アクションパズルへと姿を変えた新たなパックマン
生まれ故郷の日本よりも海外での人気が高いパックマン。最初はエサを食べてマップをうろうろしていたのが、目鼻や手足がついてハンナ・バーバラプロダクションでTVアニメ番組化され、次いでファンタジー世界を冒険して回るなど、すっかりそのキャラクター性を確立している。その人気は1980年代に爆発して以降、ミッキーマウスを上回る関連グッズの売り上げを誇っているという。
とはいえ、そもそもが食べ掛けのピザに着想を得たものだったのだから、平面で目鼻もなかったはずなのだが、今じゃすっかり球形の姿に違和感がなくなってしまった。つやつやの丸い身体は、壁にぶつかったらさぞよく跳ねるに違いないと思うのも無理はない。そこまでのイマジネーションを、みなさんも何となく感じていることと思う。
『PAC-MAN Bounce』では、パックマンが「弾む」という特性を獲得した。以降の作品でもこの部分が保たれるかはわからないが、とにかくこの弾むことが重要なファクターとなるパズルゲームである。プレイヤーはパックマンを直接操作するわけではなく、あらかじめ道筋をつけて誘導し、ときに障害物にぶつけて弾ませながらゴールへとたどり着かせることになる。
方向転換の方法は3種類
パックマンは、口の開いている方へ真っすぐに進むことしかできない。ただ、それではゲームにならないので、パックマンの方向を変えるオブジェクトがマップ内に配置されている。これが3種類の矢印。
丸い矢印はパックマンの進行方向を360度どこへでも変えることができる。青ふちの四角い矢印は、パックマンがその上を通過する際に矢印の方へ向きを変えさせる。白の矢印は青ふちと同じだが、その設置場所を自由に移動できるという特徴を持っている。また前述のとおり、今作のパックマンは壁にぶつかると跳ね返るので、角度をつけて狙った方向へ反射させることが可能だ。
パワーエサでゴーストを排除
ステージ上にはパックマンが即死してしまうワナとして、大きな穴とゴーストが用意されている。穴は、その上を通過することができず、パックマンが落ちてしまってゲームオーバー。そして、パックマンがゴーストに触れた場合にも、もちろん死んでしまう。
ただし、パワーエサ(パワークッキー)をパックマンが取ることで、ゴーストを逆に食べることができるというのはシリーズのお約束。パワーエサには効果時間があって、もたもたしていると効果が途切れてしまう。パックマンの進行ルート上、どのタイミングでパワーエサを取るのかも、戦略的に重要なファクターとなる。
制限時間はなし! じっくりと回答を探し出そう
プレイヤーじっくりと考えられるように、各ステージに制限時間などは設けられていない。筆者は時間に追われるのはせわしないと感じてしまうタイプなので、これは大変ありがたい。あわてず急がず、パックマンの移動ルートを検証しながら矢印の配置や向きをいじっていこう。
また、いったん通過した矢印は消滅してしまうことに注意。そのため、ひと筆書きでカギまでのルートを設定する必要がある。なお、本作には特にスコアという概念はないのだが、マップに置かれている3つの星を取ることで、先のステージを開放する際のメリットが得られる。星は、1度クリアしたマップでも取得できるので、何度も同じ面をクリアすることで集めていくのもありだ。
ヒントも無料で見られる親切設計
時間制限がないので、じっくりと攻略法を探ることができる本作だが、それでも解けない場合はヒントを教えてもらうことも可能だ。広告動画を見る必要はあるが、マップクリアまでの矢印の置き方をガイドしてくれる便利な機能だ。特にペナルティーもないので、どうしてもいいアイデアが出ないようなら参考にするのもいいだろう。
ただし注意点が2つあり、1つは広告動画を見る必要があるので通信可能な環境でないと使えないこと。もう1つは、ヒントといってはいるもの、実は正解をすべて開示してしまう場合があるということだ。ネタバレが嫌いなタイプの方は使わない方が無難だろう。
ステージは今後も追加予定
現在、ゲーム内には102ステージが用意されているが、さらに今後拡張される予定があるらしい。とはいえ、現状でもかなりのバリエーションだし、遊び尽くすだけでもかなり時間がかかる。特に本作はスタミナが最大10までしかためられず、10回連続でプレイしたら回復を待つか、課金するしかない(広告動画を見れば3回分だけチャージされる)。しかし、急いで遊ぶタイプのゲームではないし、ゆっくりプレイを進めていっても何ら問題はない。
限られた範囲のステージ内で、指定されたギミックを動かすというシンプルなシステムながら、思いがけないギミックの使い方でクリアするといった場合もあり、そんなときは目から鱗が落ちるような面白さがある。ゲームの基本部分はいったんダウンロードしてしまえば通信の必要もないし、通信状況が不安定な長距離の移動などのときに、それこそ詰将棋を楽しむような感覚で遊ぶと移動時間が一瞬で過ぎ去ってしまうこと請け合いである。
- 使用した端末機種:iPhone 6 Plus
- OSのバージョン:iOS 8.4.1
- プレイ時間:約4時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1.0
- 課金総額:0円
PAC-MAN Bounce &(C) 2015 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.