに仕上がっている。

ストーリーはアメコミチックな4コマ漫画を読むように進行する。要所でヘッドホンを推奨されるとおり、BGMや効果音もかなり作りこまれているので、サウンドをオンにして楽しみたい

地形や陣営の特徴が奥深いカードバトル

本作の対戦は5列並んだ「場」で行われ、用意した40枚のカードで組んだデッキを使って戦う。

コスト分のサンを消費して、場にプラントを出そう。プラントとゾンビにはそれぞれ攻撃力と体力があり、同じ列にいる敵と戦闘で攻撃し合う

対面する敵がいない場合は奥にいるヒーローに攻撃!こうして、先にヒーローの体力を0にしたほうの勝利となる

攻撃力と体力だけでなく特殊能力があるカードも多く、その能力をいかに活用していくか考えて戦うのが面白い。

戦闘中にカードをタップすれば、敵味方関係なく詳しいステータスを知ることができる。海外ゲーらしいカードの紹介文もあり、1枚1枚がこだわりをもって作られていることが伝わってくる

「団結」の能力をもつカードは、なんと同じ列に縦並びに場に出すことも可能なカード。思った以上に自由度が高い

場には、「高台」「地面」「水」といった地形の違いがあり、特定の場で本領を発揮するカードも存在する。

たとえば、水の列には、陸と水両方でプレイできる「両性」をもつカードしか出せない。高台の列にプレイすることで、ステータスが倍に跳ね上がるカードもある

プラントか?ゾンビか? 陣営によって変貌する戦略性

今作では、過去作では敵でしかなかったゾンビ側としてプレイすることも可能。

ゾンビ側では、サンの代わりにブレインを消費してゾンビを繰り出して戦う

本作のバトルは、ターン順が固定されているのが大きな特徴で、ゾンビ陣営は必ず先攻。その後、プラント陣営が行動してから「ゾンビトリック」と呼ばれるフェイズを経てから戦闘が開始されるシステムになっている。

ゾンビトリックでは円形の枠に囲まれた、いわゆる魔法に位置づけられる「トリック」を使用でき、先攻時に余ったブレインを使ってプラントにダメージを与えたり、ゾンビの位置を変更したりできる。もちろん、プラント陣営にもトリックカードはある

戦闘前にこの特殊なフェイズがあることにより、あえてブレインを残してプラント陣営をけん制することなどが可能になっており、より奥深いカードバトルが繰り広げられる。

ターンを経て、1ターンで使えるサンとブレインの数は1ずつ増えていく。そのターンに使用しなかったサン、ブレインは次ターンに持ち越せず、常に限られたコストのなかで立ち回りを考えていくことになる

さまざまな特徴をもつ10種類のヒーローとクラス

ヒーローはプラント陣営、ゾンビ陣営にそれぞれ10種類ずつ用意されている。

ヒーローごとに使えるカードの「クラス」が異なり、それがまた多様なカードバトルを生んでいる。

各ヒーローが使えるのは、2種類のカードクラス。使用可能なカードはマークと枠の色で、簡単に見分けられる

回復に秀でていたりカードの強化が得意だったりとクラスによって特色があり、考えられる戦術もその組み合わせによって無限に広がる。

ヒーローのスーパーパワーで一発逆転!

ヒーローがダメージを受けたときにも、面白いシステムが盛り込まれている。

ヒーローの体力の周りには「スーパーブロックメーター」があり、攻撃されるとランダムで1~3目盛りぶんゲージが増えていく

8目盛りあるメーターが満タンになると、そのときの攻撃を無効化!

さらに、「スーパーパワー」と呼ばれるトリックカードを4枚のうちから1枚引くことができる。

引いたスーパーパワーはノーコストですぐに発動させるか、手札に加えて任意のタイミングでコストを支払って発動するかを選べる

スーパーパワーカードはその名に恥じない強力な効果をもっており、使い方を工夫すれば窮地を逃れることもできる可能性を秘めている。

そのため、ダメージの低い攻撃はあえて受け、スーパーパワーを狙うといった戦法も考えられる。

たとえば「シードボム」は、サンコスト1で中央列に5点のダメージを与えるスーパーパワー。敵がいない場合はヒーローに直接攻撃できてしまう凶悪な能力をもつ

攻撃順も固定!さらに戦略的なバトルに

戦闘時の攻撃は、必ず向かって左側の列から行われていく。

敵相手の順番はなく、向かい合えばやられる体力であっても相手の体力を削ることはできる

ランダムとはいえ、ある程度スーパーブロックの発動タイミングは予測できるため、高い攻撃力をもつキャラクターの攻撃が無効化されないよう、トリックや他のキャラクターを使って工夫しよう。

勝ったな!と思っても、トドメまで本当に勝ち負けがわからないのが本作の面白いところ。最後の最後まで、全力を出し尽くそう

ミッション&対戦で目指せ最強!

遊べるモードにはミッションと対戦があり、ミッションではストーリーを読みながら進めるCPU戦、対戦では他プレイヤーとのリアルタイムバトルが楽しめる。

新しいヒーローが相手になると、カードクラスやスパーパワーの特徴を教えてくれることも。CPUもかなりの腕前となっており、ゲームに慣れながら本気のバトルができるモードとなっている

対戦は「カジュアルマッチ」と「ランクマッチ」の2つのモードに分かれ、ランクマッチではスターをかけて戦い、勝利を重ねて所属するリーグを上げていくことができる。

最終的にはこのランクマッチで、トップランカーになるのがゲームの目標となるだろう。

対してカジュアルマッチは、新デッキの試運転などに使えるゆるめの対戦モード。失うものはなく、勝てばカードパック購入に必要なコインが手に入る

モードに関わらずカードバトルに勝利すると、コインやジェムといったカード入手に必要な報酬が手に入る。

また、クエストという目標もいくつか設けられており、これらを達成していくことでもいろんな恩恵が受けられる。新たなヒーローが使えるようになることもある

リサイクル&作成で理想デッキを構築

いらないカードは、リサイクルして専用のポイントに変換できる。そのポイントを使えば、未入手カードも作成し放題となっているので、気になるカードはどんどんと実戦で試していける。

リリース初日の10月19日でも、1クラスに24枚ずつカードが収録されていた。今後カードの更新も予定されているので、デッキ構築に飽きることはなさそうだ

さまざまな観点から戦法を考えるのが非常に面白い作品

日本では知らない方も多いかと思うが、海外ではメジャーなシリーズ。

試しに対戦してみると、ほとんど待ち時間なくマッチングした。プレイヤーの人数はこれからどんどん増えていくことになるので、対戦相手に困ることはなさそうだ。

CPU戦でも手を焼いた筆者には、リアルタイム対戦はまだ早かったようだ。「スタンプ」などの感情表現する機能がないのが物足りなかったが、1手1手に制限時間が設けられており、サクサクと集中して対戦することができた

対戦内容にもよるが、1試合はちょうど10分間ほど。個人的には縦画面でプレイできるのもうれしいポイントで、混雑した電車のなかでも快適にプレイすることができそうだ。

あまり日本ウケしそうにないグラフィックだが、キャラクター1体1体が本当によく作りこまれており、キモとなるカードバトルは非常に完成度が高く、面白い。

カードによって攻撃モーションやエフェクトもさまざま。慣れてくるとゾンビすらかわいく思えてきた

カードゲームに熱中したことのない筆者でも、2時間のプレイでは物足りないと感じるほど楽しめたので、特にカードゲーム好きの方は騙されたと思って一度はプレイしてみてほしい。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 9.3.2
  • プレイ時間:約2時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.8.23
  • 課金総額:0円

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