ファンシーな見た目だが、由緒正しきダンジョン探索型RPG
『ローグ』といえばコンピュータRPGの黎明期に大流行したダンジョン探索型のRPGだが、1980年に同タイトルが登場して以来、そのコンセプトは多くの作品に継承されてきた。いわゆる「ローグライクRPG」である。その特徴として、ダンジョン探索ものであること、ダンジョンがランダム生成であること、階層移動が不可逆であることなどが挙げられるが、本作も自動生成であるということを含めて、いわゆる『ローグ』の子孫の1つである。
さて、『ダークローグラビリンス』と名付けられた本作だが、どこら辺がダークなのかというと、死者が死なない世界で、その死者が生者を襲い始めたという部分らしい。そういうのは、ダークというより「ブラック」(悪い冗談)の方が正しいと思わないでもないが……。
システムはおなじみのもので理解しやすい
ダンジョンに潜ってこれを探索、宝箱を発見したり、敵を倒したりしながら最下層まで行って帰ってくる。こう書くと肝だめしみたいだが、実際そう変わらない。ダンジョン探索はストーリーに沿って進む「ストーリー」、イベントダンジョンに潜れる「イベント」、自分や友人が作ったダンジョンに潜れる「迷宮の地図」の3つから選べる。ただし、イベントは特定の期間以外では探索できるダンジョンが発生せず、迷宮の地図はプレイヤーレベルが一定に到達しないとやはり発生しない。つまり、プレイを始めた直後であれストーリーのダンジョンに潜るしかない。
ダンジョン内では1行動につき1ターン経過する。敵がいなければ気にすることはないが、同じマップ内に敵がいるときは、1歩移動するごとに、敵も移動または攻撃をしてくる。ここら辺はローグライクRPGではお約束ともいえる基本部分だ。本作では移動や攻撃といった行動をとっても行動力を消費することはない。ただし、攻撃には回数制限が設けられており、この回数以上に攻撃を行うと威力がガクッと下がってしまう。
さらに、アイテムをダンジョンに持ち込めないため、攻撃力やHPの回復はダンジョン中ですべてまかなわないといけない。いったん生成されたダンジョンはマップ構造こそ変わらないが、落ちている宝物はまったくのランダムなので、めぐり合わせが悪いと欲しい回復アイテムが手に入らないといったことも起きる。
キャラクターのレアリティーは5段階
キャラクターのレアリティーは、A~Eの5段階に設定されている。それぞれに火、水、土、木、無の5つの属性が割り振られ、「無」以外は相生相克の関係にある。つまり、火は木に強く、水に弱いというあれだ。レアリティーが高いキャラほど攻撃力やHPが高いが、同じレベルあれば属性の効果がより強いという印象を受けた。ならば、ダンジョンに出現する敵をあらかじめ確認してから、相性のいい属性のパーティーで臨んだ方がいいということ。
ちなみに、ダンジョンは途中でリタイアすることができる。この場合、拾ったアイテムは持ち帰れないが、経験値はそのまま獲得することができる。さらにダンジョン内で全滅して、かつアイテムを持ち帰りたいときは、ほかのプレイヤーの救助を待つといったことも可能だ。
本作のいちばんのウリは「迷宮の地図」
プレイヤーレベルが9になると、「迷宮の地図」というモードが開放される。これは、自分でダンジョンを作成し、そこを実際に探索できるというもの。作れるといっても、自分でオブジェクトを配置するというものではなく、ランダムで生成されたダンジョンを自分のものとして保持できるという仕組みだ。
どんな属性のダンジョンができるかはランダム。迷宮の地図のダンジョンは、最深部からテレポーターで帰ってくるたびにレベルが上がり、より深い階層が開放されていく。またダンジョンのレベルが上がれば敵も強くなり、拾えるアイテムもアップグレードされる。ということで、ダンジョンを育成するという感覚で楽しむことができる。
また、迷宮の地図にはランクがあり、高いランクのものほど、より深い階層を探索することができる。探索を進めてレベルが上がったダンジョンは。それをベースに新しい迷宮の地図を作成することができる。こうして、より深く、よりレアリティーの高いダンジョンへと発展させていく。こうして作られたダンジョンは、ほかのプレイヤーも遊ぶことができるのだが、深層の開放は所持者による最深部への到達が必要となる。どれだけ多くのプレイヤーが探索しても、自分が最深部に到達できなければ新たな階層は開放されないのだ。
キャラクターはなかなかファンシー
本作は、死なない亡者がモンスター化してダンジョンをうろついているという設定だが、登場するモンスターはかわいらしくデフォルメされている。ちょうどハロウィンの時期でもあるし、その雰囲気を味わうにはぴったりだ。
見た目的には女性ユーザーにも受け入れられる素地を持っていると思うが、ゲームシステムは古典的であって、決して甘口ではない。女性ユーザー=ライトユーザーというわけではないが、ファンシーな雰囲気にひかれてプレイを始めると痛い目にあうことになるだろう。実際、なめてかかって何度かダンジョンで立ち往生してしまうことがあった。世の中、見た目で判断してはいけないという好例である。反面、ランダム生成のダンジョンなど、やり込み要素はじゅうぶんなので、ヘビーにやり込めるのは大いに魅力的である。
- 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
- OSのバージョン:iOS 8.4.1
- プレイ時間:約6時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.1.0
- 課金総額:0円
Copyright (c) 2015 liica Inc. All rights reserved.