フィンガーナイツ【ゲームレビュー】

2015年10月7日に配信が開始された『フィンガーナイツ』。6つのクラスが存在する英雄騎士たちをひっぱり、敵にぶつけてダメージを与えていくファンタジースリングRPGだ。指先1つの簡単操作で楽しめるこのゲームを紹介しよう。

英雄騎士たちを操り、魔王討伐を目指す

ファンタジー作品というと、アクションやシミュレーションジャンルをまず思い浮かべる人がほとんどだろう。しかし、本作は指先1つでキャラクターをひっぱったり、敵にぶつけるなどしながら進めていく「スリングRPG」といった、新しいジャンルの作品となっている。

ゲームのバックグラウンドは、多くの文明が栄え、平穏な暮らしを送っていた大陸に、かつて神々が葬り去った魔王が突如復活。その戦乱に巻き込まれた主人公が、戦闘の指南役として行動を共にする副官エリーシュや、各地の英雄騎士たちと協力しながら魔王討伐を目指すという内容。

ストーリーには、TVアニメ『異能バトルは日常系のなかで』を監修し、『THE IDOL@MASTER』や『ストライクウィッチーズ』では演出を手掛けた高橋正典氏が監修を務めている。氏の作品を一度でも観たことのあるファンなら、間違いなく本作を楽しめるはずだ。

戦闘に慣れていない主人公を手助けしてくれる副官エリーシュ。ゲームを進めるうえで大切なことは彼女が教えてくれるので、しっかりと聞いておくように

幅広い戦術性が魅力の戦闘システム

プレイして印象的だったのが、ただキャラクターをひっぱって弾くだけだと序盤のクエストでもゲームオーバーになってしまうこと。こういうと「かなり難しいゲームなのでは……」と思われてしまうかもしれないが、それは誤解である。

本作では戦闘の際、ぶつかっていくごとにコンボ数が伸びていき、その回数が多いほど火力もアップしていく。そのため、敵味方の位置やひっぱる方向など、どこにぶつけるかということもしっかりと考えたうえで操作しなければならないのだ。

例えば、「4ターン以内に敵の基地を破壊せよ」というクエストが序盤出てくるのだが、開幕から敵も大量に配置されているため、一見すると適当にぶつけてもクリアできるように思えてしまう。しかし、この考えが大きな間違いであり、最初から敵数を減らし過ぎてしまうと、後にぶつける相手が少なくなり、基地の耐久を削りきれずに終わってしまうといった結果に。こういった難易度と戦略性のバランスが絶妙に取られているのも、細かいこだわりが感じられた。

とにかく単体でぶつかっただけでは火力が伸びない。どのような順番でキャラクターを操作し、どこにぶつけるかも考えぬいたうえで操作すると、驚くべきコンボ数をたたき出すことができる

特徴的な性能をもった6つのクラス

ゲームを進めていると、報酬で新しい英雄騎士が手に入るはず。クラスはソルジャー、シューター、ガーディアン、ウィザード、キャスター、ヒーラーといった、全部で6つに分かれている。それぞれのクラスには特徴的な性能があるのだが、慣れないうちはヒーラーとソルジャーを優先的に編成しておくことで、スムーズに進められた。以下は各クラスの特徴をまとめたものなので、プレイする際の参考にしてみてほしい。

  • ソルジャー

近接タイプのクラスで、周囲に味方が多いほど火力が伸びていくのが特徴的なクラス。序盤は強化素材もどんどんたまっていくので、与えるダメージも伸ばしやすく、序盤も頼りになる存在になることは間違いない。

  • シューター

敵が離れているほどクリティカル率がアップしていく遠距離クラス。逆に距離が近いに攻撃すると、攻撃は外れてしまうといったデメリットも備わっている。こちらも強化に応じて所持できる矢の本数も変わってくるため、編成するならできるだけ強化は済ませておきたい。

  • ガーディアン

ソルジャーが攻撃型なら、ガーディアンは防御に特化した存在。自分中心とした円の範囲があり、この中に味方がいると防御力をアップさせる効果を持っている。また、味方同士でぶつかった際に発生する「CRUSH」ダメージを受けないのも特徴だ。

  • ウィザード

敵に衝突すると範囲魔法を発生させて、その周囲にいる他の敵にもダメージを与えるといった範囲狩りが得意なクラス。魔法によっては凍結させたり、クリティカル率をアップさせたりといった追加効果が付与されることもあるので、敵が多いクエストには必ず連れていきたい。

  • キャスター

障害物を貫通して攻撃できるクラス。攻撃した相手にデバフを付与させる効果を持っているため、ボスタイプの敵が相手になる状況だと活躍が期待できる。もちろん、強化に応じて貫通できる数やデバフ効果も増えていく。

  • ヒーラー

文字どおり回復が専門のクラス。戦力性が強いタイトルなので、早いうちに手に入れておくと進行もスムーズに。味方同士でぶつかると回復効果のあるバフを付与してくれるため、なるべく周囲が安全な場所に移動させておこう。

星1でも大スターになれる

無課金のプレイヤーにもうれしいシステムが、どんな騎士たちでも星5(各キャラクターが進化できる最終形態)まで進化させられるということ。ゲームによっては星3からしか最後まで育成できなかったり、星1や2のキャラは使えないといった悲しい現実が待っている低コストのキャラたちだが、本作ではしっかり救済措置が用意されている。これまでプレイしたタイトルでリセマラしてきたという方も、苦しい時間を消費することなく快適に遊んでいけるはずだ。

見た目はいかにも雑魚キャラのゴブリンも星5まで進化させることができる。レベル上限や強化上限もあるため、実はレベル1からコツコツと育成していくのがベストなのかもしれない

スリングRPGといった新しいジャンルが体験できるのは『フィンガーナイツ』だけ!

ライターという職業柄、これまでさまざまなスマホゲームに触れてきたが、戦闘バランスと戦略性のバランスが均等なタイトルは今まで見たことがなかった。しかし、本作はそのバランスが絶妙に味付けされており、新風を巻き起こすタイトル、というのが個人的な感想である。またガチャによるレア度も関係ないため、地道にコツコツ遊んでいくのが好きな方にはうってつけかもしれない。

  • 使用した端末機種:iPhone 6
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:約3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:01.03.3
  • 課金総額:0円